2007年7月9日 11:12:48
 閑話休題。難しい話が多くなってきたので、肩をほぐしていただくために、私の恥ずかしい失敗の話をいたしましょう。あまり、書きたいほどの内容ではないのですが、こういう話も書かなければ、公平ではありませんし、読まれる方には、ちょうどいいブレークになるかもしれませんね。正直思い出したくないですが、勇気を出して、、。
 そういえば、「なでしこ」さんのお名前(本名)をホームページに載せてしまって、深夜、なでしこさんから、そのことを指摘するファクスを送っていただいき、あわてて消去したというのもありましたっけ。このホームページは、私が教えているお宅のお母さんもよく読まれるので、誤字などはもとより、内容に間違いがないか、など、何度も見直してから、載せているのですが、この前は、ついこういうポカをしてしまいました。「なでしこ」さん、改めてお詫びいたします。ごめんなさい。私の教えているお母さんの中には、私がこういうミスをするということを意外に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、悲しいかな、私も、人間なのです。
 下に記す内容は、もっと強烈な失敗です。今思ってもため息の出るほど、、。いや、顔から火が吹くほど、、、。

 私は、ご存知のように、メールでのやりとりをよくするんです。で、私はTくんという、苗字は違いますが、名前が字までまったく同じ子を、どういう偶然か3人教えているんです。でも、普段苗字で教えているので、そんなに3人も同じ名前があることを意識したことがなかったんですけどね。
 以前、ある漢字(たとえば「水」とか)で始まる苗字の2人のお母さんから、ほぼ同時に問い合わせが来たときには、ちょっと、めんをくらい、最初の少しの間混乱しましたけどね。でも、これは、何とか、すぐに区別して、お話できるようになりましたけど、、。
 そうですね。意識しているとき、注意しているとき、人はミスを犯すことは少ないんですね。テストで、頻繁にミスをする子がいたとして、それを直す方法は、意識させること、というのがひとつの解決法なのですが、テスト以外でも、まさに、この点が大事なのですね。

 この3人のTくんがいることは、先ほど申したように、苗字で話しかけるものですから、普段意識することがなかっただけに、かえって、私は、頭の中から抜いてしまっていて、で、あるときとんでもない勘違いをして、この3人を強く意識せざるをえないことがおきたんです。
 ことの起こりは、あるお母さんさんからのメールから、、。あるお母さん、ある時期頻繁にメールを送ってくださっていたことがあったのです。もちろん、そのお母さん、1人の「Tくん」のお母さんなのですが、そのメールのタイトルが「Tの母です」でした。こういうメール送ってこられるお母さん結構多いのですけど、、。で、そのメールに慣らされていた私は、別のあるお母さんから、こちらも息子さんは「Tくん」なんですけど、こちらは「Tの成績です」というタイトルでメールがきましたが、このときに、ひどい思い違いをしてしまったんですね。私は、パソコンで送ってこられたお母さんが、何かの都合か何かで、携帯で送ってこられたと思っていたんです。しかも、わざと、「Tの母です」を「Tの成績です」に変えてこられたのだろうと、、。
 いろいろ、ごちゃごちゃ書いているようで、混乱されたかもしれませんね。要するに、2人のTくんのお母さんから同時にメールがきて、私が同じお母さんからのメールだと勘違いしてしまったというだけのことだと思ってください。
 で、、、。こちらは、同じお母さんだと思っているものですから、塾にいっていないはずの「Tくん」が、塾にいっていたり、お母さんもちょっと前にお話していたことと違うことをおっしゃる。いろいろと、腑(ふ)に落ちないことばかりでした。で、私は、メールでご返答しながら、このお母さん「ぼけられたのかな」とふと思ったりしてしまいました。完全に、自分がぼけていたことはつゆ知らず、、。で、次にその一方のお宅にお邪魔したときに、そのお母さんから一言いわれました。「先生、どこかのお宅と勘違いされていませんか」。最初、ぴんと来ませんでした。でも、しばらく話をしているうちに
 「あ〜」。この「あ」濁点(だくてん)をそえてくださいね。
 実は、もうひとつのお宅のほうはお宅のほうで、私はスケジュールでクレームをつけていたのです。かなり一方的な、、。授業のとき、子供さんに(つまりTくんに)「何か塾か何かの理由で休むんだって?いつから塾行き始めたの?そういう話は早くしてくれないと、、、。お母さんにも伝えてもらえるかな?」そうしたら、本人がお母さんにいそいで、「お母さん、スケジュール変更の話した?」くらいなことをパソコンの向こうでしたのでしょう。お母さんあわてておられる様子で、「後でメールします」と「Tくん」を通じて伝えてきました。
 これが、あのお母さんの「先生、どこかのお宅と勘違いしていませんか?」をきいた瞬間に、赤面とともに、よみがえってきました。あとは、両方のお母さんに平謝りでした。今想像してもおぞましい事件でした。それ以降、どちらのお母さんも苗字をタイトルにに入れてこられるようになりました。本当に、私が馬鹿でした。本当にお二人のお母さん、ごめんなさい。
 Tくんのお母さんのどちらかかがお読みになってられたら、「あ、あれのことね」と思われることでしょう。家庭教師田口は本当に「お馬鹿さん」というお話でした。
 はぁ。

