家庭教師田口の視点(25ページ目)



2007年5月22日 7:12:22
 そういえば、最近は、同業の家庭教師の皆さん、ぷぅこさんのような塾経営者の方の中にも、私のホームページのファンになってくださっているらしい方々がいることも、とてもうれしいです。同業者の方々から、評価をいただくのが、私にとってもっとも光栄なことといえるでしょう。私の訴えていることに、教育を仕事とされている方々も共鳴してくださっていることを意味しているのですから、、。熱心にお読みいただき、掲示板にも、いろいろ書き込まれ、感謝しています。ありがとうございます。
 さて、今日からは、今まで、質問しっぱなしで、答えてこなかったいくつかの事に関して、一挙にお答えしていこうかと思っています。というのも、いつか、お答えできると思って放置していたものが、4,5個ほどあり、何かの折に、触れることができるだろう、と思っていたのですが、いつまでたっても、そういう機会が、どのひとつに関しても、おとずれることが、今のところ、ないためです。まあ、そのまま、何年間か「しおづけ」にしておくのも、皆さんが想像をたくましくするのに、いいかなと思いつつ、そろそろかと、、。ただし、私は、書きたいと思う(皆さんに、今読んでいただきたいと思う)ことを優先するというスタンスも捨てたくないので、長い目で見てくださいね。

2007年5月24日 12:44:25
 なでしこさん掲示板にいろいろ書かれていますね。いろいろと参考になる話もあるかと思います。子供さんとかかわられる上で、、。私も、なでしこさんご自身と娘さんの変わりように、驚くほどです。
 前にも書きましたが、私は、なでしこさんの娘さんを、いまは、教えていません。いつか、教えて、といってくるかもしれませんが、教えなくてすむ状態になってくれれば、これほど、教えていた人間としてうれしいことはありません
 娘さんの大きな瞳が輝いているような、楽しい書き込みです。昔、なでしこさんが、娘さんに悩んでられたころの書き込みも、古い書き込みをたぐっていかれたら、見ることができるかと思います。あわせて、ご覧になると、変化をよりイメージできるかと思います。
 もちろん、どなたの書き込みも大歓迎です。簡単なご感想でも、、。なでしこさんや私たちに対するご質問でも、、。

2007年6月7日 15:10:35
 
 さて、まずは、「家族団らん」についての私の意見を書きましょう。むか〜し、皆さんに、「家族団らんはどのくらい必要だと思いますか?」という質問をしたまま、終えてしまいましたね。17ぺージで触れています(田口の視点・もくじで確認しました。なるほど、こういうの(目次みたいなの)あると便利ですね。ぷぅこさんのご苦労のおかげです。感謝!)が、もう8ページも前のことなのですね。
 結論から言いますと、家族団らんは無理して作るものではない、というのが私の感想です。さらに突き詰めれば、親ががんばってセットする家族団らんは、ゼロ(なし)でもかまわないとさえいえるかと思います。これは、私の視点から、というよりも、子供の視点から、そういえると、確信しています。時間があれば、何か団らんに相当するものを、お考えになってもいいですが、それも、子供が乗り気かどうか、を確認することでしょう。
 というのも、そういう類(たぐい)の団らんに対して影で「親が言うから仕方ない」とか、すごい子では、「親のいうことを聞いてあげるのも、子供の務めですよ」みたいなことをいっている子もいたり、妙にわかったようなことをいう子が、意外に多かったものですから、、。このすごい子のうち、ある子のお母さんは、とても怖いお母さんで、本人がその前で、異様におとなしかったのも覚えています。また、いままで、何かに熱中した記憶がないというのも、彼のよく言うせりふでした。かといって、彼がそれをいやだとか、もがいているふしもないのが、妙に、印象的でした。なぜこうもさめているのだろう?教育を業としているものにとって、これほど深刻に見えるものは、実は、ないのですが、、。
 おそらくは、親御さんは、子供のために良かれと思って、団らんをセットされているのでしょうが、一方で、こういう冷静に親に合わせる子というのを、私は、あくまで勉強という観点からですが、危険に思ったりしています。実際、その子たちの共通点は、勉強に対して、やる気がないように見える、ということです。親がいうから、借りてきた猫のように、それに合わせる、という子に共通した感覚のように思います。
 先日も、一人できちんと勉強できないとお母さんが嘆かれているお宅があったのですが、その子のスケジュールを組もうとしたとき、「お父さんの休日」を理由に、私のスケジュールを休みたい旨連絡をいただいたというのがあります。あるいは、親戚が来るから、休みたいというお宅もあります。実は、このあたりに危険性が潜んでいるのですけどね。私は、危険性を指摘しつつ、そのご家庭のご意向には、必ず従うことにしています。なぜなら、私のいうような視点から、こういう物事を考えられたことがなかったでしょうし、大体私がこうしたほうが、といったところで、そうそうは、決めたことがくつがえらない場合も多いと思っていますので、、。
 私は、パソコンで教えているお宅でしたら、親戚の方が来られても、問題なく教えることが可能ですし、本人も、そういう状況でも、何とか勉強できるよう、工夫することをまず考えるべきでしょう。少なくとも、親御さんは、工夫の余地を与えるべきかと思います。親御さん自ら、一見難しい状況も、何とか、工夫して乗り越えられるものだということを、難しそうに見えることほど、示せば、本人によい影響を与えうるとさえ思っています。
 たとえば、親戚の方にも、そのあたりの本人の厳しい状況なりを伝えられたら、むしろ、その子の勉強に何らかの「応援」をしてくださると思っています。一見マイナスの状況も、知恵を使えば、プラスに転化しうるということを、私たちは、人生観として、教育観として、もつべきでしょう。そして、身をもって、子供に伝えるべきでしょう。もっとも、伝え方が難しいのでしょうが、、。ほんのちょっとした価値観の差が、やがて大きな行動の差になって現れる、というのを、私は、常々、確認してきています。私は、ある意味で、私のよいと思う価値観を、本人が心地よいと思う形で、つまり押し付けでなく、植えつけている作業をしているともいえるでしょう。

