家庭教師田口の視点(47ページ目)

2011年3月10日 10:44:12
 今回から、子供がどうして勉強嫌いになるか、というお話をしましょう。もちろん、これを分析することによって、子供さんへどうかかわっていったらいいかの、ご参考にしていただくためです。
 どうかかわったら、いいか、という視点からは、すでにお話をたくさんしてきましたが、どうかかわってはいけないかという視点では、あまりお話してこなかったかと思いますので、、。

 以前、いろんな国の子供たちに「勉強がすきか」という問いをしたアンケートで、数字は覚えていませんが、日本の子に、圧倒的に「勉強が嫌い」と答えた子が多かったのを思い出します。
 当時から、なぜだろうと考えてきました。最初、日本の学校教育の内容、レベルがとても高くて、子供たちがとてもついていけないというようなことなのか、と思ったりもしたのですが、高い能力を持っている子にも、勉強嫌いがいて、そうでない子に、勉強嫌いでない子がいるのを知って、必ずしも、難しいことを勉強しているから、勉強嫌いになるわけではなく、どうもほかの要因もあるのではないかと、思い直しました。今まで教えてきた子、今教えている子たちが、ふともらした本音、様子などを思い起こしながら、再度、この勉強嫌いというものに対して、深く考え直してみたわけです。

 私自身、勉強嫌いな子を教えて、そういう子の8割がたは、勉強嫌いから脱却させることができたか、と思いますが、そうでもない子もいて、同じ勉強嫌いでも、個人差がとても大きいことを知りました。私が教えてもすぐには変わらない「根深い勉強嫌い」については、その特徴をいずれ詳述しようかと思っていますが、そういう子でも腰をおとしてかかわれば、今は大体いい方向にはもっていけるようにも感じています。

 今回、その分析が、ほぼ、皆様にお示ししてもいいくらいのものになっていて、頭の中を整理しつつ、それを記していこうかと思うようになりました。

 もっとも、私の申し上げることが100%皆さんのお宅に当てはまると申しあげるつもりもなく、あくまで、今後のご参考にしていただければ、と思います。また、下に記した要因については、影響を受けやすい子と受けにくい子がいるということも、知らねばならないでしょう。したがって、個人差があるということも、頭の片隅に入れておかれて、このあとを読みすすめていただければ、と思います。

 子供が勉強嫌いになる要因別に、思いつくままに記述させていただきます。おそらくは、これらが複雑に絡まって、子供の勉強嫌いが定着していくのではないかと思っています。
 なお、記していった順番に重要度があるということもありませんので、あらかじめ、ご理解ください。

要因1:よからぬ環境
 「よからぬ環境」という言葉が適切かどうかわかりませんが、たとえば、本人がほしいといえば、すぐに物を買ってもらえるとか、とにかく、子供が未来永劫に、自分が豊かでいられると勘違いしてしまいかねない環境にいるということです。本人が、無意識にでも、そう思ってしまうと、本人は、これまた「こんなに豊かなのだから、がんばらなくていい」と無意識のうちに思い込んでしまって、だら〜とした気分に、いつまでも浸ろうとし、それが、習い性になってしまう可能性があるということです。
 本人のために、周りの人間ががんばってしまって、子供が自分でもできるはずのことを、かわりに親がやってしまう(私はこれを「子供の介護」と呼んでいます。以前のページや私の本でこの具体例はいくつかご覧になっている方もおられるかもしれませんね)みたいなことも、「よからぬ環境」のひとつといえるかもしれません。
 ご両親が、ご自身の能力によって、豊かであるのは、問題ないかと思うのですが、子どもたちが、いつまでも自分を豊かだと思い込んでしまうのは、危険な感じがします。自分がいつまでも豊かだと、無意識に思い込んでいる子は、少なくとも、そうやって何らかのハングリー精神を持たなくなった子は、いざというときに、頑張りがきかないのでは、という気がしています。
 で、そういう子に、勉強なり、多かれ少なかれ、手数のかかるようなことをするようにいっても、本能的に「なんでそこまでがんばらなければならないんだ」みたいな気持ちがもたげてきて、勉強から、逃げようという気持ちが芽生えてきて、勉強嫌いになってしまう可能性があります。いわゆる「面倒くさがる」行動ですね。
 親の言うことをきいてとりあえずおとなしくしていれば、「いい子」であることができる間は、問題がないのですが、学年があがり、テストの点として、客観的に、努力レベルが浮き彫りになるようになってきたとき、「いい子」でいようにも、好きなことをしたり、おとなしくしたりするのは得意でも、授業の進行に合わせて、きちんと頭に入れる、能動的に勉強とかかわるということができていない子は、学年が上がるにつれて、学力の低下を招き、親の失望を誘うことにもなったりします。
 本人としては、自分で考え行動するという意識付けのもてる環境になかったものですから、いざ、そういう問題にぶちあたったとき、自分で、ふんばる、ほかの子なみに知恵を働かせるということができず、困りはててしまうのかもしれません。いわば、「動こうにも動けない」体質と言ったらいいのでしょうか?