2007年7月21日 3:15:08
 さて、今回はおなじみ「なでしこ」さんのメールをご紹介しましょう。どこかでも記しましたが、私は、水面下でいろんなお母さんといろんなやりとりをしているんです。で、なでしこさんは、私のホームページもメールもとても丁寧に読んでくださり、子供さんとのかかわりに生かしてくださっています。私および私のホームページの使い方という点で、ご参考になることも多いかと思います。
 下は、その一端です。実は、娘さんのあと、弟さんを教えていることは、ホームページで公開しないで、といわれていたので、公開していませんでした。で、最近掲示板にこのことについて触れておられるので、こちらにそのことを載せても大丈夫と判断しました。あの、例の、私がおじゃましたとき、帰りがけ遠くから私を見ていた、という弟さんです。
 お母さん主導で、私に申し込まれてきたので、どこか「お客さん」的な態度になっていて、それが少し気になります。この子の場合、私にいってこられるのが、少し早すぎたかなあ(お母さん、「田口先生いいよ、いいよ」といって、お母さんのペースで申し込まれてきたようなところがあり、本人が本当に心から私を必要だと思うところにいたっていないという感じでしょうか)、と思われますが、まあ、長い人生で考えると、誤差の範囲内かなあと思ったりもしています。私は、まだ、彼という人間がつかめていないので、また、彼は、私と距離をおいて接している感じなので、無理にその距離を縮めようとも思っていません。いずれ、心を開くときが来るでしょう。では、、。
 変化は、少なくとも、すこしずつ現れています。

 授業が終った後、今日初めて、息子がホワイトボードの印刷&保存をしました。また、私が何も話しかけていないのに、「今日は、眠くて死んでた。やっぱり疲れがたまってきてるな。」と自分の状況を言ってました。それで、「眠かったの。そうなんだ。今度からどうしたらいいのかな?ねぇ(お姉ちゃんのこと)も、朝早く起きて頑張ってきたんだから、きっと頑張れるよ。」と返事をしました。娘がお世話になりたての頃、「子供の状況に親があわせていく」「子供に自分のことを心配させる」ということがこういうことなのかな?と思えるようになりました。この子は、何かを指摘した時はすぐにはしませんが、娘よりタイムラグが短いようです。これがわかっていれば、なおさら、うるさく言うこともなさそうですね。昨日、おとといと、自由参加ですが、朝練を寝坊してしまいました。私も。遅くまでメールしていて、だから子供の事えらそうに言えません!ついでに、娘も生まれて初めてに近い遅刻をしました。いつもは、運よく間に合っていましたが、昨日ばかりはそれも通用せず、朝テストが8時10分〜30分まであるのに、到着したのが35分だったらしいです。もう起こしていませんよ。死ぬわけでもないし、それでいいと腹をくくりました(おおげさですね。へへ。)2人とも、入学以来、とてもはりきっていましたが、疲れと慣れがでてきましたね。遅刻したことがショックだったようですが、それの対処があまりできていない状況です。娘は今日もギリギリでした。少しずつ修正していけるよう、考えさせる言葉を、こちらもじっくりと考えながらつきあってみようかと思います。

