家庭教師田口の視点(98ページ目)

このホームページは、最初は、ご興味のあるところから、拾い読みをされることをお勧めいたします。うそや大げさな表現は避けているつもりです。プロの家庭教師のレベルとして、当然のことを書いているつもりです)


2015年10月26日 12:31:20
 
視点余話です。
 先日、教えている高校生から、突然
これは、母にわかってもらいたいんですよね
と言われました。
 何のことかと思ったら、携帯が、中学生以上は、絶対必要だといいたいらしく、詳しい内容は忘れましたが、かなりいろいろ理由を言っていました。
 周りがみんな持っているとか、お母さんの若いころとは違うとか、確かそんな話だったと思います。

 私は、いちいち彼に同意の相づちを打っていたと思います。

「先生、そう思うでしょ。おかしいですよね」
と自分の正当性を訴えてきました。

「そうだね」
「ですよね!」
 理屈はひとつひとつそれぞれごもっともなので、反論しようもない感じでした。

 で、最後の
「ですよね!」
のあと
「そのとおりだね。
でも、うちの子、携帯もっていないんだ
と私は答えました。
まじっすか?」(最初のまじに、とても力がこもっていました。パソコンのむこうで、とても驚いているようでした)
「うん。高3の子も、中1の子も」
「まじっすか?ほしがらないんですか?」
「うん。ほしいって言われたことない」
「まじっすか?なくても大丈夫ですか?困ってないですか?」
「大丈夫みたい。格別困っているようでもないよ」
「ふ〜ん」
 彼は、それきり、この話はしなくなってしまいました。肩透かしを食らわしてしまったみたいで、申し訳ないと思いましたが、でも、正直に伝えたほうがいいかな、と思いまして、、。彼に、うちの子の価値観みたいなのを押し付けるつもりもないんですけどね。

 携帯をもったり、ゲーム機をもったり、子どもたちは、いろんな機器に取り囲まれて、忙しくなりすぎてしまっているようにも感じます。

 我が家は、みんな携帯を持っていませんが、格別不便を感じたことはないです。
 私が不便を感じるのは、1年に1度くらいかな?
 だって、連絡手段は、パソコンの5,6個のメール、そのメールでの添付、スカイプ、スカイプメッセージ、スカイプメッセージでの添付、固定電話、ファックスといっぱいありますもんね。もう十分すぎるくらいでしょ。
 ちょっと昔、一家に1台しか固定電話がなかったという時代から比べると、隔世の感がありますよね。その上、携帯をもって、どうするの?という感じがします。
 携帯は、持ち歩けるでしょって?すぐに連絡しなければならないことって、意外と少ないのではないかと思うのですが、、。

 それよりも、携帯によって束縛を感じることのほうが多いような気がします。たとえば、仕事中に、勉強中に携帯が鳴ったりするのは、かえって集中を切らすもとくらいに思うのですけどね。
 さらに、携帯やゲームにはまっている子どもたちのように、忙しくなるだけでは?とも思えてなりません。

 もっとも、私はたぶん少数派であり、だからって何かを押し付けようなんて、まったく思っていないんですけどね。

 うちの子どもたちに意見を聞いたことはないですが、たぶん同じようなことを言ってくるのではないかと思います。

 上の問答、皆さんはどう思われますか?
 私も妻も、子どもたちも、別に気負っているわけではないんですよ。
 別に、ケチっているわけでもないんですよ。
 子どもたちが、妻が、自分が本当に買いたい(必要だ)と思っているものには、予算を設けたりしないくらいの人間なので、、。

 これを読まれて、彼といっしょの気持ちになって「まじっすか?」と思われた方もおられたかもしれませんね。
 はい。まじっす。。。。。
(希少動物でも見るような視線はなげかけられないでくださいね??)



2015年11月2日

  (少し難しいお話をしますが、ついてきていただければ、、)

 上のようなことを書くと、子供たちが私に合わせているような印象を持たれる方もいるかもしれませんね。
 でも、違うんですよ。教育って、価値観を子供に共有してもらえさえすれば十分で、あとは行動を縛らなくても、子供の行動はそれにふさわしいものになると思うんです。

 逆に、教育がうまくいかないと、価値観が親御さんと子供たちとで隔たりが大きくなり、仮に行動を縛ろうと親御さんががんばっても、行動が親の望んだもののようにはならないというようなことになるのでは、と思うんですね。