2007年6月15日 10:41:37
 前の補足をしますと、私の価値観を植え付ける(後で見直してみると、あまりいい表現ではないかもしれませんね。「私の価値観を本人と共有する」といったほうが適切かもしれません)ということも、学年が上がるにつれて、一般に、かかわりが難しくなります。どなたかを拒否するということはありません(浪人生でも、社会人でも喜んでお引き受けいたします)が、できるだけ、早い時期に、と皆さんに訴えかけているのも、そういうことからです。
 正直、私でも、信じられないほど(この子は人間かと思われるほど)、ひどい勉強態度を変えるのに、1年半かかった、という子もいます。その間、私も、言い尽くせないほど、不愉快な思い(その子を教えることを思うだけで、憂鬱(ゆううつ)になることもありました。もっとも、ものの見方を変えたら、その憂鬱も消えましたが、、)を、何度も味わわされてきましたし、ご両親は、私以上につらかったかと思います。その証拠に、いつも送られてくるメールに「申し訳ありません」がついていました。
 私は、お母さんを励ますつもりでもなく、正直に、「お母さんが申し訳ないと思われる必要はありません。むしろ、申し訳ないと思われてはいけません」というようなことを書かせていただきました。第一、こんなくらいで、お母さんが、心を悩まされていたら、先々もっと大変な事態が続くと予想されるのを、持ちこたえることができないかもしれないからです。これは、事実励ましでもなんでもなく、これから大変な闘いにのぞむにあたっての、心のありようとして、きわめて大事なことだと思っていました。私は、覚悟してのぞんでいるので、それよりも大事なのは、お母さんが、私への気遣(づか)いにエネルギーをあまり使わないということが必要であろうと思っていたんです。私に気遣いされるほど、事態は余裕のある状況ではありませんでした。
 普通の子に対するのと、ほぼ正反対の、でも、冷静さだけを失わないようにというところは、基本として変えず、のぞんだ、という感じでしょうか?私は、子供によって、180度違う姿勢でのぞむということも平気でします。子供をみて、観察して、時に、2,3ヶ月でも観察して、これと思ったときに、思い切って、行動に踏み出す、というのは、深刻な子の場合は、よくすることです。普通の子ですることは、まずありませんが、、。
 大体の子は、私の「魔法」に、多かれ少なかれ、かかってくれます。
 その子が、だんだんよくなっていくのを確認して、皆さんのご参考になるように、メールのやりとり、一部、公開させてもらってよろしいでしょうか?と、お母さんにお聞きしたときは、消極的なご返答しかいただけませんでした。ですから、皆さんには、具体的には公開できないのですけどね。(私は、当たり前のことですが、皆さんの承諾なしに、ホームページに載せることはありません)
 で、その消極的メールの最後に、「皆さんに申し訳ない」と一言ありました。そのお母さんの誠実さ、つらさが伝わってきますね。私は、この言葉に、2つの意味を感じ取りました。ひとつは、ご自分のお子さんのひどさに、親の能力を皆さんから、問われるのではないか、とお母さんが恐れられたということです。もうひとつは、私の時間を、こんな自分の子が占領してしまって申し訳ない、というお気持ちです。今までずいぶん長いメールのやりとりをしてきたので、すぐに浮かんだことがこの2つでした。いずれにせよ、お母さんの悩みの深さ、誠実さが伝わってきます。私は、このホームページをここまで読まれてきた方に、そのように批判的に読まれる方はいらっしゃらないと思うのですが、、。私自身が気にかけることといえば、以前ポーさんの娘さんを教えていたときのように、娘さんが、たとえば学校を突然やめるという事態になったりして、「私を突然やめる」ということになるケースが多いということです。性格が不安定な子が多く、私自身も、ある程度覚悟していることではありますが、この仕事をしていて、突然やめられるのは、何度経験してもつらいです。ご家庭のせいとも思えないので、また、私の常に心がけている心得として、どんな事情にしろ、「いざとなったらやめやすい家庭教師」を目指していますので、快く応じるようにはしていますが(いっておきますが、普通のお宅でやめるお宅はすくないですよ!)、、。
 先ほどの子に戻りますが、私自身、もっと早く教えていたら、と、この、行動においても、学力においても、私が、珍しく知的障害ではないか、と疑った子(本来私は、お医者さんが「知的障害」のレッテルを貼っても、「違うのでは」と申しあげるほどの人間です)も、「普通の子」として、勉強に興味を持ってくれたのではないかと思ったりもしています。失礼ながら、時に、「獰猛(どうもう)な動物(本当に失礼!)」にさえ見えた子が、やっと人間になったか、という感じでいます。人間そうすぐに変わらない、と覚悟している私は、まだ、ひと波乱ふた波乱あることを覚悟していますが、、。むしろ、1年半でここまできたのは、できすぎという感じさえしています。私の能力のすべてが問われる子でした。そして今後も、、。
 最近、化学を教えてくれ、と別の時間に特別授業を、ご両親にいわれてでなく、自分のほうから、希望してきました。学力はまだまだ「知的障害レベル」(代入ということを理解させるのに、とても苦労しました。それで、程度のほどをご理解いただけるでしょう)ですが、意欲は、ほかの子並みに戻ってきたようです。私は、京大や国立大医に受かったような子も全教科教えてきていますが、その一方で、こういう子(オール1レベルの子)も平気で教えています。落差が激しいですが、いずれも、教える職人としての私の能力を高めてくれる肥やしになると思っています。よく、塾を開けないから、仕方なしに家庭教師をやっているみたいな話も聞きますが、私には、家庭教師のほうが、難しい、奥深いところも多分にあると思っています。片手間でやれるような、中途半端な気持ちでやれるような仕事ではないと思えてなりません。
 その子とのかかわりの中で、私が、皆さんにもっとも誇れるのは、どんなときも、その子は、私を休まなかったということです。当たり前のことですが、私は、何よりも「教える職人」みたいなもので、私の授業自身は、その子にとって、なくてはならないものに、なったと思っています。
 私は、たいていの子でしたら、教えるだけで、やる気にさせる自信があります。ですから、私は、「私が教えて、その直後の本人の顔をみられたら、私の能力をわかっていただけると思います」みたいな事を、たとえば、体験で教える前に、申しあげたりしています。私が教えている子のお母さんがたには、「うん、うん」とうなづいてくださる方も多いことでしょう。あれこれ申しあげるより、これ(つまり実際に教えること)が一番私の能力をわかっていただけると思っているものですから、、。
 いやに自信持ってますね、ですって?私は、家庭教師という職人です。「家庭教師馬鹿」なんです。ほかの能力はともかく、この能力に関しては、ゆずれない、という思いをいだいて、この仕事をしているわけです。

