2008年12月28日 21:39:31
「グッチ先生」という言葉に、最初、だれのことだろうと思ったりしたのですが、実は、私のことだったのです。
教えている子の一人が、私のことを、お母さんの前で、そう呼んでいるということを、お母さんのメールから知りました。ほほえましく、思わず、にこりとしました。親しみを込めてのことなんでしょう。
この子、小学生なのですが、最初、ご両親は、中学生のお兄さんも、というか、こちらのほうをむしろメインに教えてほしいようだったのですが、このお兄さんが、なかなか大変な子で、テスト前の対策で時間を多めにとって教えたことに対して、「話が違う」とあとで、お母さんに反発して、やめることになってしまい、今この妹さんだけを教えています。このお兄さん、勉強態度のほうも、どこか(いや、どこかどころではないかも)「やるきね〜」というのを漂(ただよ)わせていました。
お兄さんのほうは、本人が言うには、中3になったら、教えてほしいとのことで、でも、どうなることやら、、。
いずれ、私を必要とするときがくるだろうから、気長に待つしかないかなと思っています。なかなか強敵ですね。でも、こういう子は、すぐに変えようとすると、大変なんですよね。こちらはゆっくり構え、本人が何とかしたいと思い、ご両親のご協力があれば(さいわいお母さんは、私のホームページをかなり前のところからずうっと読みになっておられる方で、とても協力的で、感謝しています)、いずれ、いい方向に持っていけるのでは、と思ったりしています。一筋縄ではいかない子なので、こういう大変な子に出会うたびに、もう少し早く出会えたら、ずいぶん違っていたのでは、と思ったりします。
出会うのが早ければ早いほど、変わるのも早いような気がしているからです。
私は、兄弟姉妹を教えるということも、よくしていますが、同じ兄弟でも、下の子の方が、いい結果を出していることが多いというのも、私の、この感想を裏付けるものになっています。
言っておきますが、私は、普通の子でしたら、急激に成績を上げるということは、よくしているんですよ。それは、私の本をお読みいただいたり、私のホームページをさかのぼってお読みいただいたりしたら、おわかりいただけるかと思っています。そのためにどう教えているか、どうかかわってきているか、の記述も、できるだけ具体的に記してきているつもりです。皆さんのご参考にもなることも考えて、、。きっと皆さんのお役に立つようなお話も多いかと、、。
ということで、どんなに変わり方が早いか、を知っていただくために、今回は、ある男の子にご登場願いましょう。小学4年生から教えている子です。
上で取り上げた「お兄さん」と同じくらい大変な子でした。でも、やはり小学生は、変わるのが早いです。ご両親とも、とても熱心なかたで、私の言葉に真剣に耳を傾けてくださっており、そのせいかもしれません。本当に、どんどん変わってきています。
おそらく、ご両親は、私が、こうしろ、ああしろ、とほとんど命令的なことを言わないのに、彼が変わってきているので、不思議に思われているかもしれません。
この子を体験授業で教え始めたとき、かなり性格が屈折しているのがわかりました。
たとえば、私が、彼が間違えた問題に関して、チェックを入れたところ、
「俺の答えにバツをつけた」
と言って、私の授業の後、お母さんの前で憤慨していたとか、、。眠たかったのもあったのか、態度もひどく、終始「やるきね〜」という感じでした。
その子が、1,2回教えた後に、ほとんど正反対の性格に変わっていきました。お母さんのコメントでは「田口先生の授業を楽しみにしている」とのことでした。「やるきね〜」が、こうも変わるとは、、。
最近は、本人が、私にいろいろなことを相談してきているという感じでさえあります。
でも、この子を小学4年生からかかわったからいいものの、これが中学2年生くらいまでほうっておくと、その頃には、性格の屈折の仕方も、年季がいっていますから、こんな1,2回で変わるなんてことは、期待できなかったりします。私も、いろいろなノウハウ、経験を蓄積していますが、それでかかわって、すぐにこっちを信じて素直になるみたいなことは、私は、学年が行く子ほど、難しいと覚悟しています。
