2002年11月24日 11:10:21
子育て考。教育上もっともっとも大事なことのひとつは、「親がお金持ちでも、子がお金持ちになってはいけない」ということだと思います。幼いころから人間がお金持ちであると、将来本人あるいは周りに不幸なことがおきるのではないかと思います。実際、私は、身近にそういう子を見聞きしており、金銭感覚が性格に及ぼす影響を痛切に感じることがあります。
2002年12月1日 23:25:02
閑話休題。私に、「プロ家庭教師ってタイトル似合わないね」といった子がいました。どういうことかと聞いたら、私らしくない、ということのようです。実際の、教えている現場では、私は、ここでの表現ほど、「私が、私は、、、」みたいなことを言ったりしません。むしろ、控えめな感じをもたれる方もいらっしゃるかもしれません。実際、このホームページでも、最初のタイトルは、「家庭教師田口の世界へようこそ」で、頭にプロの二文字はありませんでした。自らプロなどということは、私の好むところではありません。それは(つまり、私がプロかどうかは)、他人が決めることのようにも思えるからです。私は、自分の能力に自信を持っています。でも、それをひけらかすのは、あまり私の好むことではありません。むしろいやなことといったほうがいいと思います。
問い合わせがあったときも、私は、比較的、テンション高くお答えすると思います。でもそれは、私を十分アピールすることが、経験上、とても大事だということを知っているためです。私はお教えすれば、私の能力はご理解いただけると思います。でも、それ以前に、頼りなさそうなイメージをもたれたくない、この人に任せておいたら大丈夫だという印象をしっかり持ってもらいたい、というのがどうしても働いてしまうようです。何度かお教えして、私の能力をご理解いただけたら、私は気負うこともなく、普通の私らしい私が現れるわけです。
そして、その普段着の、どちらかというと、こちらを、相手のペースに合わせよう、という雰囲気に、いちいちプロを名乗る私が、その子にとっては、不自然に見えたのかも知れません。でも、「僕の力をわかってくれる子に、意気込む必要もないでしょ」みたいなことをいったら、わかってくれました。
皆さんの中にも、私について、ものすごく硬派なイメージを持たれている方がいらっしゃるかと思います。もしそうでしたら、それは裏切られるかもしれません。
2002年12月9日 2:06:30
私が本人の能力を評価するとき、模擬テストの結果より、私が教えて、チェックした結果のほうを重視することが多いです。というのも、模擬テストの性格をわきまえてか、わきまえてなくてか、模擬テストの対策を必死になってやり、テストが終わったとたんに、テストの復習はまったくせず、今度は、その結果を追い求め、いち早く結果を出そうとする(つまり点付けをしようとする)子がいるからです。がんばっているように見えながら、最も学力の伸びないタイプのひとつといえるでしょう。結果は、ほうっておいても、あとで、採点されてきます。それよりも、そのエネルギーと情熱を復習に注ぐべきです。
2002年12月10日 0:50:38
(つづき)考えなくてはならないことは、受験に受かることであり、模擬テストで結果を出すことではありません。模擬テストでは、あくまで、自分のありのままの力を計ろうとする、というのが基本で、仮に模擬テストの対策をしたとしても、この視点を持ち続けることは大事だと思います。また、自分がどこを間違えたかをチェックして、それをきちんと復習し、今度出たら、満点を取れるようにもって行くということも、本人が長期的に、成績の持続的向上を図るために大事なことだと思います。
このことがわかっていながら、なかなかできずにいる子が多いのも実情で、逆に、このようなことを、馬鹿みたいにやる子が賢くなるような気がします。これについては2002年4月29日 23:21:23(2ページ目)もご参考に。
2002年12月15日 1:15:20
家庭教師が受験指導のノウハウを持っているか知りたいようでしたら、初対面で、何らかの問題の説明を求める、という手があります。いきなりは、やりにくい、という人もおられるでしょうが、そしてその気持ちもよくわかりますが、有効であるとは思います。家庭教師の能力差は、ご家庭で思われているより大きいのでは、というのが私の感想で、頼んでみたら、失敗した、ということのないように、もし、高度なレベルの受験指導を依頼するようでしたら、簡単にチェックされる手はあると思います。
