知識のしずく「その1」

「いじめられないために。いじめをなくすために。」

 今日(2012年3月4日 )から、しばらく、「知識のしずく」と題して、いくつか、私の知識から、今にもこぼれでそうになってきて、皆さんに、ご参考になりそうな話をしていこうかと思っています。
 私は、いわゆるプロの家庭教師をしているものですが、この能力を高められるだけ高めようと思ってやってきました。知識においても、また、教える能力においても、さらには、子どもたちへのかかわりの能力においても、、。
 自称「家庭教師馬鹿」です。
 
 京大や国立医に受かったような子まで、全教科教えてきて、オール1でやる気のないというような子とも、かかわって、いろいろと試行錯誤の中、かなり、学問的知識、実践的知識が高まったように思います。家庭教師の能力の高みは、青天井のようで、まだまだ、これで、十分というところまではいっていませんが、そうしているうち(知識や知恵を蓄えているうち)に、いろんなことが見えてきて、私の頭から、こぼれ出よう、こぼれ出ようとしてきます。
 これを、とりあえず、人様のご参考になるように、このホームページ上でも、とりあげていこうかと思うようになりました。

 私の、教育キャリアその他に関しては、トップページから、いろいろクリックされて、必要と思われたら、ご確認いただければ、と思います。すでに、子育て、教育ということに関して、皆さんのご参考になりそうなテーマを、かなり掘り下げて、でも、だれでもわかるように取り上げてきているつもりですが、ここでは、世間一般の人の関心が高いと思われる事柄を中心に取りあげようと思っています。


 今回は、知識のしずく「その1」として、「いじめられないために。いじめをなくすために」ということをとりあげます。
 実は、私自身、いじめられてきた子を何人か教えてきて、いろいろご家庭にアドバイスを差し上げてきて、その状況を乗り切っていただいたという経験があります。一方、いじめてきた子、いじめを防いできた子も教えてきました。また、わが子には、「いじめられないだけでなく、いじめを未然に防げる子になってほしい」と思いながら、子育てをしてきました。その私の子どもたちは、今、それをうまく実践しているようで、もともといじめが多かったと聞いていた小中なのですが、うちの子たちの周りでは、いじめは、その芽が摘み取られている感じです。子どもたちは、私が望んでいた以上に、上手に、苦もなく、いじめの芽を摘んでくれているようです。あたかも、いじめが初めから存在していなかったかのように、、。

 そういうことで、私はいじめる子、いじめられる子、いじめられている子を救い出した子などの本音をじかに聞いてきた人間です。ですから、私は、いじめられる子の心理にも、いじめをする子の心理にも、ある程度の理解をもっているつもりです。
 以下は、その経験に基づくものです。
 
 まず、よく世間で、「いじめはどの子にも起こる」というようなことがいわれて、久しいですが、どうも、そうではないのではないか、やはり、いじめはいじめられるべき子に起こる、いじめられる子には、何らかの傾向があるのでは、と思うようになりました。
 したがって、それを踏まえて、上手に対応すれば、いじめられないようになる、いじめをなくすことができるのではないか、と感じています。


 ある方に、以前、あるサイトで、子どもさんが、困られているのを読んで、アドバイスをさせていただいたことがあります。その方は、確か、子どもさんが、中学でクラスでいじめにあって、苦しんでおられる、というお話をされていたように思います。
 読ませていただいたかぎりでは、事態はとても深刻で、中途半端な対応では、うまく行かないだろうということが想像されました。そのとき、私は、いくつか、対応策を書き込ませていただきました。
1、まず、クラスの中に、中心的な存在、キーマンになりそうな存在がいるはずなので、その子たち、あるいは、その子たちのひとりに、自分の子(つまりいじめられている子)を助けてもらうようにお願いすること。
 子どものことは、子供同士で解決する方がうまく行くことが多い、ということは、私のよく経験するところです。
 したがって、クラスの中心的な存在が一言言えば、さっといじめが引くということは、十分ありえることです。