ところで、この小学生の子ですが、勉強のほうは、まだまだ、本人が目指している受験には、程遠い状況ですが、意欲のほうは、「1日何時間勉強してもかまわない」という変わりようです。最初の「やるきね〜」がうそのようです。
初めの頃は、平均的な子よりも理解力が劣っているくらいな感じで、とても苦労しているようでしたが、少しずつ少しずつ頭がよくなっているのを感じます。こういう子は性格から先に変わっていくのですね。
私は、後ろに戻らなければ、つまり、少しずつでも賢くなっていってくれれば、長い間には、ものすごく賢くなっている可能性さえある、あるいは、あるとき急激に伸びるというのが、私の経験から言えるので、ご両親に、そのつど、どうかかわっていくべきか、に関して、私なりの意見、アドバイスを、連絡ノートなどを通じて、させていただいています。先ほど申したように、こちらのご両親も、熱心に耳を傾けてくださっています。
私は、教える専門家ですから、教えることさえきちんと教えればすむという子でしたら、急激に成績を上げる自信がありますし、結果も出してきたつもりですが、そうでない子に関しては、どうしても、ご両親のご協力が必要になります。
私は、このための知識、経験も、さまざまな、本当にさまざまな子に出会うことによって、与えられてきました。で、高学年の子で、大変な子も変わりうるのですが、やはり、低学年の子からすると、そのスピードがぜんぜん違うというのも実感しています。
もとより、私は、こういう子は教えたくないという「贅沢」をいうつもりなど、まったくないのですが、できたら、お早めにということは、常々感じるところです。
本当に、何かを押し付けようという気持ちは、まったくないのです。大体そんな身分の人間だとも思っていませんし、、。
ちなみに、最初に登場してきた女の子、教える時間が週1時間ですが、それでも十分いい方向に進めることができていると思います。教える科目数は当初2科目、現在4科目です。そういえば、あのCMさんの、「賢い」娘さんも小学生のときは、週1時間でしたね。中学に入ってから、週2時間になりましたが、、。ご両親のいずれかのご協力があれば、十分な時間です。
ご両親のいずれかのご協力の下、自分で、自立的に勉強できる子にしてあげられれば、十分な時間です。
2009年1月4日 1:05:28
新年明けましておめでとうございます。
今年は、例年に比べると、私のスケジュールはそんなに厳しいものではなくなっています。ほかの家庭教師の方からみると、もしかしたら、「十分忙しいじゃないか」と思われるかもしれませんが、あくまでも私の例年に比べてのことです。
それは、前のページでも申したように、大学受験で受かってしまった子が、すでに2人出てしまったということによる部分が一番大きいかと思っています。
まだ、中学受験の4人、高校受験1人、大学受験1人を抱えているわけで、気が抜けない状況は変わりがないのですが、、。この6人のうち、塾にいってない子は2人だけで、その2人も、もともとは塾にいっていた子で、行かなくなったという子達です。私は、前にも申しましたが、塾に行っている子に関しては、塾のサポートを中心に教えるという形をとります。つまり、わからないというところをわかるようにしてあげる、スッキリさせてあげる、というのが私のかかわりの基本になります。
ある子は塾で教えられた問題に関して、「何でこんなのが今までわからなかったんだろう」と喜んでくれたそうです。今すでに志望校はA判定をもらっています。私の教え方は、このホームページでも、時々、実況中継的に書き記しているとおりです。私は、うそは書いていないつもりですが、こういいながらうそをつく人もいます。皆さんの目で、私の申していることをご判断下さい。
やはり、受験期は、受験の話が一番いいですかね。受験間際でないお宅にもご参考になるようなお話をしますね。
ということで、次回は受験に際して、気をつけることあたりを、、。
