家庭教師田口の視点(37ページ目)


2009年7月1日 0:59:58


 子育ては、私たちががんばることではなく、子どもたちにがんばってもらうこと

 この言葉が、私の皆さんへの、「環境」を考えていただく上での、大きなヒントになろうかと思います。この言葉を、何度も読み返していただき、頭に刻みつけたうえで、このあとの私の文章、これまでの私の文章をお読みいただければ、と思います。
 
  私のここでいう「環境」とは、前にも申したように、部屋を与えるとか、机を与えるとか、そういう類のハード的なものではかならずしもありません。むしろ、そういうことが、場合によっては、子どもにとって、マイナスに作用するのではないかと考えるくらいの、ソフト的なものです。それは、子どもの周りの人間による「環境」といった類のものです。

 よく「自分の部屋も机もあるのに、子どもが勉強をしないのはなぜだろう」みたいな話を聞いたりしますが、そういう思考自体が、子育てにおいては危険だといえると思います。
 発展途上国の中には、鉛筆やノートのような、勉強するのに最低限必要と思われるようなものが不足していたりということがあり、それが勉強の妨げになっていることもあるかもしれません。
 でも、この日本で、そういうことは考えにくいというのが現状でしょう。物があふれた状態で、物が勉強への誘引になることは、なかなかないというべきかもしれません。
 
 勉強しようと思えば、みかん箱に向かってでも勉強できる(日本でも、それに近いことが当たり前であった時代もあったかと思います)ことを思えば、今の日本の子どもたちは、むしろ物に恵まれすぎており、その恵まれすぎていることが、子どもの勉強への動機付けの妨げにさえなっていると思われるのです。
 もとより、こういう環境のよさは、本来悪いことではありません。誰も昔のように、「みかん箱」にもどろうなどと思う方はおられないでしょう。でも、一方で、恵まれすぎていることの危険性も知っていなくてはなりません。私たちがその危険性を知っていて、子どもたちも、頭の上でなく、口先ででなく、「体質として」それを理解していることが重要だと思うのです。

 私達は、ともすれば、恵まれた環境(部屋、机、文房具など、勉強するのに不自由を感じない状態)にいれば、子どもはおのずと勉強するだろうとか考えるわけです。
 でも、それは、教育のハード面なのですね。「箱物」なのですね。でも、この「箱物」だけで、子どもの意欲に差が出るということは、通常あまりないといってもいいのではないかと思います。むしろ、差が出るのは、周りの人間である私たちのあり方、私たちの言動、かかわり方でしょう。こういうものが、子どものやる気、行動力、思考力に大きな影響を与えるのだと思います。

 では、「ハード」である環境は、どうあるべきなのでしょうか?「ソフト」の重要な部分である言葉はどうあるべきなのでしょうか?
 これを端的に、私は「環境は厳しく、言葉は優しく、わかりやすく」と表現をしています。
 子どものやる気のないお宅では、えてして、これが逆であったりします。つまり、「環境は恵まれているのですが、ご両親を含めた周りの言葉は厳しく、ときにわかりにくい」という感じであったりしています。

 言葉がわかりにくいとは、たとえば、子どもがわかるように丁寧に話をしない、言動が矛盾している、子どもに対する配慮のしすぎということです。ほかにも、いくつかありますが、これについては、このホームページでも、いろいろな事例を取り上げてきましたから、ここでは細かく触れません。一度、こういう視点でも、子育て、教育というものを見直して見ていただければ、と思いますが、ここでは、「環境と言葉」にしぼって、書き出していくことにいたします。
 まだ、ピンと来ないという方もおられるかもしれませんので、具体例をあげつつ、、。
 
2009年7月10日 1:58:28
 閑話休題。最近問い合わせがあった3軒は、なかなか考えさせるお宅ばかりでした。
 今日は、これについて、取り上げさせていただきますね。なかなか人間模様を知っていただく上で、興味深い問合せばかりだったものですから、、。

 1軒目のお宅は、今高校2年生のお宅です。その彼が小学生のときから、お母さんは私のホームページをお読みだったみたいで、以来私の長いホームページにときどきこられているようです。最近のメールでは、この「視点」を一度読んで、また読み直されているとか。ありがたいことです。

