家庭教師田口の視点(33ページ目)

2008年7月14日 12:10:38
 私が教える子の中には、問題を抱えていた子も結構いるんですよね。塾で見限られたり、ほかの家庭教師で伸び悩んだり、、。で、世間様からみたら、「大変な」子も教えたりするんですけど、この子はだめだ、と思ったことがほとんどありません。
 先日も、テストの点数が悪くて、「うちの子はどうして、こうできが悪いのでしょう?」と聞かれたのですが、私は「頭のいい子ですね」と答えるしかありませんでした。教えた感触では、そう申しあげるしか本当になかったんです。別に皮肉でもなんでもないですよ。こういう子が伸び悩むとしたら、教える側が能力が低いか、きちんと教えられていないか、に原因があるとしか思えません。ご家庭のご両親でしたら、教え方に苦労して、というのもわかりますし、むしろ同情さえするのですが、ときどきプロ家庭教師を名乗る方がこういうことをいわれたりするのを、聞いたりすると、ちょっとだけ首を傾げたくなったりもします。もちろん、その点だけで家庭教師としての能力をうんぬんしてはいけないのかもしれませんが、、。
 ほかには、最近教えた子で、京都でもトップレベルの高校にいっている子がいるんですが、実は、別の家庭教師から、見放されたみたいな感じなんですね。で、じゃあ、どこか問題がある子かと思ったんですけど、感じはいいし、頭もいい。どうして、その家庭教師の方は、「こんな子はだめだ」と思われたのか、いまだにわかりません。宿題を出せば、一生懸命やってくれる。こんないい子はいませんよね。こんな子をだめだと言ったら、教える子がいなくなってしまうのでは、と思ってしまいます。その子は一度も前の家庭教師の悪口を言ったりしないのもえらいですね。さすがに、教えるレベルは、半端じゃなく高いですけどね。この前は、行列と数列のからんだ、ちょっと複雑な問題を聞いてきたり、、。で、ちょっとヒントをあげて、解いてみて、というと、「え〜」とか言いながら、解いてしまったりします。「賢いね」と言ったら、「そうですか〜」と明るく答えてきました。上手に教えれば、この子だって、すっすすっすと解いていきますよ。かなり難しい問題だって、何とかしてしまいます。
 で、ここでも、また、あの山本五十六(いそろく)という偉い軍人さんの、「やってみて、やらせてみて、ほめてあげねば、人はうごかじ」を思い起こします。このどこかの過程で、教えそこなうと、わかる子にもわからないのではないかと思ったりするんですね。きっと、その家庭教師の方は、このどこかで、うまく教え込むことができなかったのではないかと思ったりするわけです。皆さんも、本当に頭の悪い子など、めったにいないと思われたら、いいかと思います。もし、「この子は頭悪いな」と思われたら、そのときは、私たち自身の教え方に問題があるかもと思われたほうがいいかもしれません。頭の悪い子なんて、そうそういるもんではないですよ。私は、もうおそらく200人くらい教えているのでは、と思いますが、本当に大変だと思ったのは、1人か2人くらいかと思います(もしかしたら、忘れてしまっただけで、もう少し多いかもしれませんが、いずれにせよ、たいした数ではありません)。その子たちでさえ、「私が」教える時期が遅かったため、といえるのでは、と思っています。
 下でいずれ、触れると思うのですが、性格的にも、頭的にも本当にひどいと私さえ思った子(前の家庭教師が「底なし沼に引きずり込まれそう」と言ってやめていかれたということから、どの程度か、ご想像がつくことでしょう。お母さんも「この子は本当に頭が硬い」と言っておられました)がいるんですが、そういう子でさえ、今、最初の底なし沼みたいな状況から、加速度的に理解を高めていっているのを感じています。最初は、私でさえ、「焼け石に水」という思いを何度もしました。「性格の半端でない悪さ」も、これだけわからなければ、仕方ないかなと思ったりもしています。正常な子にもっていくのに、ものすごく時間がかかります。
 性格を変えるか、頭を変えるかといったら、性格のほうが早く変わりますし、まず、それから着手すべきでしょう。性格を変えて、そのあと、きちんと教える(頭の硬い子には、これが難しいのかもしれませんが)ということができれば、最初、まどろこしいほどゆっくりなこともありますが、次第に理解を高め、あるときから、ぐんぐんと能力を上昇させていったりします。
 でも、正直、その間、こちらはさまざまないやな思いに耐えねばならなかったりします。なにせ、性格が半端ではないですから、、。そのとき、いつでも冷静でいられるかが、私たちの能力の大事な部分でしょう。まあ、こんな子は、私だって、めったに出会わないですけどね。でも、こういう子に出会うと、人間が磨かれます。もちろん、この子は、今は、とてもいい子ですよ。
 「怒りを敵と思え」といったのは、徳川家康という人ですが、怒らずに、耐えて、そういう子にどう対応すべきか、その子の性格、ご家庭の状況などを考えて、どうかかわった方がいいのかを冷静に判断していく必要があります。私たちの知恵が試されるときでしょう。いろんな意味で、鍛えられます。家庭教師としての能力、自分の弱さの自覚、自分の人間性、すべてが問われ、すべてが磨かれていくように思います。ですから、そういういい機会だと思って、「こんなばかな子は教えてられるか」と思う前に、自分を、家庭教師としての能力を高めるいいチャンスだと思って、かかわられるといいと思います。
 小学3年生レベルの子に、高校の内容を教えようとすると、かなりの能力を必要としますよ。でも、教えられないことはないです。無理だなどと、言い訳から入らないことでしょう。少なくとも、私は平気で教えます。そうして、苦労すると、普通の子に教えるのがとても楽に、上手になっているのに気づくことでしょう。教えにくい子を教えることは、教えやすい子を教えるときにも、実は、大いに役立つのです。私の教え方がわかりやすいとしたら、むちゃくちゃ賢い子から、むちゃくちゃできない子まで、平気で教えてきたおかげといえるかもしれません。