2007年6月24日 13:33:37
 これまた、ずーっとほうっておいた「牛のお話」を次に、させていただこうか、と思ったのですが、その前に、「私および私のホームページのの使い方」、という観点からお話しましょう。私の使い方に、特に、これがいい、というものなどないんですけどね。とりあえず、あるお母さんからのメールを載せさせていただくところから始めますね。私および私のホームページは、いろんなお母さんがいろんな形で、活用されています。その例を載せながら、私のコメントも入れさせていただきます。私をほかの方がどう使われているか、皆さんもご興味があることでしょう。
 下のメールは、あるお母さんが、掲示板で、にゃっきさんに、書き込もうとされて、結局、私に託されたメールです。牛の話とも、少し関係があります。
 いっておきますが、これは私自身の宣伝ではありません。このお母さんもそれを意図(いと)されて、書かれたものでもありません。あくまで、あくまで、私および私のホームページをどう使いこなしている人がいるか、こういう観点から、ご覧ください。少なくとも、私のホームページは、私の書きたいことの100分の1、1000分の1くらいしか載っていませんが、すでに、皆さんのご参考に十分なりうるエッセンスを持ちえていると思っています。私のホームページには、皆さんが、よくお読みになってくだされば、「家庭教師馬鹿」のエッセンスが詰まっていると思っています。
 では、とりあえず、この方から、、。