 それと、授業中(田口注:私の早朝授業中のことです)に、息子のお友達(朝練へ一緒に行っている)のお母さんから「雨で、朝練ないよね。うちの子まだ寝ているけど、今日の朝練行くの?起こそうかどうか、迷っているんだけれど、、。」と電話がありました。そちらに聞こえたかもしれませんが、恥ずかしいですが、、「本人を起こしてどうするか、聞いたほうがいいよ!」と返事したのかな。まさに、先回りして親が決めるとはこのことですね。自分のことなのに、、。この子ともう一人の子は、昨日は塾で10時、再テストで残されると11時以降になるそうで、疲れていてかわいそうだから、と配慮してしまったようです。視点にもこのようなこと書いておられましたね。いつも言っておられるように、小さなことがやがて大きな差になっていくのも予想できるようになってきました。違いがわかるって、すご〜い!おもしろい!!意識化ってなんだろう??って去年は思っていましたが、このことなんですね。

 なでしこさんは、こちらもいろいろと勉強をさせられます。
 なでしこさんには、先日、別のメールでのやりとりで、かかわりについて、私の意見を添えました。わかったと思ったとき、実はわかっていなかったというのが、この子供とのかかわりというもので、基本的に、付け焼刃なものは、見透かされてしまいます。見透かすと、子供のほうは、それに、「おぶさる」か、しらけて、やる気をなくしてくるか、そのどちらかであることが多いと思います。なでしこさんも、いつぞや、ご主人と、作戦を考えているとのメールをいただいたので、心配して、見透かされる危険を知らせるメールを送らせていただいたわけです。
 「作戦」という言葉に、少し危険性を感じたものですから、、。
 常々感じているのですが、子供の成長は親の「成長」に比例しているようなところがあるようなのです。もとより、それをサポートして差し上げるのも、私の大きな役割のひとつと思っています。私が厳しくお母さんがたに指摘しているイメージをもたれている方もおられるかもしれませんが、むしろ、私は、一般の教師よりもやさしいと思っています。私はご家庭にも「補助輪」であろうと思っています。下(次回の書き込み)の「なでしこ」さんの娘さんのがんばりようをみてもわかるように、子供の学力は性格と不可分(分けられない)と思われるところも、どうしてもあるものですから、、。
 ご両親のどちらかが「子供には、強く言ってみたり、おだてたり、押したり引いたりしてみたのですが、、、」みたいな話をされるのを聞いたりするのですが、そういうとき、とてもやる気になってくれた子が、もう勉強したくないというくらいやる気をなくしてしまったり、、。これは実際にあったことなのです。子供は親の心を見透かし、ただただ、「こうるさい」存在にしか見えず、次第に心のそこから、勉強おもしろい、とか、自分の今を何とかしなければ、とか、いう思い(いわば、勉強そのもの、自分そのものに関心を持つという感じ)をなえさせていくのでしょう。
 どうして子供さんと「かけひき」をされるのでしょう。見透かされてしまうのではないですか?もし、ご自身が、そのような「かけひき」を親からされたとき、どう思うか、それを想像力を働かせて考える必要が、きっと、あるかと思うのですが、、。
 私のホームページをお読みになり、皆さんも、必要があると思われたら、いろいろ考えをめぐらせてくださいね。でも、誰も思いと行動の間にはタイムラグ(時間の遅れ。つまり、すぐに変わらないこと)があるので、そのことも、お忘れなく、、。ご自身はもとより、子供さんの変化にも、ときに、タイムラグがあります。物の考えが血や肉のようになるまで、タイムラグが、、。

2007年8月1日 15:38:06
 上の「なでしこ」さんからのメールのうち、ほんのごく一部にかんして、フォローのメールがありましたので、加えさせていただきますね。もちろん、なでしこさんご本人から、、。

