家庭教師田口の視点(40ページ目)

2010年1月20日 9:34:46
 大変遅れてすいません。受験期で、なかなかおちついて、ゆっくりと考えて書く時間が取れなかったものですから、、。

 前のページの続きです。
 補足しますと、教師は、特に家庭教師は、子供の頭の構造が、性格と同じくらい、子供によって違うということを知っておかなくてはいけないように思います。で、意外に思われるかもしれませんが、性格は比較的変えやすいです(これもかなり能力、知恵が必要とされる場合がありますが、一般論として、、)が、頭の構造は、場合によっては、変えていくのに時間がかかり、前ページの最後あたりに、知恵の一端をご紹介しましたように、きわめてレベルの高い知恵、能力、経験が求められるように思われます。
 いずれにせよ、性格をかえるにしろ、頭の構造をかえるにしろ、できるだけ早い時期に手を打ったほうが、変わるのは早いです。それは、私が早めに教えたいから、とか、そういうことからではまったくなく、実際に教えての実感なのです。
 ときに、今までと180度くらい違うご両親のかかわりも必要とされたりもしますので、、。早くご両親が対応の仕方を変えられれば、子供が変わるのも早いです。かなり先へ進んでからですと、引き戻すのに時間がかかるという感じでしょうか?本人もかたくなになりますし、、。

 ところで、前のページに書いていること、このあとに書いていることなどをお読みになって、私が中学受験をお勧めしていないように思われる方がいるかもしれませんが、そういうことはありませんので、このあたりは、誤解なく、、。実際、受験間際にでも、急きょ教えてほしいといわれることもありますし、それをお断りしたことはありません。で、間際でも結果を出していることも多々あります。このホームページですでにご紹介している通りです。だいたい、選り好みをできるほどの身分とも思っていませんし、、。
 
 ということをご理解いただいたうえで、次に進みますね。中学、高校に入ってからの、伸び悩みの原因の話ですね。
 話のつづきを進めていきますね。

3、塾と家庭教師を両方つけて、自分で勉強する余裕を与えない。
 私が教えたお宅の中には、塾に行かせて、その上、家庭教師を複数つけるというお宅があったりしました。そのうちのあるお宅などは、その上に、つまり、塾、家庭教師を2人雇われている上に、さらに私に教えてほしいといってこられたりもしました。高校3年生の子でした。
 塾、家庭教師を、めいっぱいはり付ける理由は、「塾、家庭教師などで、勉強にはり付けないと、この子は勉強しない」という類のことでした。
 でも、教えてみて、思ったのは、その子の場合、一人で勉強する時間がまったくないように見えたということでした。
 で、塾やほかの2人の家庭教師には、どんなことを、どのように教えてもらっているのか、ということを聞いて、それを踏まえて教えていったのですが、塾も他の家庭教師も、そんなにいい授業をしていない(いい授業をしているようでしたら、とどまることをお勧めしたのですが)という感じがしたので、そこのお母さんに、
「僕一人で大丈夫かと思います。かえって、塾もほかの家庭教師も、ないほうが本人は勉強しやすいと思います」と、お母さんにご説明しました。
 そうしたところ、お母さんは、はっきり返答してこられませんでした。ただでさえ勉強しないこの子が田口先生一人で大丈夫かしら、という感じだったような気がします。
 でも、本人の反応が早かったですね。彼は、途中で塾へ行かなくなりました。そのあと、他の家庭教師の方々も、1ヶ月くらいのうちにこられなくなっていました。
 で、私は、週2回2時間ずつ計4時間教えることにして、受験対策をしていきました。そうしたら、彼は、とてもがんばって勉強してくれました。
 もともとやる気がないなんていうのは、本当のところではなかったのですね。
 で、11月ころにある公募推薦では、ことごとく落ち、近畿大学の1校しか受からなかった(お母さんは喜んで、入学金などを支払ってしまいました。私は、まだ伸びるかもしれないので、1月以降の一般試験まで、待ってみてはどうかとお話したのですが、一般試験で100%いい結果が出るという保証もないので、ご判断はそのお宅にお任せしていました)のですが、1月以降の一般試験では、同志社をはじめとした関西の私立すべてに受かってしまいました。そのあと、関東の中堅の国立大学を受験する予定で、受かる確率も結構あったのですが、お母さんが「近くの大学に行かせたい」とおっしゃるものですから、国立大学受験はやめることになり、私は、「お役ご免」となりました。
 私の最後の授業での彼のコメントはいまだに忘れられません。このようなものでした。
まだ勉強したりない感じです」と彼は言ってきたのです。
 彼は、受験が終わっても「勉強モード」を持続してくれたということですね。やる気がないなんて、そのときの彼を見て、誰もいえなかったでしょう。
 その子は、中高一貫の進学校の子で、私が教え始めたとき、成績が悲惨でした。
 だから、ご両親は、塾に、家庭教師にと、本人に強制的に勉強させようとしたのですが、勉強は自分で考える時間に比例するわけで、かえって、本人の能力、やる気をそいでいた可能性さえあったといえるでしょう。