特に、中学受験と大学受験は、家庭教師の能力の差による影響は大きいと思います。中学受験では、月や電流のどんな問題をも、どんな子でもわからせるように説明できるか(そのノウハウを持っているか)は、家庭教師の能力の、よい指標となるでしょう。特に月は独特の感性を必要とします。そのため、理解させることができるツールを持っているかの差は大きいです。電流では、この間、結構有名な中学の問題を見たら、高校物理のキルヒホッフやホイーストンブリッジを知らないと説明できないのでは、という問題に出くわしました。もちろん小学生にわかる言葉で説明しなくてはいけませんが、これもこちら側のイメージ構成能力を強く問われるところかと思います。
大学受験では、本人がもっとも苦手としている科目、あるいは、単元をわかりやすく説明できるかあたりでしょうか。たとえば、英語であったら、関係副詞、進行形の加わった受動態への書き換え、物理でしたら、波の数式のイメージ、化学でしたら、モル、加水分解とか、古文だったら、主語のおさえ方とか、、。このあたりは、つまづきやすいです。こういうところの説明力の能力差は、その教え方の個性とともに、結構はっきり出るのではないかと思います。逆にこういうところをイメージ豊かに説明できれば、その家庭教師は、大体において任せておけるのでは、と思います。
とりあえずは、何でもいいです。説明をしてもらうことです。そうしてから、契約しても遅くはないです。中には、食事やデザートを楽しみにしているだけの家庭教師もいると聞きます。こういう家庭教師の選別くらいはできるでしょう。
2002年12月18日 14:15:20
教え子の能力がまだ高くない子の場合、家庭教師が、しつこくチェックできるタイプか、というのも重要な点です。性格がしつこい子は嫌われますが、勉強において、しつこくないと、伸び悩むことが多いです。で、そういう子に出会った場合、こちら側がしつこくチェックしていく必要があります。そして、いずれは、そのしつこくチェックするという価値観を、子供に植えつける必要があると思います。でもこの作業は、口で言うほど簡単ではなく、むしろ、しんどい作業といえるかもしれません。
また、時に、本人のやる気を刺激するノウハウを持っている必要があります。どういう子が伸び悩むかに関しては、私の本にも詳しいですが、2002年4月29日 23:21:23(2ページ目)もご参考に。
2002年12月22日 10:55:28
閑話休題。12月18日付の朝日新聞を見て、驚きました。アメリカで、ハンバーガーで太りすぎたのは、マックのせいだと訴えた人がいるとのこと。被告のマック(マクドナルド)は、「食事には、90万もの選択肢がある。消費者が何を選ぶかに責任を負えない」と反論しているそうですが、そして、私には、この論理は、きわめて社会常識にかなったものと思うのですが、いかがなものでしょう。
もっとも、私の関心を引いたのは、「飽食が、心臓病や糖尿病などの病気につながるばかりか、逆に粗食が長生きにつながることは、動物実験では常識になりつつある」と書いていたことです。
私は、頭にも、同様のことが言えると思っています。日本人が昔から好んできた、かみ応えがあって、繊維質やビタミンなどの豊富なものを食べていると賢くなるような気がしてます。「菜根譚(さいこんたん)」という中国の有名な古典がありますが、この題名の意味は、野菜の根っこを食べている本人のさまを表示しているという風に、解説で読んだような記憶がありますが、野菜の根っこは、硬いし、栄養豊かだし、まさに長寿のたべものといえると思いますし、頭に刺激があっていいのでは、と思います。私自身固い食べ物は大好きですし、作家の向田邦子さんが、ご自分のするめを食べながら、原稿を書いている姿を描写しているのを読んだとき、何か、とても、身近に感じたのを覚えています。するめは、頭にいいものの筆頭だと、勝手に思っています。
向田邦子さんといえば、私の大好きな作家なのですが、彼女から、最も影響を受けた言葉といえば、「思い入れさえ強ければ、よい文章をかける」という言葉です。その言葉との出会い以来、私は、思い入れで文章を書いてきました。言っておきますが、それまでは、私は文章がとても苦手でした。技巧に走って、思うように文章がかけなかった、という感じだったと思います。いわば頭でっかちという感じでしょうか。今は、思うように文章を書けるように感じています。この言葉との出会いのおかげだと思っています。出会いというものの影響は大きいもののようです。
文章に限らず、何事にも、思い入れさえあれば、、、と考える発想は、時に威力を発揮すると思います。
2002年12月29日 15:01:05
どうも、自分を頭が悪いと思い込み、周囲にも思い込ませている子が多いようです。そういう子には、自分の勉強の仕方のここが悪いから、と指摘してあげればいいのですが、指摘の仕方を間違えると、結果は変わらないか、もっと悲惨、ということにもなりかねません。前にどこかでも書いたと思うのですが、「要領よく」は危険な言葉のように思います。要領よく勉強しようとして、頭の悪くなる子は結構いるようです。本当にできる子は、要領の、一見悪い勉強をしているものです。ただ、その処理能力が、その勉強方法のために、著しく発達してしまっているだけのことで、、。2002年4月29日 23:21:23(2ページ目)ご参考に