2008年7月22日 8:27:46
 前回の書き込みで、最初に「うちの子はどうして、こうできが悪いのでしょう?」というような質問をされたお母さん、近畿なんですけど、かなり遠い(100CCのバイクで1時間以上。私としたことが道を間違えそうになって、実際は1時間半ほどかかってしまいました)のですが、パソコンでつなぐ前に、おじゃまして、話をするということを、先方の希望で、させていただきました。交通費相当だけいただいて、あとは、すべてただで教えました。デモンストレーションなので、1時間くらいをめどにしていたのですが、本人が、「これも、これも」ときいてくるので、結局2時間から2時間半くらい教えたかもしれません。私は本人が納得するということを重視していますので、いつも、何時間でも付き合う覚悟です。何もいわれず、そうっと見守ってくださったご両親にも感謝しています。もちろん、いくら教えてもただです。教え終わった後、冷やし中華をご馳走になりました。おいしかったです!通常、私は、一切そういう類のものをいただいてません(時間がとれないので)が、実は、ノリノリで教えて、そのあと、ご両親とゆっくり食事をしながら、お話をするというのが嫌いではありません。パソコンでしたら、あとで、メールで「子どもが喜んでいました」みたいなのをいただくのも嫌いではありません。というわけで、そのお宅の場合、そのあと、ご両親とゆっくり話し合いを持ちました。
 ほかのお宅で、本人が質問がないと言ってこらたときは、こちらから、苦手そうなところを聞いて、説明していく、ということをします。私はできるだけ、ご両親そろっているところで、すべてすっきりして、ということを考えています。
 また、私は、その場で「私に依頼されるか、されないか」の結論を求めないことにしています。もちろん、その場でお願いしますといってこられるお宅はありますけどね。でも、その場では、私の前で、本人が本心をいいにくかったりしますでしょ。「田口という先生は言うほどわかりやすくはないではないか」と思っても、それを本人は私の前では、いいにくいですよね。ですから、必ず後日、教えてほしいときは連絡してほしい旨お伝えして、その場は、いったん帰ります。あるいは、パソコンでしたら、そのまま終了します。私が教えた後の、本人の表情を見ていただければ、私の家庭教師としての職人ぶり(斜に構えて言うと、家庭教師馬鹿ぶり)をご理解いただけるかと思っています。

