2003年2月25日 1:14:54
閑話休題。先日、あるお宅へ教えに行ったところ、本人がアイスクリームを食べていたらしく、それをテーブルかどこかにおいて、急いで、自分の部屋に上がっていきました。教えながら、こんな寒いときに、よくそんなものを食べられるねぇっていったら、
「あら、冬のほうが、おいしいのよ」
とのコメント。
そのコメントが私には信じられないものだったから、
「そんなの変だよ、変だよ、変態だよ」
とサンザン言いまくっておきました。でも、本人には馬耳東風(ばじとうふう)。笑っているばかり。仕方ないから、帰りがけにお母さんに
「変ですよねぇ」
って申し上げたら、
「実は私のほうが、もっとこれが好きなんです。すいません」
といわれてしまいました。私絶句。
まさか、こういう展開は読めませんでした。
私のような無類の寒がりには、信じられない光景でした。でも、いつも冗談を言いなれているあの子にはともかく、お母さんには、ちょっと失礼だったかと後悔しきりです。
2003年3月8日 4:28:41
京都の公立高校の受験は毎年遅く(よそがどうかは知りませんが)、今年は3月6日でした。今回は、それに学年末テストが重なり、昨日まで、私はきわめてハードなスケジュールでした。もっとも、まだこれから学年末の子もおり、テストの前日に、対策におじゃまするお宅があり、まだまだ気が緩めません。塾だったら、休む子も、私は増やしてほしいといってくるのがこの時期です。私は、全教科を教えるので、融通がきくため、テスト前日に、毎日来てほしい、といってこられるお宅も珍しくありません。テストの最中は、午前中に学校が終わるところが多く、午後2時くらいからおじゃますることができたりして、そのおかげで、私は忙しくなるのです。このあたりの小回りのきき方も、私と他の塾、家庭教師の違うところかもしれません。
私はピンポイントでその子のレベルに合わせて、教えるのを得意としています。
私が無理をして全教科を教えていると思われている方もいらっしゃるかも知れません。あらかじめ申しておきますが、私は、普通の家庭教師よりはるかに余裕があると思っています。ちょっとだけ宣伝させていただくと、私は、数?・A、数?・Bなどのセンターレベルはほとんど瞬時に問題のとき方を見分けることができますし、解くのに迷うことはありません。センターの問題のほとんど、高校の教科書レベルのほとんどは、私にとって、1+1=2見たいなものだよ、と半分本気、半分冗談で言ったりしています。英語の文型も瞬時に正確に言うことができますし、現文・古文の動詞や形容詞などの活用形も瞬時に言うことができます。低学年になれば、もっと楽です。きわめてクリアーにわかっていることはきわめてクリアーに説明できることを意味してます。私の場合、先生はわかっているんだけど、生徒はわかっていない、という状態がいつまでも続くことはありません。先生はわかっているんだけど、生徒はわかっていないというとき、実は先生が本当にはわかっていないのでは、というのが私の最近の感想です。
難しいそうに見える問題をいかに簡単に理解させられるか、それが家庭教師の醍醐味だと思います。そのためにはこちらが余裕を持って問題をながめられなくてはいけないと思います。
2003年3月10日 14:12:46
閑話休題。先ほど、午後1時ころ、息子が生まれたとの報が5歳になりたての娘からありました。でも、いまだに名前を決めかねています。
2003年3月12日 0:00:45
子供に言えばいうほど、子供はこちらの言うことをきくと思ってらっしゃるように見える方がいらっしゃいますが、それは必ずしもそうでない場合のほうが多いのではないかと思います。子供に対して、かなり過激な言い方をする方もいらっしゃいますが、ある程度の年齢になると、時には私の娘くらいの幼い子でも、それを見透かしたような行動をとります。
「おおげさな」「言っていることが矛盾してる」
などと、私にもらす子もいます。
あるお母さんから、
「先生、そんなにだらしないんなら、もうやめる、とでもいってください」
といわれたこともあります。
私は、こう答えました。
「もしそういう時は、私は、次に彼がそうしたとき、確実にやめますよ。きつい言い方をすれば、子供を操れると思うのは間違いだと思います」
中学生くらいになると、こういう、やめるなどという脅しはきかないどころか、子供に、無用な反感を抱かせるのがおちではないかと思います。最初私がやめるといったとき、確かに彼、彼女は、ぎくっとするでしょう。でも、そのあと、やめるべき事態になっても、さっさとやめず、恩着せがましく、教え続けたら、私もいずれ見透かされることになるかもしれません。私自身、実は、やめる、というのを多用して、相応の効果が当初ありましたが、でも、結局、本人がそれほど変わったように見えなかった、という経験を、いくつか、しています。