また、勉強のきちんとした仕方を教えてあげても、それだけでは不十分な場合が多いです。こちら側の、しつこいくらいの確認チェックと、タイミングのよい動機付けが必要です。動機付けの最も原始的な方法は、言葉で励ます、しかる、などということですが、最も手の込んだやり方は、ご家庭全体を巻き込んで、システムとして取り組むことです。これについては、このホームページ全体にヒントがちりばめられていると思います。別に意図してちりばめたわけでなく、書き出すときりがないし、ほかにも書きたいことがいっぱいあるためです。私が半分直感的にしていることを、いずれ、体系化しようと思いますが、疲れそうで、肩がこりそうで、いつになることやら、、、。
2003年1月1日 17:26:01
新年明けまして、おめでとうございます。私は、今日も仕事です。
皆さんは、さぞ大変ですね、と思われるかもしれませんし、私の家族を気遣ってくださる方もいらっしゃいますが、私にとっては、毎年恒例のことで、皆さんが思っているほど気にはなりません。たまあに、そこまで、がんばっているのに、きちんとしてくれない子がいると、「誰のために、正月きてるのかわかってんの」と、しかりつける場合がありますが、多くの子が、この私の、気持ちをくんでくれるみたいで、ありがたいです。目先に受験を控えている子がいて、おとそ気分にひたれる気分には、どうしてもなれません。おじゃまして教えるほうが、気持ちが安定します。
2003年1月5日 15:38:57
たとえば、算数とか、数学とかを勉強するとき、公式みたいなものを覚えて、わかった気になって、ポンと解こうとする子がいます。でも、そういう子は、長い目で見たら伸びません。短期的には、効率のよい、要領にいいやり方に見えますが、長い目で見たら、じっくり、馬鹿みたいにきちんと考える子から比べると、圧倒的な差をつけられることでしょう。私が、もともと頭のよい子はいなくて、長い間の勉強に対する姿勢が、学力を決める、と考えるゆえんです。そうして、圧倒的な差がついた後に、その結果(すでに形成された解く能力、、理解力)だけを見て、あの子は賢い、とか、あの子は、出来がもうひとつ、とかいう評価が生まれてくるようです。
2003年1月12日 19:20:03
私の目の前で、図を描いて解かない子がいます。一方で、ほっといても図を描いて解こうとする子がいます。そういう子は、おそらく小さいころからの習い性になっているので、私が教える時点では、かなり手早く図を書いて、問題を処理します。でも、そういう子が、いきなり手早く図をかけたはずはないということは、容易に想像がつくかと思います。
2003年1月19日 22:07:58
(つづき)図に関しては、「図を描けといわれても、どう描いたらいいかわからない」という子もいるかと思います。そういう時は、一つ一つ、本当に描けないのか、検証していく必要があります。なんとなく、描けない、といっている子が多いことに気づくことでしょう。線の1本もかけないということはありえません。指導は具体的であることを要します。
2003年2月3日 9:56:45
「お金の出入りがわかるような使い方はするな」というのを何かの折に読んだ覚えがありますが、これはとても説得力のある言葉だと思います。つまり、お金が入るとすぐ使いきり、なくなると、急にいじましい使い方になる、あるいは、人(多くの場合母親に)にたかろうとする。こうしている子は、お金がいつ入ってきて、いつなくなるか、というのがはた目にもよくわかります。でも、こういう使い方をする子ではだめだということです。勉強も同様で、中間、期末の前は、必死になって勉強するが、普段はのんべんだらりという子がいます。こういう子は、勉強に関しては、二流と考えてよろしいかと思います。
2003年2月9日 18:16:41
閑話休題。歯科医というものの常識みたいなものも、時を経るにつれ大きく変わるものだなあというのを実感しています。1月26日(日)の200X年(日本テレビ系)をご覧になった方もおられるかと思いますが、私たちが小さいころからされていた、歯科医に探針という先の曲がった針金みたいなやつで、突っついて検査されるという作業は実は虫歯の原因になるらしいとか(実に60%の確率とか)。つまり、歯科医が虫歯を作り出していた可能性があるということです。私自身こんなきれい好きで几帳面な日本人に虫歯が多いことに以前から疑問を感じていましたが、この放送を見て疑問が少し解けたように感じました。私自身、学校や歯医者さんの指導に比較的忠実にやってきたほうだと思うのですが、こんなに虫歯が多いのは、なぜ?と自ら首を傾げざるを得ません。もっとも、歯科医を批判しようと思っているわけでもありません。私は専門家の常識もときによって大きく変わる可能性があるということを言いたいだけです。