 それと、娘のことをちょっこっとだけ。視点 P26に掲載された私のメールを、今改めて読ませていただくと、まるで娘が遅刻魔のようで、かわいそだなぁ〜って思ってしまいました。あんなに酷い遅刻は、今のところあれ1回だけです。で、確かに朝、今でも家をバタバタと出ていく傾向にありますが、それでも
学校へはいつも早めについているようです。「その時は、、」ということで、前後のメールがないのでしかたないのですが、朝がきちんと起きれないお寝坊さんのようなイメージになっていないでしょうか?絶対に起こさないよ!とこちらがそれを通すと、諦めたのか自分で起きようという意識がつよくなってきたようです。期末テストの時なんかは、間に合わなくて2時に寝て6時半に飛び起きていました。以前では考えられないようなことです。その時も、「ぜっーたいに起こさないからね!」とつっぱねました私。なので、娘の名誉のためにも、そこらへんのことを書き添えていただけないでしょうか?急いでいません。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします

 あのメールを読まれて、娘さんが遅刻魔のように見えた方はいらっしゃらないかと思いますが、でも、娘さんの名誉のために、ということでしょう。
 ぎりぎりであろうと、何であろうと、自分でおきていけるというところに、娘さんの成長を感じるべきでしょう。私は感心していますよ。お母さんにも本人にも、、。というか、この前、本人からファクスしていただいた成績、びっくりするほどすごいですね。娘さんの変貌ぶりに驚くばかりです。成績を公開したら(もちろんそんなことしませんが)、皆さんも目が飛び出るほど驚くことでしょう。ついでに中学のときの成績と比べたら、、。そのくらいすごい成長ぶりなのです。
 時々いただく、娘さんからのメールにも、とても勢いを感じます。私の魔法がずいぶん遅れてかかったけど、その分、しっかりかかってしまったみたいですね。すぐに、変わらない子もいずれかわったりします。それを、そのタイムラグを、どうこちらは見つめられるかなんですけどね、問題は、、。

 さて、「子供の状況に親があわせていく」ということに関して、私も少し説明しておいたほうがいいかもしれませんね。
 これは、けっして子供に迎合(げいごう)する、つまり、
子供の言いなりになるということではありません。むしろ、逆である場合のほうが多いかもしれません。子供の置かれている状況、子供の心の状況を、想像力を働かせて(ひとりよがりのものでしたら、逆効果かもしれませんが)、読み取り、その上でかかわってあげるということです。家庭教師、というか、教師というのは、想像力によって、表現の下手な子供の心を読み取ってあげる、そういう視点をぜひもつ必要があるかと思います(「私はできている」って?かも知れません。でも、念のため下をお読みくださいね)。
 ご参考までに申しあげますと、そういう時、教師としてのプライド、大人としてのプライドは、子供の心の動きを知る上で妨げになるくらいに思われてたほうがいいかと思います。仕事をする上で、私たちのプライドなんぞは何の役にも立ちません。むしろ、ないほうがいいでしょう。多くの「難しい」子(私が難しいと思う子は少ないですが)は、プライドからものをいう私たちよりも、私たちの人間性に反応すると思うべきでしょう。
 想像力とは、たとえば、無口な子が今どういう思いで、机に、あるいは、パソコンのホワイトボードに向かっているかを想像してあげるということです。これは、簡単のようで、難しいことなのかもしれません。多弁(たべん、おしゃべりのこと)な子であろうと、無口な子であろうと、自分の心を表現するのが苦手な子は多いです。私たちは出来るだけ、子供たちのちょっとした反応から、子供の心の動きを読み取ってあげることが必要だと思います。なれていないと、多少難しいところがあるかもしれません。時々、ほかの家庭教師の方々などからのご相談をいただいたりすると、どうも、読み取れていないのでは、と思われることがよくあるものですから、、。
 ただ、できるだけ正確に読み取る努力はぜひ必要かと思っています。正確に読み取ってあげれば、あとは、どうすればよいのかは、おのずとはっきりしてくると思います。厳しくいうにしろ、やさしく言うにしろ、、。というか、厳しいか、やさしいかは、たいした問題ではないんですね。要は、心に響くかどうかです。