「先生が、そんなんだったらやめるっていっているよ」
と、あるお母さんが、私の前で、一方的に、子供に言うので、私は、お母さんにはすまないと思いましたが、
「そんなことはいってないよ」
と、本人に、いってしまいました。私は、やめるのは、最後の手段だと思っています。その前にとるべき手段が、いくつも、あることを、私は、彼ら、彼女らとのかかわりの中から、学びました。
本当に実行するつもりのない脅しは、言うだけむだであると思います。これを私は、ほかでも触れたかもしれませんが、親の「狼少年」現象と呼んでいます。何回も脅しをかけて、親がそれをそのとおり実行に移さないと、そのうちに、子供は、またかと思って、いずれ、親がどんなに必死に訴えても、耳を傾けてこなくなります。この延長線上に非行があるのでは、とも思っています。
私は、きつい言い方をするな、とも思いませんし、きつい言い方をしろとも思いません。ただ大事なのは、どちらにしろ、親が「狼少年」にならないことだと思います。
2003年3月26日 21:43:56
閑話休題。当初、想像していなかったことなのですが、目が悪くなりました。書店に行って、今まで眺め渡すことができた、本のタイトルが見えなくなって、少し目の前が曇ったようになるのに、小さな落胆をしました。今までのように裸眼でいられなくなるのかと、ちょっとさびしい感じもしています。これだけパソコンを見つめていたなら、当然かもしれません。で、このページをお読みになり眼が疲れるという方がいらっしゃったら、プリントしてからお読みになることをお勧めいたします。あるいは、休み休みご覧になってください。
2003年3月30日 15:19:07
閑話休題。今日神戸へ行ってきました。遠方からでも依頼されると、少し無理かなと思ってもとりあえずおじゃましてしまう、というのが、私の悪い癖で、これで2軒目です。というのも、自分がそのお宅に行きもしないで、講釈を述べるだけ、というのは私の主義ではないからです。ただ、春休みは何とか、昼間におじゃまできるから、よいのですが、学校が始まると、それもできず、なんとかそのお宅のために、私の代わりになってくれる方を、探しているわけです。先方には、私の能力がわかっていただけたと思うので(だから、毎日でもきてほしいといってくださるのでしょう。結局春休み中週5回おじゃますることになりました)、つまり口先だけの人間ではないということがわかっていただけたと思うので、あとは、私が、その方に、何とか知恵を働かせて、サポートする方法を探し出さなくてはいけないと思っています。ホームページに書いてあるとおりでしょ、などというのは、私の自己満足にはなるけれども、継続した指導を期待されている先方としては、道半ば、ということでしょう。
それはそうと、神戸のそのお宅におじゃまする道すがら、今日は、ちょっと早く電車が着いてしまったので、いつもよりゆっくりと寄り道をするように、歩いていると、途中に、いつもは見過ごしていた、小さな、石碑に出会いました。何が書いてあるのかな、と思ってみると、その地区の、阪神大震災の犠牲者の名前が刻まれていました。数え上げたわけではありませんが、100人ほどのお名前があったと思います。
そう、この地区は、阪神大震災で、被害を受けたところなのか、と、その被害の跡形も感じられない、家々を見渡して、異空間に出会ったような気分になりました。振り返ると、犬を連れられた、おじいさんが、私のほうをみるか見ないか、という感じで、通り過ぎていきました。私のこわばった表情に何か感じるところがあったのでしょうか。今思うとそのときの私は異様に暗かったかと思います。
どういうわけか、勉強を教えているときは、そのことも忘れていました。家庭教師馬鹿、だな、とつくづく思います。今、再びそれを思い出し、そのときの思いを共有しています。
あの震災のとき、ここ京都でも、私は、確か明け方まえのふとんの中で、激しくゆすられ、当時独身の私の家のテレビが、画面から落ち、食器がひとつ、棚で、割れていました。神戸で、たんすが飛んできた、というのも十分想像ができます。神戸の恐怖はいかばかりか、と思います。
2003年4月7日 7:55:20
ときによって、外から見たら、私は厳しい家庭教師と見られるかもしれません。厳しいというのは怖い、という意味ではありません。本人に対して希望する努力レベルが高いということです。でも、それは、本人が私に「強いている」、ということを知らなくてはならないと思います。また、多くの場合、その高いハードルに、本人が必死になって、立ち向かっていて、それを苦しいとも、不幸とも思っていない、ということも付け加えておきます。私は、本人の目標から、必然的にどれだけがんばらなければならないかを、本人に伝え、協力を求めるざるをえません。かなり具体的な形で求めるわけです。わからせるのと学習プランを作るのは、私の仕事ですが、それを自分の頭に取り込むのは、どうしても、本人の努力を要します。子供によっては、5回も6回も同じ問題に取り組んでもらわなくてはならない場合もあります。それに丹念に付き合えるのは、家庭教師だからでしょう。