 ところで、その際、その子(クラスの中心的存在の子)は、「あれはいじめではない」というようなことを言ったりすることがありますが、それについては、「いじめられている本人がいじめられていると感じていれば、それはいじめなのだ」という考え方をしっかり伝える必要があろうかと思います。結構、いじめを見逃している心理に「あれはいじめではない」というふうにとらえてしまっている子がいるのです。
 不思議ですが、こういう話によく出会います。

 実際、私の教えている子で、いじめにあっていた子とご両親の前で、あるクラスの中心的な存在である子(この子は、性格的に、とてもいい子でした)は「あれはいじめではない」と言った、というのがあります。で、私はご両親に「いじめは、いじめている側が、あるいは、まわりの人間がいじめと判断するのべきものではなく、あくまで、いじめられている人間が決めるものだ」ということを、彼にきちんと説明すべきである、という話もさせていただきました。

 その後、彼は、いじめられていた子をことあるごとに守ってくれて、いじめを防いでくれました。

 なお、その際大事なことは、そういう中心的存在である子に、お願いするとき、ご両親が、礼をつくしてお願いするということである、ということです。一人前の大人に対するように、頭を下げるくらいの感覚で、お願いをされるべきでしょう。きっと、その子は意気に感じて、いじめを防いでくれるでしょう。

2、いじめられる子は、いじめられる、何らかの要素を持っています。それは、多くの場合、めだつ要素です。なんらかのめだつ、とくに嫌がられるしぐさをする子がいます。
 たとえば、私の教えている子で、私が授業をしている最中に、突然よだれをだらーっとだして、ティッシュの上に落とすということをしている子がいました。私は、そういうことをすると、周りから嫌われ、いじめられることになるよ、という話をしましたが、彼は、最初「えー?」という感じでした。
 その子は、それがいじめられる原因になっているとは思わずに、そういう類の「嫌がられる行為」をしているのですね。
 で、実際、彼は、いじめを受けて、苦しんでいたのです。
  
 嫌われる、ということは、「いじめの入り口」です。

 ですから、何がいじめの原因になっているかを突き止め、その子に備わってしまっている要因があれば、それをなくすということをしていくといいかと思います。
 その、本人に起因する要因は、髪型、容姿、皮膚の色であったり、すぐには変えられないものもあるかもしれませんが、さきほどの「嫌がられるしぐさ」のように、変えることのできるものもあります。

 私は、ある子に、「学校でできるだけ目立たないように」と伝えたことがありました。その子には、いじめがなくなりましたが、一方で、彼は、「僕は、クラスで一番目立たなくなってしまいましたが、それでいいのでしょうか?」と言ってきました。私は、「それでいいんだよ。今の君にとっては、それが一番いいと思う」ような話をしたかと思います。
 自分の存在感をなくすというのは、いじめから逃れる、時に有効な手段の一つであるかと思います。


3、学校(の先生)に対しては、中途半端な対応をしないことが大事かと思います。もちろん、上の1、2の対策をしたりして、いじめが解決つけばいいですが、そうでない場合もありますので、そのときには、必要であれば、学校に行かせないということをされる手もあります。深刻な場合、いじめられている子どもさんが「行きたくない」ということも多いので、その気持ちを尊重して、いかせないことでしょう。
 そうすると、学校の担任の先生が心配して、家にこられたりするかと思いますので、そのとき、いじめの実態をできるだけ、克明に伝え、これが解決されなくければ、学校に行かせない、という強い姿勢を示すことでしょう。
 で、クラスのみんなが変わって、いじめがなくなったりするかもしれませんが、深刻な状況のクラスの場合、「先生にちくったなあ」という反応が出てくる可能性のほうが高いといえるでしょう。