 価値観みたいなのを親と共有すれば、行動が親と違っていても、そうそうおかしな行動にはならないと言え、逆に行動を共有することを目指し、価値観の共有みたいなのをきちんとしないままだと、だんだんと子供たちは、おかしな行動に走ったりすることがあるという感じではないかと思います。

 我が家は各人行動がバラバラなんですよ。縛っていませんから、、。

 ルールらしいルールもありません。

 門限もありません。いつ何をしようと本人たちの勝手です。

 でも、ほとんどはめをはずすような行動をしません。それは、価値観が十分共有化されているというのもあるのかな、って思っているんです。(ほとんどと書いたのは、実は、うちの息子、最近、友達と遊びに出かけて、夜6時45分頃に帰ってきたことがあり、いつもより遅いんで、心配した妻が探しに出かけたという事件が一度だけあったものですから。こういうときこそが、教育のとてもいい機会なのですけどね。これについては、いずれ詳しくお話しますね。普段はぼーっとして見える私が、めずらしくしゃしゃり出たとき」についてお話すると、前のページの最後あたりに書かせていただいたのは、このときのことについてなのです)

 これが、教育のあり方の本質かじゃないかと思います。

 行動を縛るのではなくて、価値観を共有し、その価値観に基づいて自由に行動させるという感じでしょうか?そうしたら、子供たちの行動はおのずとしっかりしたものになり、子供たちもストレスをそれほど感じることなく、頭も(勉強面の頭だけでなく)よくなるのではないかと、、。

 価値観の共有がしっかりされていれば、そのときそのときにあわせたしっかりした行動をするようになると思うんですね。逆に、価値観が共有されておらず、その状態で行動を縛ろうとすると、子供たちは窮屈さを感じたりし、親の言うことを納得せずに、親から見たら、なんで?という行動をとったりするのでは、と、、。

 このあたりに、教育の重要性があるのでは、と思うのですが、、。

 私が、このホームページでも、私の本でも、「ポイントをおさえてほうっておく」ことの重要性を書いているのは、こういう面からも、言えるのでは、と思います。

 

2015年11月8日    

 このページの一番上でご紹介した彼、つまり「まじっすか」の彼ですが、当初とてもクールだったんですね。

 「ほめられても、うれしいと感じない」とか「ほめられてもほめられなくても、がんばらなくてはいけないのは同じだし」とか、いろんなことを冷静に受け止める子だったんですね。

 私は、「大人だね」と言いつつ、うちの子と正反対の反応だなあ、と思ったりしていました。

 一方で、最初のころ、「なんかやる気が起こらない時があるんですよね」みたいなことを言っていたりもしていました。

 冷静な子ががんばれるかというと、そうでなかったりもするんですね。こんなにクールに判断できる子でしたら、やらなければならないときにがんばりそうなものでしょ。でも、そうじゃなかったりすることもあるのですね。

 わかっていて動けないというのが、どうも人間にはあるようです。

 「大人である」子、冷静である子ががんばれないって不思議ですね。

 それに対して、たとえば、こんな子もいるのです。

 早朝授業のすすめで、ご紹介している子、当時小6でしたけど、早朝授業のすすめでは、下のように、その子の勉強の様子を私は書いています。

「かしこいね」といったら、「うれしい!!」ととても明るく答えてくれました。しゃべり方は、いまどきの子供っぽい女の子ですが、とてもしっかりしていると思いました。私の知らないところで、特に、教え終わったあと、Vサインをしていた、というのもあとで聞きました。

 その子、それまでずっと伸び悩んでいる感じの子だった様子は、早朝授業のすすめに載っているお母さんからのメールからわかりますよね。

 私の経験ですと、年齢に関係なく、こういう子のほうが伸びる子が多いように感じています。いちいち「うれしい」とかVサインをするとか、むだですよね。でも、一見むだにみえることがむだでなく、それどころか、子供のがんばりにものすごい影響を与えたりすることがあるんですね。

 人間が機械とまったく違う点のひとつがこれといえるかと思います。

 で、あるとき、その「まじっすか」の彼に元バレーボール選手の河合俊一さんがテレビで紹介されていた、次のようなエピソードの話をしました。

 河合俊一さんが所属していたチームが、みんなで

「いちいちスパイクやブロックなどが決まるたびに、手を合わせあったり、ガッツポーズをしあったりするのって、エネルギーのむだだよね。もうそういうのやめよう。そうしたら、エネルギーロスがなくなり、すべてのエネルギーをスパイクやブロック、レシーブなどにそそげるので、スタミナが今までよりももつはずだ」