 すでに何回か教えさせていただいています。少しおとなしめで、でも礼儀正しく、今伸び悩んでいるらしいですが、とても頭のいい子であることは、教えてみて十分感じられました。
 物理がさっぱりわからないということで、体験授業で物理を聞いてくるだろうと思い込んでいたら、化学を聞いてきたので、お母さんとともに、少し驚きましたが、「化学がわからないところがあって、とりあえず」という感じのようでした。
 なんでも即座に答えるというのが、私の信条なので、何でもいいですけど、、。
 パソコンの授業には、ほかの子と同様すぐに慣れてくれました。
 「学校の授業がわかりにくい」という物理と伸び悩んでいる英語を中心に教えることになりそうです。

 応急処置的に、期末テスト対策をしたのですが、それで、以前よりもいい点をとれるようになったようで、なによりです。たまたま勉強と歯車がかみ合わなかったというような感じの子で、やはり、頭のよい子でしたね。

 あれから、メールをやりとりしているのですが、お母さんは、彼についていろいろなメールを下さってきています。この前のメールには「このメールこそ、田口先生らしいメールですね」というようなコメントをいただきました。
 私は、お母さん方とのメールのやりとりの言葉の端々に、そのお宅なりのものの考え方のありかたなどについての私なりの感想を、自分なりの視点をこめさせていただくことがあるのですが、そのどれかに感じるものがったのかもしれませんね。
 私は、ご両親の変化に呼応するように、子どもたちも変化するというのをいっぱい経験していますので、ご両親とのメールのやりとりなどもとても大事に思っています。ぜひお役に立てていただきたい、という思いで、できるだけそのお宅の実情にそったコメントを差し上げています。

 2軒目のお宅は、メールで返答を差し上げた後、すぐに電話をいただきました。いろいろ質問をされて、僕なりにわかるかぎり、想像できるかぎり答えさせていただきました。ただ、教えないと見えないところもあるんですよね。で、京都市内のお宅だったので、おじゃまして話をさせていただいたのですが、そのあと、まったくメールも電話もいただきませんでした。
 後でいろいろ考えているうちに、もしかしたら、体験授業をただで教えてもらおうというだけだったのかなと思いましたが、でも、そういうのを覚悟の上で体験授業をお勧めしているので、私のほうは、これでよかったと思っています。
後注:このお宅は、結局、3週間ほどしたころに、お電話をいただき、「教えてほしい」と言ってこられました。ご返事に時間がかかった理由は、新しいパソコンを買ったりして、ソフトをダウンロードしようとして、うまく行かなかったりしたせいらしいです。パソコンを買われる前に、こちらに連絡して下さったら、今のパソコンで、つまり新しいパソコンを買われずに、うまくする方法を伝授できたかと思いますし、仮に買われることになっても、どの機種がいいかなど、設定のことを含めて、説明させていただきましたのに、、。私は、すでにかなり詳しくなっていますよ!高い買い物に恐縮しています。
 いずれにせよ、誤解してしまったことおわびいたします。すいませんでした。私のおろかな早とちり、深く反省いたします。下で書きましたように、ほとんどの方が、良心をもって、対応してくださっているのですね。改めて、心に刻みました。おわびかたがた訂正させていただきます。本当にすいませんでした。これをお読みになった方で、問い合わせを考えられている方、パソコンを買われるとかされる前に、一言こちらにご連絡いただいたほうがいかと、、。どんなにしつこく聞かれても、私がいやがることはありません。もちろん、通常パソコンなど新たに購入する必要はありません

さらに後注:そのあと、また、しばらくして、パソコンがうまく行かないというご連絡があり、電話をさせていただき、話をさせていただいたところ、1,2分で解決がつきました。めったに、こんなに困られるお宅はなく、9割がたはすっと行くのですが、なれない、新しいパソコンということもあり、あせって、パニクッてしまわれたのでしょうか?いろいろお聞きすると、ご両親も、本人もとても乗り気だったというので、驚きでした。パソコンをとりかえられたとき、私の電話番号を一緒に消してしまわれたとか、いろいろ不運に不運が重なってしまわれたようです。電話もできなかったのですね。やっと状況を理解できました。くりかえし、早とちりすいません

 こういうことを書くと、家庭教師の方の中には、私の「後払い主義」は損なのではないか、と思われる方もおられるかと思いますが、そんなことはないですよ。
 私自身は、ご納得いただけなかったら、お金をいただきたくないと思っているほうです。で、じゃあ、損ばっかりと思われるかもしれませんが、このように体験授業だけで、というお宅はめったに経験していません。
 後払いは、いつでも皆さんがやめやすいようにという私の配慮からで、教える前から、お金を取ろうという教育関係の業界の傾向こそがおかしいというべきでしょう。
 後払いは、「仕事への良心」みたいなのを考えれば、当然のことと思います。自分がそれによってだまされたとしても、先払いをさせて、相手に「だまされた。しまった」と思われるよりもはるかにましでしょう。
 ですから、これをお読みになっている家庭教師の皆さんも、ぜひ後払い主義を貫いていただきたいです。それは、あなたの信用を高めることにもなりますし、長い目で見たら、きっとプラスに作用することでしょう。ご家庭の立場から言うと、先払いを求める家庭教師は、多少なりと警戒心を持ってのぞむべきでしょう。