「プレッシャーにどう立ち向かうか」というテーマはいかがでしょう。私の本(こちらをご参考に)にも、あらかた詳細に書き出しています。確か、4つか5つくらい、有効な方法を「3、緊張を取り払うノウハウ」という章で書き記しているかと思うのです(大方の子はこれで十分でしょう)が、ここ(このページ)でも、大体エッセンスはご理解いただけるような話はしていこうと思います。本でほど、細かくないかもしれませんが、十分、ヒントは差し上げられるかと、、。
緊張している子に
「緊張するな。根性でがんばれ」
みたいなことだけはいわないようしましょう。仮に皆さんが緊張している子でしたら、きっとそんなことをいわれてうれしくはないでしょう。知恵をさずけましょう。
2009年1月15日 1:45:24
実は、これを書こうと思いついたのは、今受験を間近にしている子のひとりがとても「緊張しい」だったからです。お父さんのお話によると、本人はテスト前に「心臓がバクバク」するそうです。
心臓バクバクのために、受験に失敗してしまったら、泣くになけないですよね。
ということで、「心臓バクバク防止法」を伝えたわけです。
こういう子は、大体、がんばる気がとても強い子ですよね。そういう子に「がんばれ」と言ったりするのは単なるプレッシャーをかける行為で、プレッシャーに耐える能力を高めるどころか、かえって、どうしようもない精神状態にその子を追い込むだけかと思ったりするんです。
このホームページをお読みの方の中には、私の本をすでにお読みになっている方もおられるかもしれません。でも、一度お読みになって、「もう理解した」と、どこか奥のほうにしまわれておられる方もいらっしゃるかもしれません。そういう方に、私の本は繰り返し読むに値する情報を盛り込んでいますよ、と「警鐘」を鳴らす意図も持って、書いているわけでもあるのです。
さて、まず第1にすべきことは、プレッシャーを感じることは、決して悪いことでないということを伝えます。
私は、これを説明するのに、たとえば、名優と言われる人に、実は、とてもあがり症の人が多い、ということ、それはなぜか、みたいなところから、話していきます。本でご紹介したのは、これですね。ほかにも、その子その子にあった話し方をいろいろ考えることができるでしょう。
で、あがり症を冷静に客観的にとらえる目線を持ってもらいます。少なくとも、自分ばかりがあがり症でなく、あの大女優さんさんもあがり症なのかと思ってくれることは、子どもたちにとって、意義のあることかと思います。
そうして、あがり症が、決して悪い性格ではないのだと言うことを知ってもらったうえで、いくつか、方法を伝授します。
本に書いてある4,5個の方法(確か「シュミレーション」、「儀式」、「深呼吸(大きくはく)」などを取り上げていたかと思います)を書きだすのは、芸がないので、まだまだありますよ、という意味でほかのをとりあげましょう。
私は、知恵は無限大であると、口癖のように言っていますし、思っています。
私たちが生きていく上で持つべきは、誠実さと知恵でしょう。誠実さのない知恵は、人をだますことにつながります。知恵のない誠実さはおせっかいにつながります。
ということで、まだありますよ、というのを2つご紹介しますね。
一番簡単な方法は「笑う、ほほえむ」ということでしょう。皆さんも「どうしよう」とか、「つらい」とか思ったときに、にこって笑ってみてください。今、すぐに笑ってみていただいても結構です。そうして、顔の表情を強制的に緩めるだけでも、心がどこか穏やかになるのを感じることでしょう。
どうも、表情は心に影響を与えるらしいのです。心が表情に影響を与えるのはわかりますが、強制的に作った表情が心に影響を与えるなんて、不思議ですね。でも、「本当だ」と実感されることでしょう。
試験で「どうしよう、どうしよう」と思っている子に、「にこって笑ってごらん」と言ってみてください。こういう簡単な方法が、実は、一番いいですね。何か、いちいち難しい手続きを踏まねばならぬというのは、私は好みませんし、ここでも、本の中でもご紹介していません。
ほかには、一番お世話になった人に感謝する、「ありがとう」と心の中で、つぶやく、というのも効果があります。親であっても、教師であっても、隣のおばさんでも、誰でもいいですから、思い浮かべて、心の中で「ありがとう」とつぶやくわけです。自分は一人ではないという思いなどがでてきてか、冷静になれる自分を発見することでしょう。