もっとも、悠々と受かる子もいるので、その子には、それを正直に伝えます。悠々と受かる子に、やばいぞ、がんばれ、というのは、悠々と受かることをウスウスわかっているその子から、好感を持たれることはないでしょう。今年もそういう子がいました。その子は、私が君は受かると思うよ、といっても、いつもどおりの勉強姿勢でした。そして、おそらくは、悠々とその子は、受かりました。私が教えるまえの塾の宿題は、まったくやらなかった子であることも伝えておきます。それどころか、塾を親の知らないところで、休むこともある子でした。そういえば、私が教え始めて、家で自分で勉強をしだしたというだけで、お母さんが喜んでくださったのを、今も覚えています。皆さんの周りにも、おられるのではないでしょうか。最初、宿題をやらない子かも、とご両親から、言われていたので、私は警戒していましたが、不思議なことに、私が、特別な手法を用いなくても、かなりの量をやってくれました。こういう子に出会うことが時々あります。なぜそうなるのでしょう。そのような子のある親御さんの分析では、私のことを好きだから、ということのようです。私のどこがすきなのか、きいたことはないですが、きいたら、どう答えるのでしょう。
先ほどの話に戻りますが、問題なのは、レベルの高いところを目指させておきながら、子供に厳しいレベルの勉強を要求するのを躊躇(ちゅうちょ)する親御さんです。あるいは、ご自身は変わらずに、子供だけに変化を求めようとする親御さんです。事実をきちんと知らせ、こうするためには、こうしなくてはいけないということを具体的に伝えれば、子供は多くの場合、どんな苦難にも立ち向かえるほどの勇気を見せるものです。しかも喜んで、あるいは自らの意思で、、、(そんなはずはない、とか、あなたは先生だからだ、とかおっしゃる方もいるかもしれませんが、私が娘に接している経験からすると、必ずしもそうでない、という気もしています。これについては、このホームページを丹念に読んでくださった方なら、お分かりになっていただけると思います)。それによって、それまでに机に座ったこともなかった(それは本人のせいではありません)子が、机に向かい始め、それを見た、お父さんが驚かれた、という例もあります。これは例外的な例ではありません。
条件が過酷だから、子供が動かないのでは、ありません。その過酷な条件が、本当に必要だと、あるいは、それをやって、学力が上がる気がすると、思えないから、どうしても楽なほうに流れるのです。
今回、私が、第1志望にまずうからいないと思っていた子が受かりました。「受からないと思うけど、がんばってみるかい、僕もやれるだけのことはするよ」と私が提示したプランに必死になって応えようとしてくれました。「受からないと思うけど」は、厳しいけど、現実が私をして言わしめた言葉です。「もしかしたら、受かるかも」とおっしゃったお母さんと厳しい現実を伝えた私で、どちらの言葉を信じたかは、その後の本人の行動から明らかでしょう。一方で、その子から比べたら、受かる確率の高いと思われる子が、第1志望に落ちました。今年、受験を受け持った子4人のうちの唯一の失敗です。落ちた子の原因を端的に言えば、第2志望を受かった時点で、気が緩んで、もうここでいい、と言い出すようになったというのが大きかったと思います。本人には、いろいろと話をしたのですが、もういいという子に私が言うことは限られてきます。
ちなみに、今、第1志望に受かった子達は、わが世の春を満喫しています。一方で、失敗した子は、その直後、部屋にこもったと聞きます。それなら、何であのとき「もういい」などというのかと思われるかもしれませんが、ショックは、本当に経験してみないとわからない、という部分もあるのかもしれません。私は、もう少し、ご家庭にも踏み込んで、お話をすればよかったか、と後悔しています。
2003年4月14日 12:20:18
当初、ホームページを作成するにあたっては、遠方から、教えてほしいといわれることは想定していませんでした。まさか、神戸や大阪から、教えてほしいといわれるとは、、、。また、同業の家庭教師の方から、メールが来て相談を受けるということも想定していませんでした。自分の視野の狭さを痛感しました。