 以上からいえることは、子供を普段、当たり前のように勉強する子に育てることが大事で、勉強できない子にしてしまって、それを埋め合わせるかのように、塾や家庭教師を貼り付けていくというのは、本末転倒であるということです。


2010年1月27日 14:01:55
 前の続きです。
4、通学に異様に時間がかかるため
 通学時間に異様に時間がかかるという子はいるんですね。
 このあたりは受験前に配慮すべきことかと思いますが、でも、もう入学してしまった、という子は、通学時をいかに有効に使うかを考えていくしかないかもしれません。このあたり、皆さんの知恵の使いどころですね。
 ことに、中学に入りたての子とかは、体力がないせいもあって、通学だけでも大変みたいなことになっているのですけれども、学年があがるにつれ、だんだんと体力もつき、自然と解決する部分もあるかと思います。
 ですが、やはり何と言っても、無理に遠くに通わせる必要はない、といえるでしょう。一度本人と通学コースをたどってみるとか、そういうことをして、本人が納得した上で、そこに入学するという感じがいいかもしれません。
 
 より偏差値の高い、よりいい中学、高校に行かせたいというご家族の思い、そして、そういうところに行きたいという本人の思いは尊重されるべきかと思いますが、一方で、入学後、本人がうまく適応していけるかどうか、という視点も、とても大事でしょう。
 入ってから「こんなはずではなかった」というのもよく聞くところです。

 実は、前のところで取り上げた子(塾や家庭教師にはり付けすぎの)なのですが、じつは、通学時間も長く、確か片道2時間を越えていたらしいのです。往復で4時間以上です。いかにいい学校でも、やはりそれは、勉強をする上で、大きなハンデと言えるでしょう。
 その上に、塾と複数の家庭教師ですから、本人はおとなしい子だったので、特に不満を言うとかいうこともなかった(本来は言ったほうがいいのですが)のですが、成績の不良という形で、その矛盾を顕在化してしまったといえるでしょう。
 やる気のない子ではなく、やる気を持てる環境にない子だったのですね。
 おとなしい子は、親が操りやすい分、親が矛盾に気づくというのが遅くなったり、いつまでも気づかないままになってしまったりして、原因の、あるいは、対策の、わからないまま、ご家族を、あるいは、本人を悩ませ続けるということになるんですね。

2010年2月3日 12:11:27
5、クラブ(運動部や吹奏楽部のように、忙しく、途中でやめにくいことの多いクラブ)に入って、クラブの忙しさに、勉強との両立がうまく行かなかった。
 いわゆる勉強とクラブの両立の破綻というパターンですね。これまた、進みの速い私立高校などでは、「根性がない」というだけでは済ませられない子もいます。
 このパターンも結構あります。中学、高校に入ると、本人はいろいろなことにやる気満々で、つい、気軽にクラブを選んでしまい、あとで、クラブの忙しさ、厳しさについていけず、後悔するというパターンです。
 あるいは、私が教えて、成績が上がってきて、それで本人もご両親も、じゃあ、ということで、運動部などのクラブに入り、成績がまた振るわなくなるというパターンもあります。
 多くの場合、私は、「クラブに入りました」と後から伝えられることがあり、で、あとから、「早まったかもしれませんよ」みたいな話はして差し上げるのですが、実際、その後、後悔するなんてことはあります。
 「本人が絶対大丈夫というものですから」という親御さんの言葉とは裏腹に、みたいなことは、よくあることで、本人は、クラブ(との両立)の現実の忙しさをよく知らずに、そういっている場合も多いのですね。
 クラブを選ぶときは、慎重に、、。少なくとも、そのクラブが、「いやになったら、すぐやめることができる」ところかどうかくらいは、事前にお調べになる必要はあるでしょう。実際に、気軽にやめていいものかどうかは、ともかくとして、、。
 皆さんがこういうことを決断される場合、少し慎重になって、クラブについていろんな方に聞いて、調べて、それを本人に伝え、ある程度の見通し、覚悟をもって、最終的に本人の意志を確認するくらいの慎重さがあってもいいかと思っています。本当にやりたいのでしたら、ある程度の苦労は、覚悟の上で乗り切ることでしょう。
 多くの場合、覚悟の上で、強い気持ちを持って、動き出した場合は、本人もパワーを発揮するものだと思います。こんなはずじゃなかったという失望感を与えないためにも、どんなことにも、事前に調べられるだけのことは、調べて、という感覚が必要かと思います。
 クラブの顧問の先生が、クラブの雰囲気がどうも好きになれないという子もいたりします。入ったあとで、「あの顧問の先生、じつは、みんなに嫌われていた」みたいなのもあります。
 こういうことも含め、親子ともども、あらかじめ、ある程度の覚悟を持って臨めば、そうそうおかしなことにはならないのではないかと思います。