にゃっきさんにアドバイスできる人間なのか?みたいな不安があります。

掲示板に書こうか、と何度か思いました。ですが、なかなかできそうにありません。
すみません。
 
このメールの転送はどうでしょうか?だめかな?余計に気にしちゃうかな?
 
私は中3の受験の年4月、無理やり娘を塾に行かせました。親の私の焦りからです。
長女は11月以降ほとんど塾に行かなくなりました。本人が無駄だと思い始めたのでしょう。
(最初から無駄だと思っていたが、我慢も限界だった)でも私は行かせようとしました。
彼女は拒否し続けました。私は彼女の邪魔をしてしまったのです。結局は。
壁いっぱいに私立の過去問を解いた解答用紙が貼り付けてあるのを見て、親である自分が何をしているのか、と気がつきました。
ですから、無理に本人の望まないことは、私はもうしません。したくありません。
 
この間読んだ本にも、「親の枠にはめてはいけない」とありました。自分のしてきたこと
は、その「枠」に入れようとしたことです。今はこの過ちを繰り返したくありません。
 
私どもは「数学を考える頭を磨いていただいてる」と夫婦でよく話します。点数を取らせていただいているとは思っていません。磨いていただいて、それを彼女が大切にした結果だと思っています。ただ大切にして頑張っていたのにうまく行かない事もあります。それを詰め寄ると行動は止まってしまう子なので、していません。(やめました。)
 
中学1年の3学期からお世話になり、今高校2年です。彼女のセンスは田口先生にもらったものです。
それを彼女は大切にしているようです。
学校の授業で納得いかない解答だと職員室まで先生を追いかける、と言っていました。
(最初からそういう子ではありません。最近のことです。)
田口先生に教わったやりかたに間違いは無い!という自信があるのでしょう。
たまに娘のプリントをみかけると「こんな難しい事ができるようになったんだなー」
と主人はぼそっと言う時があります。
何度へこたれても起き上がれる娘に成長していることもうれしく思います。
師匠のように慕っている田口先生についていく娘を後からみている。そんな感じです。
娘が「田口先生の予言はすごいんだ、よく当たる。だから信頼してると。」
あまり意味がわかりませんが、、、、彼女の口から信頼していると聞いたのは初めてです。

2007年6月29日 7:12:39
 今教えている子で、上のお母さんからご紹介いただいた(こういうのが一番うれしいです。弟さん、妹さんも教えてほしいなんていわれても、ついにっこりしてしまいます。もっとも緊張も相変わらずしますが、、)子がいるのですが、とても礼儀正しく利発な子なんですね。で、教え始めたとき、英語がとても苦手だというんです。こんなに勘のいい子がどうして英語が苦手なのか理解できなかったんですけど、教えてみたら、本当に英語の基礎がわかっていない。現在進行形とかわかっていない、否定文がわからないとかいう具合で、とても深刻でした。いろいろ聞いてみると、中1中2で教えてもらった英語の先生の教え方がわるく、それが影を落としているらしかったんです。こんな賢い子まで、「できない子」にしてしまうんだと思うと、教育の恐ろしさを感じます。で、努力家で、がんばりやさんであるせいか、2,3回教えたら、もう普通の子なみの理解に達しましたけど、、。きっと、いままで苦しんできたのでしょうね。それを思うと、心が痛みます。
 一方、なでしこさんの娘さんは、絶好調で、得意の社会はもとより、もともと苦手だった数学でトップクラスの点を取り、私(本人自身もお母さんも)を驚かせています。私が教えていないのに、ですよ。上のメールのお宅の娘さんもとてもいい点をとり、クラスの子達を驚かせたらしいです。変われば変わるものだというのが、私の実感です。
 「賢さ」と「できの悪さ」は紙一重(かみひとえ)ではないかと私は常々感じているのですが、その差はどういうところから生まれるのか、「牛の話」を交えて考えていきましょう。

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