遠方から教えてほしいといわれる方で、とくに、今回の神戸の方は、春休み中は、毎日のように(厳密に言うと週5回。これは本人の希望で、お母さんのご希望は、毎日でした)おじゃましたのですが、それを決断されるに当たって、あちらは、私のホームページをくまなく読まれ、さらに私の本をお読みになり、その上で、私に、ということでした。むしろ、私なら何とかしてくれるという期待がおありのようでした。家庭教師冥利(みょうり)につきると思いませんか。口コミでお問い合わせがある場合、このような感じになることが多いのですが、通常の短い広告では、ここまで信頼されることは少なく、やはりこのホームページの威力はすごい、と驚いています。私は、この方のご期待にお応えするために、私の持っている能力と知恵をフル回転するつもりでおります。もっとも、どちらに対しても手を抜いた記憶はありませんが、、、。当面、春休みが終わって、直接何回も教えることが難しくなり、私に代わって教えていただく家庭教師を探すことになったのですが、それに当たって、私は、一人一人と、許されれば、何時間でも、お話しする覚悟で臨みました。今回の場合、最長4時間強でした。が、長い目で見たら、この4時間は、決して長い時間ではないと思います。
今回お願いした家庭教師の方については、私の目にくるいはない(実際、今のところ、予想以上に、先方の評判はいいです)、と信じたいのですが、まだ気を緩める時期では、ないと思っています。そのお宅については、遠隔授業の準備も、ゆっくりですが、していっています。どちらにしろ、今の私は、京都で、手一杯なのですが、いずれ何かのときに備えて、、、、。
今、あちらには、自分の休息のために、空けてある、日曜日におじゃましています。新しい家庭教師の方(すでに、2,3人は指導の経験がある方です)の指導のチェックとサポートのためです。もちろん、教えることがメインですが、、、。
2003年4月20日 22:08:12
家庭教師を、ご家庭が、特に教えていただいている途中で、お断りするというのは難しい、と最近、お断りする立場になって、つくづく思いました。何人かの候補の中から、一人の方に絞るということは、はずされるのを、わが身に置き換えたとき、何か割り切れない気がしています。しかし、だからこそ、家庭教師は、その断る側の心中を察してあげるべきだと思います。
私が断りに近い表現をある方にしたとき、ある方から、抗議とも取れる電話がありました。その方は、あとで、そんなおかしな方ではないということがわかりましたが、でも、私は、その場でのその方の行動はよくないと思いました。
「あなたの言っていることが、100%正しいとしても、あなたのこの電話は、間違っている」と申し上げたのですが、すぐには、ピンとこられなかったのか、この方と、長い真偽論争をしなければなりませんでした。繰り返すようですが、この方は、おそらくは、とても誠実な方です。また、おそらくは有能な方です。詳しくは申しませんが、それまでの、お話し合いなどから、それは推察できます。私もこの道のプロを称している人間です。わかります。だから、私に、自分を理解してほしい、あなたの判断はおかしい、というのもわかります。
わかるどころか、私自身も何度か、納得のいかない断られ方をしたことがあり、しばらく心を曇らせたこともあるほどで、むしろ、痛いほどわかるといったほうがよいと思います。でも、どんなに理不尽な理由で断られようと、一切の口答えをせず、さっと身を引く覚悟が大事だ(一時期の私は、それがわからなかったかのような行動をとったことも告白しなければ、なりません)と、今は、思っています。今回、私に代わって教えてくださる、という方にも、言いましたが、多くの場合、家庭教師の側にもいいたいことはあるはずですが、それをいうと返って、ご自分の立場を悪くしてしまう、ということも知らなくてはいけないと思います。私は、さっと身を引くようにしています。私は、そのお宅が、私をお断りされて、新しい家庭教師なりを雇おうとしたとき、私の能力をはっきりと理解していただけると信じています。どうも、理不尽な断りをされてきたお宅ほど、あとから、また教えてほしいみたいなことをいってこられるような気もしてます。断られたら、二つ返事で受け入れる、これは、家庭教師の大事なマナーであるような気がします。いろいろな意味で、こういう対応が最善だと思います。もし、その方に相応の能力があるのでしたら、、、。
何よりも知らなくてはいけないことは、抗議をしても、結論はめったにくつがえらない、ということです。
2003年4月23日 9:41:45