 少なくとも、子供の心の動きよりも、自分の気持ち、思い、プライドみたいなものを基準に子供に接していないか、を考えるだけでも、ずいぶん違うと思います。ときに、子供は、私たちを馬鹿にしたような行動をとります。でも、それが、本当に「馬鹿にしたい」という思いからくるかというと、これは別問題だと思います。で、「親を馬鹿にしやがって」「先生を馬鹿にしやがって」という、いわば自分たちの「プライド」を、つまり、自分たちの心だけを考えて、自分たちの視点からだけ考えて、怒ったり、しかりつけたりするとしたら、おそらく、子供は、理解してもらえない失望感を感じ続けることでしょう。
 私たちが、子供に並べる理屈の後ろには、もしかしたら、「プライド」が潜んでいるかもしれません。そういう視点でじっくり見つめるということも大事かと思います。
 こういう私自身も、自分のプライドがもたげてくるときがあって、「だめだめ」とこれを押さえ込んでいる自分に気づいたりすることがあります。人様のことばかり言えないのですけどね。
 理解してもらえないときの失望感、それも、反抗、反発の理由のひとつであると思います。「認識が甘い」と思われるのでしたら、その認識を本人にわかるように、本人の興味に合わせて、随時説明してあげればいいのだと思います。これが、実は難しいようで、私の妻などは、平気で「(子供に)いっても聞かない」などといいます。私が、子供の心に沿って、説明していないということを具体的に示すまでは、「自分のどこが悪いの」という感じです。具体例はいずれ書かせていただきますね。この「視点」の家庭教師田口の視点(1ページ目)あたりにも、具体例を載せていますが、あとで、もう少し、いくつかあげてみますね。

2007年8月23日 9:09:25
 そういえば、掲示板3はものすごく熱のはいったやりとりをされていますね。熱が入りすぎて、ひんしゅく(?)を買っているような方もおられるようですが、それはそれで、掲示板が「生き生きしている」証拠でしょう。皆さんも一度お越しください。そこでの皆さんの発言を踏まえて、私も、ここで、ご参考になるようなお話もしていきたいと思っています。誰でも、気軽に読めて、でも、内容の質を落とさない、ということは、私がいつも心がけていることで、それは、誰かからの知識の受け売りではなくて、自分自身の経験に基づいた自分自身の言葉で発することによって、実現するものと思っています。

 さて、いよいよ、本題「牛の話」しましょう。もう、今までが「牛の話」の「前ふり」(といっても、大事なお話のつもりですが)ということも忘れておられる方もいらっしゃるでしょう。あまりにも、「前ふり」が長かったので、、。もっとも脱線ばかりの「前ふり」でしたが、決して、むだな脱線ではなかったつもりでおります。

 皆さんは、牛乳はお好きですか?私は好きですが、飲むとおなかがゴロゴロしだすので、最近は飲まずにいます。このゴロゴロが通常ないのが、「無殺菌牛乳」らしいんです。しかも、当然のことながら、牛乳本来の、しぼりたてに近い味なので、おいしいらしいのです。
 むかし、日曜日の午後6時30分からのTV番組「夢の扉」で、紹介されていたのですが、確か、北海道に、殺菌をしない牛乳を製造販売をされている方がいらっしゃったんですね。で、どうも通常の常識では、殺菌をしない牛乳を販売することは、無理であるそうです。で、この方は、それに挑戦して、殺菌する必要のない、本来の味を持った牛乳を製造し、販売することに成功されたらしいのです。
 http://www.omoiyari.com/あたりから、このあたり、お調べになったら、無殺菌牛乳の難しさをご理解いただけるかと思います。この牛乳、誰でも、取り組めるような代物(しろもの)ではないようです。日本で唯一ということのようですから、、、。

 私は、教える専門家でありますが、牛乳を作る専門家ではないので、よくわからないのですが、肥料から小屋の完全清潔化まで、ものすごい努力を伴うようです。専門家の、自分たちの能力の限界を超えようとする執念みたいなもの、しかも、その「高み」を維持しようとする試みに、共感を感じるものです。そのあたりのご苦労は、http://www.omoiyari.com/あたりをご覧になる中で、皆さんご確認ください。私が、ここで、記したいのは、実は、そういうことではありません。