 その子の場合、教えた私の感触では、普通の子か、普通の子よりも少し頭がいいくらいの子という印象でした。ご両親が「出来が悪い」と言われている子を、「頭がよい」と私が言うことは多いです。で、実際、「頭がよくなって」いきます。その子の場合、その後、教えれば、教えるほど、頭がよい子だな、という感想を持つようになってきています。1ヶ月半ほどたっていますが、ご両親も「本当は賢い子だったんだ」と思われているのではないでしょうか?あとは、テストで結果を出すことですね。お母さんが「数学の飲み込みが悪い」といわれていましたが、この間何問か説明してあげて、お母さんに、1問、そのうちのどれかをチェックしていただきました。もちろん、さっと解けたと思います。飲み込みの悪い子か、わかっていただけたかと思います。
 そのお宅、今は、もちろんパソコンで教えています。じかに教えるのと、パソコンで教えるのとを経験して、本人はパソコンの方がわかりやすい(私の描いた図、字などが見やすいからかと思います)と言ってきたようです。パソコンによる遠隔授業に関しては私とPCで話をして見ませんかをご参考に、、。
 もっとも、当初お母さん、私に、いろいろ鋭い質問をしてこられました。今も、よく鋭い質問をしてこられます。熱心なきちんとした方だと思いました。私はどんな質問にも、嫌がらず、答えてきたつもりです。
 家庭教師の皆さん、いろいろ質問をしてこられる方を、嫌がってはいけませんよ。というのも、ちょっとしたつまらない質問でも何でも誠実に答えてくれるとわかったとき、先方は、気軽に質問してくることができるのですから、、。結構遠慮がちに聞いてこられているお宅の方が多いくらいに思われたほうがいいかと思います。そのお気持ちを大切にすべきです。私は、どんなつまらないことも聞いてくださいと申し上げることもあるくらいです。

 そのお宅の場合、まず、おじゃまする前に、電話で、いろいろ聞かれましたね。理科のフレミングの左手は、パソコンでは、教えにくいのではないかとか、、。私が、最も工夫を要したところで、でも、そんなに苦労なく教えられますよ。あらゆることが、知恵の使いようなのです。でも、鋭い質問でしたね。パソコンで遠隔授業をするほかの家庭教師の方でしたら、どうお答えするのでしょう?パソコンでなくても、フレミングの左手の法則や右手の法則(右手は高校の物理で習います)を上手に説明できるかは、家庭教師の能力を測る上で、いい指標かもしれません。
 「うちの子みたいに、頭の悪い子は、先生は教えられないのでは?」みたいな質問もされたかと思います。「教えていないので、どのくらい頭が悪いかわかりませんが、こういう大変な子も教えましたよ」みたいな感じで、私の経験を具体的に話しました。

 そのお宅も、お母さんが一生懸命考えられている方ですので、すでに、いい方向へ、いい方向へと進んでいます。中3です。もう少し、早い時期から教えられたら、と思ったりもしましたが、それは、苦しんできた彼女(本人)のことを思ってのことで、私は、この程度のことは、難しいとは思っていません。普通の部類でしょう。

 大阪外語大(現在は大阪大に統合)を受験希望している子をセンター直後、前期試験のほぼ1ヶ月前から対策したということもあります。本人は、前期試験の問題を見た瞬間に絶望して泣いていたそうです。それで、お母さんが、私に問い合わせてこられたのですが、もちろん、受かりましたよ。本人はとても頑張ってくれました。どうすればいいかを指し示し、いけそうだという感触をもったら、通常子どもは動きます。馬鹿力を発揮します。そう思えるような状況になく、ネックが解消されていないから、子どもは絶望の中で、動けないのではないかと思ったりします。私の本でも記しましたが、子どもは条件が厳しいから頑張らないのではないですよね。
 その子の妹さんのほうもあとで教えました。受験の1年くらい前(高2の終わりころ)から教えたので、余裕をもって中の上くらいな国立大に受かりましたね。ただ、この子でももう少し早く教えていたら、もっといい大学に受かっていたかもと思ったりします。だって、3年のときに学校で学ぶ理科の科目を生物として選択してしまってから、私が教えたのですから、、。で、受験は物理ですからね。私が教えるのだったら、物理の方が、覚える部分が少なく、理解する部分が多い分、楽に伸びると思うよ、という話をしたためですけどね。本人は私を信用してくれたわけです。学校で、生物を勉強しながら、受験は、物理なのですから、一見無茶でしょ。一見無茶でも、やはりあの時はあれが最善だったと思いますね。もちろん、物理は私一人で教え、対策していきました。