閑話休題。掲示板作りました。教え子の一人が、作れってすすめてくれたので、、、。よかったら、ご覧ください。どんな方が、どんな話を書き込まれているか(わずかですが、すでに書き込んでくださっている方がおられるようです。書き込みのあるなしは気にしないつもりでしたが、妙にほっとするのはなぜでしょう)は、保証の限りではありませんし、私には、この点は、いかんともしがたいところです。建設的な話をしてくださるかたでしたら、私に対する批判にも謙虚に耳を傾けるつもりですし、書き込みはできるだけ残しておきたいと思っています。書き込みは、あとで、書き込み人が、取り消すことも修正することもできるようになっています。一番下の管理者メニューから、、。よろしくお願いいたします。
2003年4月28日 0:27:15
今回、神戸の学生やプロ家庭教師の方にお会いして、感じたのは、半ば、想像していたしていたことですが、かなり学力、熱意、教え方に差があることです。15分ほど問題を解いていただいて、切り上げてしまった方もいました。最小公倍数もわからないというのを知って、これが、有名国立大の学生かと、つい、思ってしまいました。問題を解いている様子を見ながら、「こりゃあ、あかんで」を連発したのを覚えています。おそらく、そのときの彼は、1000円の時給をもらう価値もなかったかもしれません。失礼な言い方かもしれませんが、こういう仕事につくべきでない、とさえ思いました。私は、この方に会うため、片道2時間、往復4時間を費やしたということを付記しておきましょう。これもいい人にめぐり合うための代償ということでしょう。私自身、彼らと面談したことは、とても貴重な体験だったと思いますし、会っていただいた方、ファクスで、問題を解いて送り返してくださった方にとても感謝しています。
結局、先方の要望に一番ぴったりした方を選考させていただきました。といっても、彼が、そのまま教えても、本人のやる気は、十分引き出せない(今回の子供さんは今までで教えたことのないタイプの子であるようです)かもしれないと判断し、僕のノウハウに沿っていただくことに同意していただきました。あくまで、沿って、というわけで、完璧にまねることを私は期待していませんでした。実際、彼なりにアレンジしてくれているようで、それこそが、私の望むことでした。
大体、人の言ったとおり仕事をして、面白いわけがないし、私と彼は、経験も知識も、ぜんぜん違うのですから、教え方、接し方が違って当然だと思います。
私のノウハウ、経験則は、マニュアル化されていないので(一人一人によって、微妙に、ときには、かなり、違った対応をすることになるので)、とりあえず、本人にどうすればよいかを、長い文章にして列記しました。直接、口頭でも、実際に教えているのをみながらも、伝えましたが、それで、すべて彼の頭に入るとは到底思えないからです。なれるのに時間はかかるかもしれませんが、性格的にも、学力的にも、うまくやってくれる方だと確信しています。時給4000円のうち、1000円くらいは、少なく見積もっても、もしかしたら、私のノウハウ料みたいなものに相当する部分になるかもしれません。もちろん、それを私が、いただくということは、当初から、考えていませんでした。それよりも先方の信頼を獲得することのほうが、はるかに大事に思われ、そのために私は、全力を注ぎたい、という一心でした。結局、彼も気持ちよく教えてくださり(彼は、2時間という時間にこだわらず、区切りのいいところで終わらせようと、必要であれば、無償で延長もして、熱心に教えてくれました。これは、彼の意思によるもので、私がこうしろといった覚えはありません。むしろ、私は、3時間教えたら、3時間分請求していいようなことを彼にはお伝えしたと思います)、先方もそれに好感を持ってくださいました。単なる時間稼ぎをする人間ではないことは私にもわかります。
今回、ありがたかったのは、先方の、「一切、お任せします」という言葉でした。実際、私が選考する過程で、一切の注文を出されることもありませんでした。私だけでなく、彼に対しても、最高の誠意を持って対されたことに、今、とても感謝しています。彼の教え方に、先方が喜んでくださったときいたとき、彼と一緒にメールで、喜んだこともありました。彼もやりがいを感じてくれていますし、教え子も、勉強に前向きに(先方の表現では、「機嫌よく」)取り組んでくれているようです。私も安心して、身を引けそうな気がしてますし、3者全員ハッピーというのが、今のところの結果です。いい経験をさせていただきました。
私を信じて任せてくださった勇気に感謝いたします。心から、、、。
これで、私の神戸行きはとりあえず、終了しました。ちょっとした小旅行を終えたばかりの気分です。いろいろなことが妙に懐かしいです。とても勉強になることばかりでした。正直、環境が許すならば、私が直接教えたいと思うようなお宅でした。とても気持ちのいいお宅でした。
ある家庭教師からみた、伸びる子・伸びない子(まえがきと目次)
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