 そういえば、以前、教え始めた直後に、「やめたい」と言ってこられたお宅がありました。どうもご不満な点がおありだったようだったので、「今までのお金はいりません」というメールを差し上げました。そうしたら、「請求してほしい」とメールのやりとりのたびに言ってこられました。で、私もそのときはこれ以上の「払う、払わなくていい」のメールのやりとりは時間のむだだと思ったので、「それでは、振込先をお教えしますので、ご納得のいくようにして下さい」という内容のメールを差し上げ、振込先をお伝えしたところ、あちらからのメールは来なくなりました。何ヶ月しても振込みもされないまま、、。これでよかったとは思っているのですけどね。私はいつの間にか、そのことを忘れていたのですが、今ふと思い出しました。
 そういうことも覚悟の上で、でも、私達は後払いを貫くべきでしょう。繰り返すようですが、そういう思いをする(損をしたかなという思いをする)ことは、私に関していうかぎり、きわめて少ないですし、あなたが後払い主義によってえられる信用からしたら、微々たるものでしょう。あなたがご自分の教え方に自信をお持ちでしたら、絶対そうすべきです。
 大半のご家庭が、良心に従って行動されていることに気づくでしょう。

 3軒目のお宅は、2浪の子から、直接、つまり、ご両親を介さず、問い合わせをいただきました。
 教えてみて、思った以上に深刻なので、教えることに関してはかまわないが、よっぽどがんばらないと、その子が希望しているところどころか、まともな大学に受かることも難しいだろうという話をしました。それほど深刻でした。
 まだ、体験授業をしたばかりなので、返事はきていませんが、いずれにせよ、仮に教えるとしたら、私が教えた子の中でも、もっとも大変な子のひとりになるでしょう。
 私がこんな弱音を吐くことはめったにないのですよ。
 もとより、この子が中学1年生でしたら、話がぜんぜん違うかと思うのですが、、。頭は決して悪くはありませんので、、。
 その子はアルバイトをしているのですが、仕事が嫌いなんですと言っていました。勉強も嫌いみたいで、そのつけが、今こうやって回ってきているという感じでしょうか?
 私の体験授業は、もっとも深刻な英語を中心にしました。単語の覚え方のこつから文法のわからない子でもできる英語の訳し方のこつ、さらに発音のルールみたいなものまで、つまらなそうに見える勉強にも工夫のしようがあるということ、勉強は根性だけでやるものではなく、根性も必要だが、それだけだとつらくなるばかりであることなどを伝えました。
 彼女は、うんうんとうなずいていましたが、その後どのくらい努力ができるかですね。あと半年でどこまでいけるか、、。依頼されたら、私なりにいけるところまで頑張ろうと思っています。
 とても感じのいい子で、だから、だから、何とかならないかと思いつつ、、。
このお宅も、あとで教えてほしいというメールをいただきました。で、また、おじゃましたときには、彼女なりの努力が十分感じられました。私の能力が最も試される子ですね。与えられた条件の中で出来るだけのことをしてあげたいと思っています

 なかなかの人間模様でしょう?皆さんの心に何か響くものがあれば、幸いです。
 
2009年8月2日 9:20:37
 「環境」について、話を続けますね。

 少し前のことですが、ちょっとした買い物に自転車で行った帰りに、どしゃ降りにあいました。
 出かけるとき晴れていたのですが、帰りはどしゃ降り。今年は、全国的にもそういうのが多いですね。
 エルニーニョという話も聞きますし、お米が不作になるかもしれませんね。心配です。