というようなことになったらしいんです。きわめて合理的な判断ですよね。冷静な判断ですよね。

 で、スパイクやブロックが決まるたびに、手を合わせあったり、ガッツポーズをしあったりするようなのをやめたところ、ぜんぜんだめで、ぼこぼこに負けてしまったらしいです。

 教訓的でしょ。こんな話を私は、彼にしていったのです。(つづく)

 

2015年11月16日

 彼には、それ以外にも、そのつど、いろいろな話をしていきました。

 で、今では、結構自分から盛り上がるようになってきています。

 正解すると、「よっしゃー」みたいな声が聞こえてきたり、間違えると、「くそー」と聞こえてきたり、、。

 もちろん、表面は冷静で、心のうちに闘志をもやすタイプの子もいるので、で、そういう子の中には、きわめて丁寧に、しっかりと勉強をしていってくれている子もいるので、一概にこうだというつもりもないのですが、少なくとも、彼の場合、以前よりずいぶんがんばるようになってきたことは、彼のお母さんからのメールからも、彼がやったというところを、私がチェックしてあげた感じからも、よくわかります。

 お母さんからは、

「先日は、夜ずっと勉強していて、朝方の4時くらいまで、やっていて、ずいぶんがんばれるようになったと、感心しています」

みたいな、うれしいコメントをいただいたりすることがあります。

 で、そういうコメントをいただくと、

「へ〜、すごいですね」

「りっぱですね」

みたいなコメントをいれて返信し、それをお母さんを通じて本人に伝えてもらったり、直接授業中、本人に伝えたりしていっています。

 こういうコメントのひとつひとつの内容とタイミングが本人のやる気に、大きな影響を与えたりするのですよね。

 そういえば、彼は、私の前に個別指導塾で教えてもらったらしいです。

 で、その塾でずいぶん「くさらされて」いたようです。たとえば、

「教え方がわかりにくいので、『今の担当の先生をほかの先生に変えてほしい』という話をしたら、『君の勉強の仕方に問題がある』みたいなことを言ってきて、なかなか変えようとしなかった」

「『塾をやめさせてもらいたい』という話をしたら、君みたいな人間は、何をやってもだめだ、みたいな話をえんえんとしてきて、そう言う内容の話をメールでもしてきて、さらには、親にも『あんたのところはおかしい』みたいなことを言ってくるんですよね。やめぎわがしつこいというか、、」

というような話を、、。お母さんも、その塾のひどさを語られたことがありました。

 仮に彼や彼のお宅に非があるにしても、このしつこさは、ひどいですね。

 あるとき、彼から、その塾のホームページを教えてもらい、見たのですが、上のようなことを想像できないような「きれいなサイト」なので、驚きました。

 今日(こんにち)の教育の現状をうれいて、それに立ち向かい、ひとりひとりの気持ちをくみ取り、能力を伸ばしていく、というようなとてもすばらしい内容の文面でした。

 でも、彼いわく

うそばっか。塾長からして、性格おかしいし

とのこと。

 残念ながら、この業界、いろんな人たちがいるんですよね。

 でも、嘆いてばかりでも仕方ないので、私なりのそういう業者の見分け方を、次回お伝えしますね。(つづく)

 2015年11月23日  

 そういえば、彼、先日私の授業を完全にすっぽかしたというのがありました。

 私は、1時間半ほど、パソコンの前で、彼を待ち続ける羽目になった(あと30分を残して、授業を断念)んですけど、で、すっぽかされたときは、「え〜」と思いましたが、でも、あとで理由を聞いて、それは必ずしも、悪いことと思うべきものでもないとも思いました。

 私だけでなく、そのすっぽかしの理由を聞いたら、きっとどなたも彼を責められない、むしろほめてあげるべきだと思うことでしょう。

 実は、彼、その日朝6時まで、ずっと勉強をしていたらしいんです。で、寝不足がたたって、こういうことになってしまったんでしょうね。私の授業前に「爆睡(ばくすい)」してしまったらしいです。

 立派でしょ。しかも、その前の日あたりに自分から、携帯(iphone)をお母さんに預けて、勉強に専念する意思表示もしたらしいんです。私が、彼の携帯に電話しても、爆睡中の彼が出てこなかったのは、携帯がなかったからなんですね。

 私が少し前に、本人に「現役で京都産業大学にしか受からず、納得できず、浪人して、同志社、立命、関大に受かった子が、浪人時友達との接触をいっさい絶って、ご両親もテレビを撤去されて、情報源は新聞だけという朝から晩まで勉強だけという生活を送った」という話などをし、お母さんにも、この話をした結果をうけてのことなんですけどね。

 自分から改めるって、えらいですよね!そういう自分から改めるという感じのほうが改めたのちの行動の定着もいいんですよね。かかわりは、こういう感じを目指すべきでしょうね。このページの一番上のところの彼の様子からすると、ずいぶん変わりましたでしょ。いい子でしょ!