私は、冗談で、その「心臓バクバク」の子には、「私を思い描いて感謝して」と伝えました。その子は少し笑っていたようです。 笑顔のかわいらしい子です。
昨日確認したところ、「心臓バクバク」は、いまのところ、ないようです。
ところで、私の教えさせていただいているところの、あるお母さんが、ホームページをお読みになり、さっそく私の本を持ち出してきて、読んで、参考にしてくださったとのことです。お子さんが、勉強中、おなかが痛いと感じるようになってきたらしいとのことで、、。その子、確かに、がんばりやさんですね。
お役に立ててうれしいです。
2009年1月21日 1:47:42
ちなみに、上でとりあげた「心臓バクバク」の子、どうもテスト当日の、テストの直前に、「心臓バクバク」をしだすことが多いらしいのです。で、私が伝授した「心臓バクバク防止法」をメモしたものを、試験会場にも、もって行くように伝えました。「心臓バクバク」の時期は、子どもによって、ずいぶん違うので、その子その子によって、少しずつ異なった配慮が必要でしょう。「少しずつ」と書きましたが、この「少しずつ」が結果に大きく影響を与えることにもなったりします。
これまた、私の口癖ですが、「小さな違いが大違い」なのですね。それは、調味料の加減で、料理の味がずいぶん変わってきてしまうというのと、似たようなものかもしれません。
「笑う」なんて、そんなのが対策になるか、と思われた方は、実際の苦しい場面で、だまされたと思って、これを実行してみてください。これは、科学的に証明されていることで、決して私の単なる思い付きではありません。しかも、私自身、精神的に追い詰められたとき、よく使う手です。つまり、私自身でも、実証済みです。もとより、ここにいたるまでに、「笑い」に関するさまざまな情報を折に触れて、蓄えてきたつもりで、その上で、この単純な結論に至ったわけです。
まさに、「コロンブスの卵」みたいな話ですね。
ちなみにコロンブスも新大陸への航海にあたって、トスカネリをはじめとした、さまざまな人、書物などから情報を仕入れ、その結果至った結論が単純な「西へ突き進め」だったわけですね。結論が単純だからそれを裏付ける思考が単純かというと、必ずしもそうでなく、むしろ逆のほうが多いのでは、と思ったりしています。
このホームページの前のところでも、また、本でも、「哲学の大事さ」をお伝えするために、私の尊敬する白隠僧正(はくいんそうじょう)の話をとりあげましたが、自分たちの非を謝りに来た夫婦に対して、一言の「はあ、そうか」は、深い思考からでたものでしょう。深い思考は深い行動をもたらしますが、その行動はきわめて単純なものだったりするわけです。
個人差があるでしょうから、私がお示ししたいくつかの方法のうち、本人に一番適すると思われる方法を本人に伝え、実行してもらうといいでしょう。知恵があるからといって、知恵をすべてさらけ出すのは、知恵の浅さを証明しているといえるでしょう。私たちは、知恵の、知識の1,2%〜せいぜい30%程度を、本人たちにとって、最善と思われるものとして、伝えるくらいな感じで十分かと思います。
教えるということにも、同様のことがいえるわけで、知識、解き方、説明のしかた、かかわり方の方法論をいっぱい持っていることは、家庭教師であれば、当然のことで、要は、それを、どういうときに、どう発揮するかで、知識のひけらかしみたいなことにならないことが大事かと思います。ぎりぎりの能力で、ぎりぎり教えても、余裕がないものですから、あちこちでつまづくことになってしまうでしょう。
知恵の足りなさで教えきれないのを、子どものせいにしてはいけないかと思うのですが、、。
そういうことを考えると、やはり私達は「家庭教師馬鹿」にならざるをえないような気がします。四六時中、折に触れ、あらゆる情報にふれるたびに、家庭教師というこの仕事と結び付けて考えるくらいの「職人魂」がないと、と私などは思ってしまうわけです。でないと、職人的な知恵は身につかないのではないかと、、。いかがでしょう??
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