 カッパを持っていったのですが、そのカッパも運動靴(長靴をはいていけばよかった)の部分から、つまり、下からしみこむ雨水には無力だったようです。はげしい、上から空いっぱいの、お〜きなバケツで、いっせいに水を落としてきたような雨でした。
 で、こんなときなのですが、これを大変なことだととらえるか、人生のひとこまとして楽しもうというくらいの気持ちでいられるかは、私たちの生き方にも、子育てにも大きな影響を与えるのではないでしょうか?
 これだけはげしい雨に打たれるのも久しぶりだし、激しい雨に打ちのめされながら、ときどき、雨宿りしながら、靴下がだぶだぶになるほど、靴の中に入ってきた水のなんともいえない感触をたまに味わうというのも、おつなものでしょう。ここはあきらめて、見方を変えてのぞむしかありませんよね。いやだいやだと騒ぐのでなく、それを淡々と受け入れて、人生のひとこまとして、冷静に受け止めてみる、せっかくだから、味わってみる、という感じでしょうか?
 のんべんだらりとしているよりも、そういうときにこそ、生きる実感がわくのではないでしょうか?
 私たちも、子供たちも、苦難や苦労を経験した思い出は、大過なく過ごせた人生よりも、むしろ、いい思い出として記憶に残るかもしれません。
 私たちの生きる態度もそうあるべきですし、子供たちもそう思って行動する子に育てるべきでしょう。

 たとえば、受験勉強で苦しんでいるとき、その苦しんでいる自分を、頑張っている自分を、自分でいとおしむ、自分は生きているんだ、という感覚をえるという感じでしょうか?そういう感じをもてた方が、何をするにも結果がいいように思います。やらされている、つらいとだけ思うよりも、、。

 予防策を講じたつもりでも、災難にあうということはありますね。
 災いを受ける最良の態度は、災いを、できるだけあるがままに受け入れ、それをどこかで楽しむというくらいの気持ちをもつということでしょう。これが大事なのではないかと思います。
 私は、困難にであったとき、それをできるだけ楽しもうと思っています。人はそんなたくましさが必要であろうかと思います。
 で、こういう態度を私たちが普段の行動で示していると、子どもたちも困難にであったとき、同じような心構えでいてくれるのではないでしょうか?

 じゃあ、そういうたくましさは、どういう「環境」から育つのでしょうか?
 私なりのひとつのヒントを示してみますね。

 子どもがちょっと困ったりしていると、すぐに手を差し伸べてしまうのが、私たちの常ですが、そんなとき、ボーっと眺めて、せいぜい解決の工夫を伝える程度で、子どもの困難をジーっと見守れるかは、子育ての、教育の、大事な点かと思っています。もちろん、致命的なときは、体を張る覚悟が必要ですけどね。それは言うまでもないですよね。親はしっかりしていなくてはいけないですが、しっかりしてみえてはいけないという感じでしょうか?
 
 かつて、息子が幼稚園に通っていたときのことですが、ヨーグルトを冷蔵庫の上のほうからとろうとして、とれそうにないと悟った妻が、そのヨーグルトを、息子に代わって、取ってあげていました。気のきく妻なのですが、これって、本当の意味で、気がきいているとはいいがたいですよね。

 「子育ては、私たちががんばることではなく、子どもたちにがんばってもらうこと
と、私が、このページの最初で記したことを思い起こしてください。

 私は、こういう妻の行動を見るたびに、妻に危険性を知らせ、できるだけ、私達は動かない方がいいという話をします。
 子どもにとって手の届かないほど、冷蔵庫の上にあるヨーグルトも、子どもは工夫次第で、自分でとってこれますし、私達は、その工夫を、子どもに伝えるべきであるし、そういうふうに、私たちが接すると、子どもは、喜々として、その工夫をしながら、冷蔵庫のヨーグルトを取ってきます。
 子どもは、「面倒くさい」といういう言葉を知らないかのように、生き生きとふるまいます
 子どもが「面倒くさい」という言葉を発したら、それは、私たちのかかわりに問題があるといえるでしょう。

 私は、そういったとき(息子が、たとえば、冷蔵庫の前で「ヨーグルトをとれない」とか言い出したとき)まったく動きません。イスに座ったまま、子どもに向かって、「何か台をつかったら」というだけです。つまり、ちょっとした知恵を授けるのですね。これだけです。
 子どもは、「そうか」という感じで、そこらにある台をもってきて、冷蔵庫の前におきます。大人だったら、面倒そうなその作業を喜んでするのが、本来の子どもの特徴です。で、なんとか、自分の目的を達成すると、満面の笑顔を示したりします。私は、自力で目標を達成した息子をほめてあげます。そのうち、「台」はいつも使っている台でなくて、イスでも代用できるし、そのほうが上のほうのものがとりやすいと気づくと、イスを持ってきたりしています。そう気づいた息子も、さりげなく、あるいは、時には大げさにでも、ほめてあげます。
 ドーパミン(別名「やる気ホルモン」)は、ほめられたとき、大量に出るらしいです。これは私の体験でもいえることです。なにも、どこかへ子どもを「研修」に連れて行ったりしなくても、我が家で、十分、あるいは、それ以上の効果をえることができるかと思いますし、それは、日常的なものなので、「研修」などで、一時的に成長したように見える子も、家に帰ってきたら、しばらくしたら、元にもどってしまった、みたいなこともあったりすることを考えると、結局、家での私たちのかかわりが、一番の子育てということになるのではないでしょうか?