 そのときには、「変わっていない」ということを理由に、すぐに家に帰ってくるように、子どもさんには伝えるべきでしょう。そうすることによって、本当にクラスがかわらないかぎり、行かないという強い決意を示すのです。多くの人が、関心を寄せ、校長先生までもがその事態を深刻に受け止めるようにもって行けば、いじめの解決は、早いといえるでしょう。
 いじめは陰湿なものです。一種の犯罪行為です。ですから、それが明るみになるのを、いじめの実行者たちは、極度に嫌うと思います。ですから、いじめの実態が顕在化されれば、彼らは、その事態の大きさに、圧倒されて、いじめをすることができなくなるでしょう。
 簡単に言いますと、「いじめを大事(おおごと)にする」ということですね。

 以上がいじめを防ぐ「3要素」ですね。簡単にそのそれぞれを再度言い直しますと、「クラスのキーマンに助けを求める」「子どもの側のいじめられる、行動面などの原因を取り除く」「学校と中途半端にかかわらない」です。この中のひとつ、あるいは、いくつかの組み合わせを実践することによって、いじめから、子どもさんの身を守ることは、可能であると、確信していますし、私は、日々それを感じてきています。


 なお、いじめ予防に関して申しますと、ご家庭の皆さんが、いじめを未然に防げるような子どもさんを育てていく、ということが大事であろうかと思います。
 よく教育システムをいじることによって、いじめをなくす、学校の先生の取り組みで、いじめをなくす、というような「学校のあり方」を変えることによって、いじめをなくすということが、よく論じられますが、実は、それよりもはるかに効果があるのが、子どもさんをいじめられない子に育てる、いじめを未然に防げる子に育てる、ということです。
 いじめを防ぐ能力は、いわば、人間関係の処理能力に関係しています。
 勉強をできる子にそだてるのと、同じくらい、人間関係処理能力を育てることは、大事かと思います。いじめられない子、いじめから身を守るだけでなく、いじめを自分の周りから、未然になくしてしまえる子、そういう子を一人でも多く育てることが、いじめ解決の早道ではないかと思います。
 いじめは、ガンのように、広がります。で、広がる前にたたいてしまうのが一番です。で、それを「たたける」のは、唯一、子どもたち自身です。
 それ(いじめを未然に防げるか)は、クラスの中心となるような子が、どういう子か、ということに、大きくかかわってきます。
 わが子は、2人とも「ほうっておいても、周りから友達がやってくる」と言っています。それは、普段から友達とどう付き合っていけばいいかをよく知っているからです。
 それは、私が教えた子で、「周りから、友達が寄ってくる」という子がいて、その子から、どういう子が、友達から好かれるか、私自身、いろいろ学ばせてもらって、今、わが子にも、応用させているわけです。

 学校では、子どもは、常に、自分の行動に関して、どう振舞えばいいか、自分で考えて行動しなければなりません。当然のことながら、そこに親はいません。親のいないところで、どう振舞えるか。これが、人間関係処理能力の原点です。
 その振る舞いの「上手、へた」がその子の人間関係処理能力に直結しているといえるでしょう。
 これについては、そういう振る舞いの上手な子に育てるには、どうしたらいいか、というのを書き出すと、かなりの文字数を書き込まなければならないので、ここでは、この程度にしますが、私のホームページのメインのページである家庭教師田口の視点(1ページ目)をはじめとした「家庭教師田口の視点」の各ページや私の本(「視点」が随筆的に、気楽に書いてあるのに対して、本は、体系的に書かれています)を、拾い読みしていただければ、いろいろヒントを得ることができるのではないかと思います。
 もしよろしかったら、お読みください。拾い読みしているうちに、少しでも共感し、のめりこんでくださる方がいれば、うれしいです。
 私のホームページや本は、のめりこむだけの価値があると、確信しています。

 何かを押し付けようという意図はありません。私が、すべて正しいと言うつもりもありません。あくまで、皆様の何らかのご参考、考えるヒントになりましたら、、。


                                      2012年3月4日記す



いじめられないために。いじめをなくすために。知識のしずく「その1」

学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」

変質者によって、子どもが殺されないために。知識のしずく「その3」

兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」


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政治への向き合い方について。知識のしずく「その7」

大学入試改革の問題点について。知識のしずく「その8」







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