 まさに、「知識は身を守る」ですね。
 目の前に水たまりがあることを知っていて、そのまま、前に進む人はいないでしょう。知らないということは、実は、怖いことです。
 きっと知っていたら、右によけるか、左によけるかすることでしょう。あるいは、ジャンプして、飛び越えていくか、、。私たちの周りの道路の多くは、舗装されていて、あまり、こういう場面に出くわすこともなくなってきたかもしれませんが、人生には、人生という道筋には、まだまだ多くの穴ぼこがあるように気がしています。それを避ける最善の方法は、知識であり、運悪く穴にはまったときに、私たちがもっとも必要とするのは、哲学、生き様に対する覚悟かと思います。

 で、結局のところ、私がこのホームページ全体で記しているのは、トラブルを回避するための注意点と工夫、そうして、それでも何らかの理由で、トラブルにおちいってしまったときの、心構え、哲学、知恵ということになるのかもしれません。
 皆さんには、気軽に読みながら、この知恵、知識などを多少なりとも身につけていっていただければ、と思っています。


2010年2月10日 12:56:27
 ことに、教育においては、「ちょっとの違いが大違い」といえることが多く、ちょっとした知識の差、見識の差が子供の成長に大きな差をもたらす、というのは、私が日々経験しているところです。下の視点余話のお宅も、私の本人との接し方をみられて、「子供の反応がぜんぜん違う」と言ってられました。いずれ近いうちに、我が家の実例でも、お示しするつもりですが、これは、親と他人の違いによるものでは、必ずしもありません。他人だと、言うことを聞くかというと、そうでないのは、学校でも先生によって、子供が反発したり、しなかったりするのと、同様です。
 ということで、時には、気楽に読んでいただこうというわけで、視点余話です。

 視点余話
 「パソコンがこわれました!」という電話を、私の授業中に、妻が受け取りました。
 これはあとで聞いたのですが、どうも、最近お住まいにソーラー発電を取り入れられたそうで、そのシステムを稼動させたとたんに、過電流が流れて、パソコンがいかれてしまったようです。皆さんも過電流にはご注意を、、。
 で、都合の悪いことに、ご主人が出張中で、10日間ほどかえってこれず、お母さん一人では、どうしたらいいか、判断できないとのこと。かりに10日後ご主人が帰ってこられたにしても、そのあとメーカーに修理費用を見積もってもらったりして、修理か購入まで、結構時間がかかりそうとのこと。
 私自身は、パソコンが壊れそうとみるや、即座に新しいパソコンをもう一台購入する決断をしてしまったという経験がありますが、人様にそれをお願いできるはずもない。
 じゃあ、一肌脱ごうということで、パソコンがつながらないまま2週間ほどたったころ、こちらからおじゃますることを提案しました。先方は、喜んでくださいました。
 受験の山場を終えたころでよかったです。
 ゆっくりおじゃまできるのは、日曜日ということで、早朝5時50分に起きて、たまたま珍しく深夜に降ったらしい雪に注意しながら桂駅へ、、。
 あちらの駅に着くと、早朝7時に車で迎えに来てくださったので(片道20分もの時間を、ご主人がさいてくださりました。ありがとうございます)それに乗り込み、先方宅で授業を、、。
 実はこのお宅、近畿のお宅であるということもあり、はじめてのとき、体験授業を、ということで、一度おじゃましたことがあります。もう4,5年もたつのに、彼の印象は、不思議なことに、あの時とほとんど変わりませんでした。
 で、おじゃまして早速授業にとりかかったのですが、本人の質問の多いこと多いこと。たまりにたまった質問を吐き出すように、次から次へと、聞いてきました。
 テキストを買ったが、このテキストでいいのか、とか、この問題はイメージがわかないとか、、。