 私は、教えるプロですから、教えさえすれば、伸びるという子もいっぱいいますが、そうでないという子の場合、ご両親とのメールや「連絡ノート」での話合いを重視します。教えるのと同じくらい、あるいは、教えるの以上に、エネルギーを注ぐことがあります。この「環境」という観点からも、その他の観点からも、周りの人間がどうかかわるかは、とても大事なのですね。ほんの、一見紙一重に思えるかかわりが、子どもの心に大きな影響を及ぼします。子育て、教育ほど、知性を要求されるものはないといっていいでしょう。
 大げさでなく、これは、私が日々経験しているところなのです。
 ギャーギャー言わないと勉強しなかった子、ときにギャーギャー言っても勉強しなかった子が、自分で計画的に勉強するようになったとき、「ギャーギャー言っていた自分はなんだったんだろう」というようなメールを下さった方もおられます。

 で、きちんとしだした子どもをみたら、仮に大人から見て、そんなのやれて当たり前、と思われるようなことでも、ほめてあげましょう

 私は、息子が、イスを冷蔵庫の前にもっていくのを見ながら、「なかなかいい考えだね。イスを壁にぶつけたりすると、壁が傷つくから、気をつけてね」といいます。すると、息子は自分で気をつけます。もちろん、こちらはイスをずっても、床が傷つかないように、イスの足に、カバーをつけておいていますけどね。

 そういう過程を通して、子供は、困難に思えることも、知恵、工夫次第で、解決しうるということを知るのだと思います。それは、理屈として知る、というよりも「体質として知っている」「習慣づいている」という感じであるべきで、理屈として知っているというレベルでは、まだ不十分でしょう。
 
 親が、こうこうこうだから、やらなければならないといってやる子は、繰り返されると、いずれ、反発をしてくるでしょう。仮に、反発せずに、素直に従っている場合でも、どこかで「適当に怠ける」ということをするようになるかと思います。成績の悪化などで、その矛盾が吹き出てきたりします。テストの点は、子どもがごまかそうにもごまかせない代物ですから、、。

 子どもが困難に思えることも、知恵、工夫次第で、解決しうるということを「体質として知っている」かどうかは、後々の子供の行動に大きな影響を与えることでしょう。
 自分で、何とか知恵を使ってやれると思う子は、困難に際して、エネルギーがあることでしょう。
 一方で、親が、ヨーグルトを取ってくれたりすると、そういうことを繰り返していると、子どもは、自分で考えてやるという「習性」みたいなものをもたないまま育ってしまい、本来、喜々として自分のことをする子供の本性が奪われ、エネルギーが奪われていってしまうことでしょう。
 面倒くさがっている子どもさんがいたら、だらしない子どもさんがいたら、そうやってエネルギーを奪われていった子達かもしれないと思ってみるといいかもしれません。

 親は、子どものために、できるだけ動かない、知恵を授ける。こう考えられるかどうかが、後々の子どもの成長に大きな影響を与えると思われるのですが、いかがでしょう?
 私達は、子供の介護をしているのではなく、子育てをしているのだ、ということを常々自覚して行動をしたほうがいいかと思うのですが、、。

 繰り返します。子どものために、極力動かない、知恵を授ける。これが望ましい「環境」への第一歩です。

 私は、お母さん方と、メールや連絡ノートでのやりとりで、この具体的あり方を話合っているわけです。で、思うのですが、手を打つのは、早ければ早いほうがいい、と思う子も時々いたりします。
 前にも申しましたが、教えるだけで伸びる子ばかりでしたら、いいのです(時々、「実況中継」をこの「視点」のどこかで、書き出していますので、ご覧いただき、私の教える能力、「家庭教師馬鹿」ぶりは、ご想像ください)が、その前に、精神的なサポート、あるいは、具体的なアドバイスが必要なお宅もあるわけですね。それは、学年が進むにつれて、緊急性がある一方で、子どもの変化が遅いという難しい(私の能力が問われるといえば、そうなんですが)状況であったりするのですね。


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