 これで、思い出すのが、以前、何かで見た中国人留学生と日本人学生との対話です。
 中国人留学生たちが「今まで育ててくれた親のためにも、がんばり、将来は親を楽にさせてあげたい」といったのに対して、日本人学生が「親のために、とか思ったことはほとんどない」みたいな返答をしたことでした。中国人留学生は「ええ?なぜ?なぜ?」と不思議そうでした。
 「よからぬ環境」は、周りの人間のためにも、がんばろうといった子供のエネルギーを奪ってしまうということもいえるかもしれません。

 これをみても、親が「子供のため」を思って、子どもを「豊か」にしてあげても、子供は、その親に感謝するかというと、必ずしもそうではないということがわかるかもしれませんね。(つづく)
 
2011年3月14日 19:44:25
 緊急告知。掲示板でおなじみの「東北の母」さんから、地震で、あちらがどのような状況か、断片的に情報をいただいています。それを、情報をいただき次第、掲示板1に書き込んでいっています。ご参考に、、。
 「東北の母」さんのお宅は、宮城県なのですが、全員ご無事とのことで、安心しましたが、ライフラインはすべてだめ、という状況のようです。本人が、がんばりだし、かつてよりも、ずっといい点を取り出したところなので、授業がしばらくできないかもしれず、残念です。テレビや新聞でみていて、同じ日本で、今、このようなことが起きていることが信じられません!
 地震そのもの以上に津波が怖いということを今回、いたいほど知らされました。日本人である以上、地震や津波とどう戦うかは、避けられない課題ですね。素人考えですが、波のエネルギーを減らすとか、防波堤の形状を波面に並行ではなく、斜めにするとか折り曲げるとかして、波の向きを変えてしまうとか、防波堤を複数にするとか、実現可能であれば、20メートルの高さにするということもふくめ、何かいい方法があれば、と思ったりしました。
 私の教え子で、いずれ将来こういうものに取り組んでくれる子がでてくるかもしれず、私は、私のこの仕事に専念していくつもりでいます。今は、直接手を差し伸べられないもどかしさを感じつつ、「東北の母」さんをただ励ますことしかできないのですが、、。

2011年3月17日 8:32:03
 昨日、自転車で出かけていったところ、お天気なのに、みぞれが降ってきて、体中重たい雪にうちつけられました。で、北の被災者の方々のことを思いました。普通は、急いでこの難を逃れようとするところでしたが、ゆっくりとそのまま、自転車をこいでいきました。うたれるがままに、、。お天気なのに、雨模様というのは、京都ではよくあることですが、いつもと違って、淡々と受け止められました。冷たいみぞれで、かえってよかったです。
 「東北の母」さんからは、しばらく授業料をいただけませんね。仮に教えることができるようになったとしても、、。私も、少しでも痛みを分かち合わなければなりませんし、そうありたいです。

 さて、子供がどうして勉強嫌いになるかのつづきです。
 
要因2:厳しい言葉
 「厳しい言葉」はとても危険です。厳しい言葉を言っても、全くへこたれない子もいますが、そんな子ばかりではないというのが、私の実感です。上の要因1を参考にされて、ときに「厳しい環境」にも触れさせ、現実の厳しさの中で、たくましく生きていく精神や知恵を授けていかれたら、子供たちは、優しい言葉で語りかけても、というか、優しい言葉をかけたほうが、それがポイントをついたものであれば、勉強にも、ほかの事にも前向きにがんばるということができるのでは、という気がしています。その際、厳しい言葉は、ほとんど必要とされないでしょう。それどころか、厳しい言葉は害を及ぼす可能性さえあります。おそらくは、一見厳しさに鈍感そうに見える子にさえも、、。
 厳しい言葉は、多くの場合、子供さんを何とかしてあげたいという多少なりともせっかちな思い、愛情から来ていると思います。
 でも、子供たちは、というか、人間はすぐに変わらない場合も多いです。
 これを私は「行動のタイムラグ」と呼んでいます。詳しくは私の本をお読みいただければ、と思いますが、ここでも、そのエッセンスを記しておきますね。
 皆さんでも、なるほどと思って、実行しようとしても、つい昔の癖がじゃまをして、すぐに新しいやり方でできなかったりすることがあったりするかと思います。それと同じで、子供も、納得しても、行動に移れるようになるには、時間がかかったりします。
 中には、納得すること自体に時間がかかるという子もいるかもしれませんし、あるとき、ふと、折に触れて「お母さんがこんなことを言っていたけど、なるほど、こういう意味で、そうしたほうがよかったんだ」と感じて、行動に移すということもあるかもしれません。これらは、みな、タイムラグを引き起こす原因になるわけです。
 タイムラグに対する認識は、とても大事で、だから、それを考慮に入れないせっかちさは、子育てにおいては、子供のやる気のなさ、無力感を誘いかねなかったりします。