 私が記したいのは、その牛に対する大変なかかわりのひとつとして、寝ている牛を起こす起こし方の工夫なんです。いや、工夫といえるものか、わかりません。確か、長い木の棒で、コンコンとほんの軽くたたく(「触る」に近い「たたく」)という起こし方なんですね。ただそれだけ。そんなんでおきるかというくらいの起こし方なんですけど、それでおきるんですね、牛は、、。
 ボーっとして、何も考えていないような牛ですけど、結構ナイーブなわけです。人間の子供にも、ときに、同じことが言えることもありそうですね。
 そのようにゆっくり、静かに起こす理由は、きつく起こすと、牛は、ストレスを感じ、それがひいては牛乳の菌の量の多さとなって跳ね返ってくるからだそうなんです。もちろん菌が多いと無殺菌牛乳はできない。
 ストレスは、体の抵抗力を低くしてしまう、というのは、皆さん、大方ご存知ですよね。で、牛って、ちょっとでも強くたたくと、雑菌が増えてしまうなんて、ずいぶん繊細だな、という気がしています。でも、私は、人間にも、多かれ少なかれ、作用する原理だと思っているんです。

 これを聞いて、まさに子供とのかかわりもこれだな、と妙に納得したようなものを感じたりもしました。牛を強めにたたいて起こすのは、子供に勉強しろ、と始終、しつこめにいうのと似ていませんでしょうか?だって、いわなきゃやらないんですもん、ですか?では、このあとをお読みくださいね。
 もちろん、子供にストレスを与えることは、ストレスに強くなる、という意味からすると、大事かと思いますが、それは、親が自ら与えなくても、さまざまな「現実」にぶち当たる中で、自然と身についてくるように思われます。で、問題なのは、それが合理的なストレス、必要のあるストレスかということです。たとえば、1度いえば十分子供に通じたはずの言葉も、2度、3度、4度と重なってくると、これは、不必要な、過剰なものとなり、これまた不必要なストレスの原因になるわけです。また、そのプレッシャーも、子供にとって、わかりやすい、首尾一貫したもの、合理的なものでしたら、おそらく、そんなに悪い作用はしないようにも思うんですが、そうでない、子供から見たら、不合理なものも結構あったりするのではないでしょうか?
 で、おそらくは子供から「うるさいなあ」という反応がきたら、それは過剰に不必要にストレスを与えている可能性があるといえるかもしれません。「うるさいなあ」って、こういうふうに反応してくれる子は、ありがたいですね。牛でしたら、こういうふうに、わかりやすく反応してくれませんから、問題点が見えにくくなるわけです。

 で、先ほどの牛乳の話にもどりますが、ストレスをうけた牛は、そこから雑菌の多い牛乳をだす、という事実は、私たち人間に置き換えてみた場合、どう考えるかです。納得いくストレスは、だれでも結構耐えることができます。でも、納得のいかないストレス、不必要なストレスは、子供にいらぬこと(たとえば、勉強に専念する以外のこと)を考えさせ、子供の自然治癒力、体内の菌に対する抵抗力を失わせ、子供の心身の自然な成長を奪わせかねないということも感じるんです。つまり、体、頭がうまく機能しなくなったりする可能性もあるということです。まさに、牛に雑菌が増えるというのと、同じ原理が働いていそうですね。で、親である私たちは、子供のふがいなさに、さらにプレッシャーをかけたくなる、、。これは、悪循環で、しかも子供の能力を低下させるための悪循環といえるでしょう。(つづく)
 
2007年9月10日 7:23:04
 先ほど(早朝)、訃報がありました。私の教え子の、私をとても慕っていた子(例の、お母さんの反対にもかかわらず、私の授業を受けようとした子。私にはいつも素直で、いつもいい子でした。私にとっては、宝物みたいな子でした。「うるうる」の子といったほうが分かりがいいでしょうか)です。車(暴走車)に引かれて、30メートル飛ばされたそうです。悲しいです。とても、、。電話の先で、お母さん泣きじゃくっておられました。私は、聞いた直後、「えっ」と声を出すばかりで、心の整理がつきかねました。今、これを書きながら、私も涙が止まりません。彼女が立派な看護師さんになることを楽しみにしていたのに、、。昨日の夜7時ごろ車に引かれ、9時ごろなくなったそうです。ただただ悲しいです。今までの彼女の人生はなんだったのか?高校2年生の若さでなくなってしまうなんて、、。おとなしいけど、しんの強い子でした。お母さんは「信じられない」を繰り返してられました。私も信じられません。もう彼女は、パソコンの先にはいないのでしょう。かつてはお母さんの反対にもかかわらず、私の前にいてくれたくらいの子が、もう、、。
 今涙が止まりません。涙が止まりません。








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