2008年8月3日 16:09:50
 私が教えている子は、今塾に行っている子と行っていない子と、大体半々くらいでしょうか?塾に通っている子の場合は、大体私はフォローに徹します。だって、私から、塾とは別に宿題を出されると、宿題の多さに困ってしまうような子が多いですから、、。仮に宿題を出すとしても、塾にそって出す、学校にそって出す、というようなことは、よくします。塾で習ったけど、これがよくわからないとかいうものを理解させるということに、私の能力のすべてを傾けるということも多いです。先日も、ある有名女子中学を受験したいといって、連絡をいただいたお宅がありますが、私が一人で教えたほうが結果がいいかと思いますと申しあげて、でも、すぐに、私一人が教えるということをお勧めしませんでした。
 まず、教えてみなければ、私の能力がわかりませんし、仮に先方が、私一人で教えたほうがいいとお思いになっても、本人が塾をやめることに難色を示すかもしれません。CMさんのお宅のように、本人が塾をやめたいと言ってくるのでなければ、私は、基本的に現状をすぐには変えず、現状の中で、私ができる最善の手を打つということを考えます。人間は機械ではないのですから、塾の周りの子との関係とか、塾を落ちこぼれたと思われたくないという思いとか、こういうものにも配慮が必要かと思っています。
 というのも、本人の「やるぞ!」という気持ちが一番大事だと思うので、塾を誰かが本人の意志を無視してやめさせるとかすれば、それは、きっと、後々、一時的にせよ、本人の「やる気なさ」になって現れてくるのではないかと思うからです。現に、それに似たような経験をされているお宅は多いのではないでしょうか?
 たとえば、志望校を「そんなところ無理だから」と、一方的に親が変えさせて、本人のやる気をしぼませてしまったとか。
 でも、そういう時、志望校を変えさせる必要なんて、まったくなかったりするんですよね。たとえば、第一志望はそのままにして、「でも、その前にもっとレベルの低いこの学校に受かるレベルにならなくては」みたいな話をすればいいのだと思います。子供さんたちは、おそらく、自然に受け入れてくれることでしょう。で、頑張って、第二志望をクリアして、さらに第一志望までいければ、いいといえるわけで、実現するしないはともかく、可能性を完全に否定するようなことは、まったくする必要はないといえるでしょう。
 ちょっとの違いが大違いですね。

2008年8月14日 16:16:06
 私が、「私一人の方が結果がいいと思います」というのは、別に自分が一人で抱え込みたいとか、そういうことではないんですよね。そうではなくて、限られた時間の中で、結果を出そうとすると、どうしても勉強するところをしぼらなくてはいけないわけです。一般的に、過去問とその類題にしぼることになります。多くの学校が同じような問題を、毎年毎年出してきます。で、学校によって、入試には、出る確率の非常に高い問題というのと、まずでないだろうという問題とあるんですが、塾は、特にこの高校、この中学、この大学という感じで、しぼって教えることはないですから(学校別対策みたいなのがありますが、正規の授業の合い間にやるという感じでしょう)、どうしても、「一般的な」勉強をしてしまうんです。
 たとえば、ニュートン算がまず出ないという学校を受験する子にも、ニュートン算を教えてしまうのですね。で、ニュートン算を勉強することは、教養を高めるということを考えると、決してむだではないんですが、目先の受験ということを考えると、むだなんです。もっと先に勉強すべきことがたくさんあるでしょ、と私などは思ってしまうわけですね。毎年のように、面積を求める問題が出ていて、それが苦手だったりしたら、それを克服することを考えるべきでしょう。簡単に言うと、出る確率の高い問題から解けるようにしていくべきでしょう。たまに、そんなことをすると、塾に行っている子の場合、塾の模試や小テストの結果がよくなくなってしまったりするんですけど、このことも事前にご両親にお話しておき、覚悟をしていただかなければいけないかもしれませんね。
 もちろん、これは入試ということにかぎって、こういうことがいえるわけで、先ほど申しあげたように、受験に受かるかどうかはともかく、本人の一般的な学力を上げたいというご希望でしたら、でない問題をやっても、まったく問題ないといえるでしょう。でも、多くのお宅が、入試に受かるには、ということを言ってこられるので、私は、それならば、ということで、こういうことを申しあげるわけですね。
 こういう情報を差し上げて、でも、最終的にどうされるか、塾との両立をはかるのか、塾をやめるのか、塾をやりながら、模試などの成績が下がるのを覚悟するのか、塾の成績を上げることを優先するのか、これは、ご家庭の判断にゆだねられるべき事柄でしょう。実際、塾で勉強していて、この教科だけができないので、それをサポートしてほしいというご希望をいただくこともあります。そういうお宅は、塾でほかの科目はうまく行っているわけで、塾をやめる必要はないといえるでしょう。私は、そのご家庭の実情、ご意向に沿って、できる限りのことをさせていただくつもりでおります。




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