 私自身は、機関銃のように質問してくる子にもなれている(1時間で20くらいの質問は楽にさばけます。じっくり型の子もいるので、だれにもそういう感じではありませんが、少なくとも私の説明は、本人のわからないところにピンポイントで、というのを心がけています。わかりやすさは、ピンポイントの説明がいかにできるかにかかっているといってもいいでしょう)ので、まったく問題がなかったですが、彼の集中ぶりに驚かされました。本人もいうように、「4時間半ほどが、そんなにたったの?というくらいあっという間に過ぎた」という感じのようです。
 帰りの車に彼は同乗してくれたので、そのときに、集中力の高さをほめてあげました。
 かつて、中2のころに教え始めたころは、お母さんが本人のやる気のなさを嘆いておられましたが、今、お母さんから、そんな嘆きの声は聞かれません。むしろ、急激なやる気ぶりに驚かれているのではないでしょうか?
 妹さんも教えているので、ついでに妹さんもと思ったのですが、こちらは思春期のお嬢さんで、パソコンの授業にはまったく抵抗のないのが、直接の授業となると、「自分はいい」としり込み。結局挨拶だけ。素直で、頭のいい子なので、どうしてもといえば応じてきたかもしれませんが、私は、こういうのは押付けていい方向に行くものとも思っていないので、そのまま帰ることにしました。

 ところでところで、あとで、お母さんが電話でおっしゃることには、
「本人(彼)は、パソコンでよりも直接教えてほしい、というのですが、、」
 妹さんと彼とで、正反対の反応に、私は戸惑いつつ、パソコンと直接を併用する感じで対応するか、何か工夫が必要かも、と思案中です。少し遠いお宅なので、私の知恵の発揮のしどころですね。
 しかし、彼からそういう話がくるとは、、。思わぬ効果です。??

 彼を含め、ほとんどの子が、私のパソコンによる遠隔授業に満足していると思われる、ということは、念のため、、。私は、すでに遠隔授業のためのノウハウは、十分蓄積しています。で、パソコンと直接とそんなにかわらない、むしろパソコンの方がいろいろメリットがあると感じています。
 何よりも、毎回の交通費がかからないのがいいですし、通信費はパソコン同士ではかかりませんし、正面からお互いが同時に書き込めますし、ご両親が送り迎えに顔を出す必要がありませんし、、。連絡ノートでご両親と話合うということのかわりは、メールで十分可能ですし、、。おそらく、唯一の欠点は、私という存在が近くにいないということでしょうか。いや、まだありました。子供さんと同じテキストをこちらももっていなければならないというようなこともありますね。
 いずれにしろ、今の私のノウハウでしたら、たいした違いはなく、むしろ問題とされるべきは、家庭教師の資質の方でしょう。さらにくわしくは、私とPCで話をして見ませんかご参考に、、。
 あるいは、掲示板で実際どんなものか、私が教えているお宅のお母さんにでも、お尋ねになるといいかもしれませんね。皆さんいい方ですから、きっと親切に答えてくださると思いますよ。
 私に都合のいいように言ってください、というようなことは申していませんので、何なりと、、。

2010年2月17日 11:43:35
 「中学高校に入ってからの伸び悩みの原因」の続き書いていきますね。
6、「中学(高校)受験までは、がんばれ。中学(高校)に入れば、のんびりできるから」と周りの大人たちから言われる。
 中学(高校)受験までは、がんばれ。つい受験でがんばってもらおうとして、こんなことを口走ってしまうということはありませんでしょうか?それを信じて、合格後のんびりしていたら、実際はものすごいスピードで学校の授業は進んでいき、もともとそんなにがんばる気もなかった子だったりすると、とまどってしまったりします。多くの学校で、中学に入ってしまえば、高校に入ってしまえば、みたいなことはありません。というか、人生において、もっとも大事なことのひとつは、勉強そのものが楽しいということであり、一生そういう知的好奇心をもてるということでしょう。くれぐれも、今さえしのげば、見たいな発想で、受験をさせませんよう、、。
 勉強は、本来楽しいものであり、楽しいと思える子に育てるべきでしょう。でないと、いろんなところで、悲劇的な状況が生じてしまいます。
 このホームページ全体をお読みいただければ、お分かりいただけることかと思いますが、子どもさんを変えようとされるとき、大事なのは、直接的な言葉で、すぐに変えようとされないことでしょう。親御さんを含めた周りの人間が変わっていく中で、子供は、時にゆっくりと、あるとき、急激に変わっていくものだと思います。

(この続きはページをかえて、、)


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