 どなたも彼を責められないと私が申した意味がわかりますでしょ。

 彼は、ある理由から、基礎ができていない状況なので、レベルの高い大学に受かるのは、とっても厳しい状況なのですが、でも、この「視点」で、以前申したように、子供は状況が厳しいからがんばれないのではない、ということですよね。状況が厳しいからがんばれないと本人が言っているとしたら、それは、周りの人間のかかわりに問題があるから、というくらいに思って、かかわりを変えていったほうが、いい方向にいくと思うんですね。

 さて、前回のつづき、業者の見分け方について、記していきますね。

、サイトに抽象的なきれいごとを書いてある場合は、要注意です。

 たとえば、「今日の日本の教育の現状は、ひとりひとりの能力が十分発揮されるようになっていない」とか「私どもは、ひとりひとりの能力を、、、」とか、だれでも書けそうな、だれも否定しようのない「抽象的で、わかったようなこと」が書き並べられている場合、その塾や家庭教師などは、たいした実力、能力がない可能性があるので、距離を置いて読まれたほうがいいでしょう。

 具体的に書けないというのは、書くべき実績がないか何かで書けないか、書いたら矛盾が露呈してしまって、ということなのか、わかりませんが、そういうのばかりのサイトには、気を付けたほうがいいかもしれません。

2、掲示板のような、ご家庭がいざというときに、苦情を書き込めるところがない場合(あるいは、書き込んでも、サイト運営者側が事前に書き込みをチェックしブロックしてしまうことができるというような形になっている場合)も要注意です。

 苦情を恐れて(あるいは、すでに苦情がいっぱい書き込まれた経験があって)、掲示板のようなものを現在もっていない可能性があり、透明性に問題があるところであるかもしれません。

 掲示板を置いておくのは、レベルの低い業者にとっては、怖いんです。でも、自分たちに非があれば、いつでも苦情を書き込めるようにしておくことは、そのサイトの運営者(この場合でいえば、塾や家庭教師など)の客観性、透明性を確保するために大事なことではないかと思います。

 具体性のない、抽象的なことを書いているサイトに限って、掲示板みたいなのが設置されていないというのが私の感想で、サイト運営者の方は、ご自身の透明性を確保していただくためにも、いつでも苦情を書き込めるようにされたほうがいいように思います。この世の中、透明性のないところには、悪事が発生しやすいということは、様々な事件から、わかりますでしょ。

 私自身も怖くないかというとウソになりますが、でも、私も人間であり、自分に都合のいいことばかり書いている可能性があり、メールや掲示板などで、私にいつでも苦情をいれられるようにしておくことは、私自身の行動を律するためにも大事であると感じています。

 ごまかし続けると、あとで内部告発などでばれたとき世間から「手厳しい洗礼」を受け、会社が存亡の危機におちいりかねないというのは、最近でもありましたよね。本当は、これのほうが怖いんですよ。

 掲示板などを置くと、あらし行為にあう可能性があり、私自身もそれに近い経験をしたことがありますが、そのリスクを引き受ける覚悟は必要なのでは、という気がしています。

 この2つの視点から、教育関係のサイトを見つめられるといいかもしれませんね。抽象的なきれいごとを言う人たちに問題があるのは、政治の世界でも、だいたいどこの世界でも、言えることかもしれないですね。

これは、私が日ごろ感じていることで、例外もあるかもしれませんので、ご参考程度に、、。

(次回は、ページを変えて)

 

  

   

   


もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、。


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「とび授業」のすすめ




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いじめられないために。いじめをなくすために。知識のしずく「その1」

学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」

変質者によって、子どもが殺されないために。知識のしずく「その3」

兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」



「勉強しろと言わないように」ということに関して。知識のしずく「その5}

「選挙制度、政治制度の改革」に関して。知識のしずく「その6」


政治への向き合い方について。知識のしずく「その7}






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