 子育てにおいては、「厳しい環境」と「優しい言葉」(いずれも、世間一般で言われているのと、ずいぶん違うかもしれませんので、私のこの「視点」の以前の記述や本から、具体的な例、イメージはつかんでいただければ、と思います)がとても大事かと思います。その逆に、「甘い(よからぬ)環境」と「厳しい言葉」が子供たちの周りにあると、子供たちは、悪い方向に、悪い方向にと行くのではないかという気がしてなりません。厳しい言葉が、ポイントをついているうちは、それでも、まだいいのですが、、。

 ここで、一言添えておきますと、人は自分の面倒を見てくれた人よりも、自分が面倒を見てあげた人により深い愛情を感じるということです。親が子供を愛するというのも、おそらくは、そういう人の性質によるところも大きいかと思います。皆さんもご自身のご両親よりも、子供さんたちにより愛情を感じるという方が多いのではないでしょうか?人は、面倒を見ながら、同時に、その対象に愛情も感じてしまうところがあるようです。
 ですから、皆さんが、子供さんに、多少なりとも愛情をいだいてほしいとしたら、子供さんの面倒を見ようとがんばられるよりも、むしろ、いかに子供さんに面倒を見てもらえるか、あれこれ手伝ってもらえるか、をお考えになるといいかもしれません。
 それが、ひいては、子供さんのやる気を引き出すコツに結びつくのでは、と思います。(つづく)

2011年3月21日 11:58:05
 視点余話。受験が終わってあいてきたスケジュールも、通常は次第にうまっていくのですが、今年は、未曾有の震災のため、問い合わせのペースが落ちることになるかもしれません。
 それでも、問い合せてきてくださる方もあり、先日13日(日)に(震災直後ですね)、体験授業におじゃまさせていただきました。おじゃまするのと、パソコンでと、どちらがよいか、お聞きしたところ、「来てほしい」ということでしたので、、。
 京都市内のお宅なのですが、バイクで片道で30分〜40分かかるほどの、同じ市内にしては遠いお宅で、体験授業の前後、いろいろ質問をされました。ご両親とも、とても熱心なお宅でした。
 
 不案内なところでしたので、がんばって事前に調べておじゃましたつもりだったのですが、しかも、時間的に余裕を持って出かけたつもりでしたが、途中曲がるべきところを行き過ぎてしまい、「どうもおかしい」と気づいて、人に尋ねて、やはり行き過ぎたということだったので、あわてて引き返し、約束よりも5分ほど遅れてしまいました。失礼しました。
 原因はグーグルで見た景色と、実際の景色が「見え方」が違っていたということで、不慣れなところにいく場合は、グーグル頼りは危険で、もう少し工夫が必要のようですね。たとえば、グーグルをみて、「この看板はすぐに目に付く」と思っていた看板を私は、簡単に通り過ぎてしまいましたから、、。

 で、体験授業後、すぐにメールがなかったものですから、もうだめかな、と思って、そのままにしておいたのですが、1週間ほどして、ご連絡があり、さらに質問をいただきました。もちろん、できるだけ丁寧にお答えしたつもりです。
 その後、私のスケジュールのあいているところについて、確認のメールをいただき、教えることになる可能性が高そうな感じです。ぎりぎり、おじゃましても大丈夫なお宅でしたが、で、直接教えるほうを当初希望されている感じでしたが、パソコンについてご説明したところ、パソコンでの授業を検討されているとのことです。実際、おじゃまするのと、パソコンでの授業とそんなに変わりませんし、パソコンのほうがいろいろいい面も多いと実感していますが、体験授業後メールいただくのが遅れたのは、そのあたりをいろいろとお考えになったせいなのかもしれませんね。

 いろいろとありがとうございました。

 バイクで行く途中、日中だったこともあり、日差しがぽかぽかで、体験授業の間も、震災直後というのに、春の日差しが遠方をかすませるように穏やかな、窓外の景色が不思議でした。
 でも、自然というものは、こういうものなのですね。きっと、、。

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