多くの場合、専門家の言うことは正しいです。でも、必ずしも正しくない場合もありうるということは知っておいたほうがいいと思います。私とて例外ではありません。威張って、私が絶対正しいんだ、みたいな事は言うつもりはありません。ただ私が観察して、成績を上げてきた感覚と実際の識者といわれる人や親御さんたちが思われている常識なりとが、少し違う、と思うことがあるのも事実です。これを解明して、さっきの探針の話ではありませんが、本来のあるべき方向と逆に、結果として、いってしまっている、というのを指摘し、その改善の一助になれば、という気持ちも込めてこのホームページを書いています。私の発想を頭の片隅にとっておいていただき、皆さんの今後の参考にしていただけたらと思います。
ところで、この歯の話もそうなんですが、生体というものは、あまりいじりまわさないほうがいい場合が、人工的な機械などに比べ、多いのではないかというのが私の最近の感想で、これは教育についても言えることで、親が自分の思い通りにしようとしすぎて、子供に何らかのことを、仮に子供のことを思ってにせよ、強制するというのは返って教育上の逆効果を生むのではないか、というのが正直なところです。私が日々乗り回しているバイクは、不具合があれば、そこの部品を交換すればよいのですが、人間の場合大体そんなにうまくいくことはありません。歯医者さんが、かつて早期治療などと称して、虫歯になりかけの歯をやたらと削っていたのも、人間の歯を生態の一部とみずに、何かの部品のように考え、そういう意味で、一見合理的な治療に走ったためと思います。生態は、バイクのように部品を交換することはむずかしいですが、一方で、自然治癒力というすばらしい能力を持ち合わせています。このことをしっかり考えることが大事で、これは教育にも、言えることだと思います。
うまく持っていったら(小手先でうまくやるという意味ではありません。むしろ逆です)、一人でほっといても勉強する、そういう視点から子供にかかわることは大事で、このことの大事さを無視して、目先の結果を、ヒステリックに求め、かえって悪い結果をもたらしているのでは、と思われることがあるのは、残念です。
2003年2月16日 19:44:46
今年も、3月6日の京都府の公立高校の受験で、受験シーズンがひと段落します。プライバシーを考えて、どこまで、実績を公開すべきなのかわかりませんが、今年は、京大とか、国立医とか、ものすごいレベルの大学を目指す子はいなかったです。それでも本人たちにとっては、高いハードルの中学、高校、大学でしたが、例年になく、必死にがんばってくれた子ばかりで、まずだめと思われたような中学校、大学に受かる子が多かったように思います。大げさな、という方もおられるかもしれませんが、「まさに奇跡」と、私はもちろん、ご両親も思われた例もあります。
インターネットで、問い合わせてこられたお宅もありました。中学3年という間際だったので、一肌脱ごうと、かなり無理してお教えしています。どういう無理かって?距離が遠いのです。私のバイクで、40分くらいかかるお宅で、10分以内ばかりを教えていた私にとって、往復で1時間20分というのは、正直大きいロスです。近くの、本来でしたらお教えする予定のお宅に、3月の公立高校の受験まで待っていただいてまでしているのですが、そうすることは、効率からいっても、収入からいっても引き合いませんが、私を突き動かす何かがあり、それは近くのこのお宅にも、ご説明したら、きっとわかっていただけるものと思います。遠隔授業も検討し、先方も、喜んで応じてくれそうだったのですが、本人が不慣れなため、貴重な時間をロスするのが惜しく感じられて、受験までは、私が通うことにしました。
問い合わせのあった当初は、あまりに緊急な子なので、遠くても、そしてそのためにお教えすることができなくなったとしても、私の基本的な誠意として(なんといっても、私のホームページを見てくださった方ですから)、とりあえず、と思って急いでおじゃましたのですが、おじゃましたらとても(ちょっといいすぎかな)好感の持てる子なので(基本的な学力はちょっとやばいところがありましたが)、本当に一肌脱いで、冬休みも返上して教えに行きました。昨日も今日も連続で4時間教えてきましたが、途中も最後も、少しも疲れた様子がありませんでした。これこそ私の能力の出しどころ、というところでしょう。毎回時間の過ぎる速さに驚いているようです。きっと、勉強で、こんなに集中した覚えがなかったからでしょう。
ちなみに私は、日曜日は休むことにしていますが、こういう緊急時や、中間期末前などは、必要であれば、出かけていくようにしています。この仕事で食べていく人間としては、当たり前ですかね。