家庭教師田口の視点(147ページ目)
(ぜひ、楽しむようにお読みくださいね。いい知恵をもらった、という具合に、、。目が疲れるというような方は、プリントアウトされてから、お読みください。無理をされませんよう)
2019年12月2日(月)
京大に受かった子の一人で、私が教え始めたころ情報収集に余念のなかった子のお話のつづきです。
私が教え始めたとき、彼の京大合格可能性がEだったということは、どんなに賢い子でも、同じような状況になりうるということを示していると思います。
逆に言いますと、伸び悩んでいる子も、行動を変えたら、また、わからないというというところをすべてすっきりさせたら、多くが、全く違う状況になりうるということを示しているように思います。
彼が問題だったと私が感じたところをこれまでに、2点指摘したかと思いますが、それをもう一度書き出しますと、テキストをいっぱい持ちすぎる(あるいは、問題の量を意識しすぎて、質を意識しない)、1時間勉強したら10分休むという感じで、時間を区切って勉強するという勉強の仕方をしていた、というところですね。
問題の量を意識しすぎて、質を意識しないに関しては、そういえば、面白いエピソードがあります。
もうすでに、彼は京大A判定になっていた、受験直前の11月のころのお話です。彼から、こんな質問をされました。
「もうすべてテキストや模擬テストの復習を終えて、勉強するところがなくなったのですが、どうしましょう?」
私は、こう答えました。
「君は、今までがんばってやってきた結果、A判定になったのだから、ほかには手を出さず、それをすべて復習しなおすのがいいと思うよ」
で、彼は復習しなおしました。そうしてみて、彼から出た言葉が、
「復習してみたら、またわからないところがいっぱい出てきました。そういうものなのですね」
みたいな感じでした。で、私に再度質問してきたところもありました。
A判定になっても、なお、わからないというところがある、というのは不思議ですが、多くの子が、実はこういう感じなのです。(つづく)
2019年12月5日(木)
視点余話です。
最近、NHKの「みんなのうた」で出会った歌で、とても素敵なのがありました。
藤田麻衣子さんという方の「wish~キボウ~」という歌です。
その出だしの言葉
「誰かが言った
希望はあなたを捨てないと
あなたが希望を捨てるのだと」
にいきなり心を揺さぶられました。
私の好きな言葉に
「夜のあける前が一番暗い」
というような言葉がありますが、自分が絶望的な状況におちいったとき、心を支える言葉を持てることはとてもとても大事なことですね!
おそらく、どんな人も一度は絶望的な状況におちいったことはあるでしょう。あるいは、いずれおちいることになるかもしれません。
こういうときこそ、自分の心を強くしてくれるものを持てる、たった1行の、あるは数行の言葉が大きな意味を持ってくるのでしょうね。
そうして、私たちは心の豊かさと厚みを持っていくのだと思います。
藤田麻衣子さんのこの歌、紅白歌合戦で歌われてもいい歌ですね。とてもきれいな歌声でもあります。
2019年12月9日(月)
ところで、皆さんは、ゲームはなぜ楽しいか、お考えになったことありますか?
私自身は、ネットでいわゆるゲームみたいなのをしたといえば、将棋くらいしか思いつかないのですが、でも、ゲームにのめりこむ、あるいは、ゲーム以外でも何かにのめりこむというのは、比較的する方で、たとえば、軽い気分で将棋をし始めて、気が付いたら、翌日の朝になっていたみたいなことは、以前よくありました。
朝になって、外が明るくなっているのに気づいて、アチャー!ってなって、反省するという、おろかなことをしていたことが繰り返されていたことがあったのですね。
今は、そういう自分の「危険性」に気づいて、将棋に関しては、セーブするようにしています。この仕事に支障が出る可能性がありますし、体にもよくないですね。
でも、こんなゲームにのめり込む感じで勉強できたらいいと思いませんか?
私は、勉強にものめりこむたちで、例の中学のとき、成績が「異常に」急上昇したとき、特にこの状態でした。何かおいしいものでも食べるかのように勉強にのめりこんだのを覚えています。学校で習ったことを家でノートにまとめなおすのが楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。
たとえば、社会は、ノートにボールペンで縦線を引いてしきり、学校で習ったことをまず左に書き、それを右にまとめなおすという感じで、そういうのを科目ごとに工夫していました。学校でしろと言われたわけでもなく、ただしたかったからです。その作業をすることを考えただけでうれしかったです。
ちょっと前まで、全然勉強しなかった人間だったんですけどね。
今でも、その中学のときの、不思議な気分、とても幸せな気分をたまに思い出すことがあります。
この仕事についたのも、自分自身がなぜそうなったかを分析したいというのもあるんです。(つづく)
そういえば、今朝メール見たら「チョコくれた子」さんから、単語の覚え方に関して質問が来てました。ありがとう!早速返答したけど、あれで大丈夫かな?テスト勉強大変でしょうけど、がんばってね!
2019年12月12日(木)
京大に受かった子の一人で、私が教え始めたころ情報収集に余念のなかった子のお話のつづきです。
彼に指摘した、3つ目の問題点は、一喜一憂するところでした。(誤解のないようお伝えしておきますが、私はこれらの問題点を一気に彼に伝えたわけではありません。伝えたほうがいいというタイミングを見計らって、伝えたという感じです。一度にいっぱい言われたら、やりにくいですよね)
彼は、模擬テストの成績を見て、上がったと思っては、喜び、あるいは、安心し、下がったと思っては落ち込んで、ということをしていたのですね。
上がったと言っては喜び、下がったと言っては、落ち込んで、というのは、いわば、成績表という紙切れの「情報」に振り回されているという状況ですよね。彼はそうして、全体のトレンドとして成績を下げる感じになっていったように思います。一喜一憂は成績をかえって下げうるのですね。
これは、私自身が学生のころとずいぶん違っていたような気がします。
また、私の教えてきた子に関して言いますと、成績の伸びている子の多くが、私の影響を受けているせいもあるかもしれませんが、模擬テストの成績みたいなものには強い興味を示さない(示さなかった)ようです。
じゃあ、そういう子は何に興味を持つかというと、たとえば、模擬テストであれば、それをきちんと復習して解けるようにしているか、というあたりですね。
考えてみたら、当たり前のことですが、自分の成績をいつまで眺めていても、成績が上がることはありません。成績を上げる原動力は、「問題をきちんと解けるようにしてあるか」というシンプルなものなのです。
そういえば、「平均から急激に進化」くん(家庭教師田口の視点(137ページ目)、家庭教師田口の視点(143ページ目)などで、ときどきとりあげています。ご参考に)は、宿題を出したところに関して、私が必ずチェックしてきたので、最初驚いたようです。お母さんのメールでそれを知って、私が今度は驚きましたけど。
ちなみに、子どもたちは、みな私のチェックを快く受け入れてくれますよ。なぜなら、私は彼らをけなさないからです。(つづく)
2019年12月16日(月)
ゲームがなぜ楽しいかのつづきです。
ゲームがなぜ楽しいかを分析することは、勉強がどうしたら楽しくなるかを考えるうえで、有力なヒントの1つを与えてくれると思います。
勉強には、やる気のない子があれだけゲームにはまるのは、熱中するのはなぜか、みたいなのは感じられたことのある方も多いのではないでしょうか?
私自身は、小さいころから、遊びと仕事、遊びと勉強を、あまり区別せずにいた(いる)ほうかと思います。中学時代、好きな将棋と同じくらい勉強に熱中しましたし、今この仕事をしていても、楽しいので、どんなに長時間教えていてもつらいと思ったことはありません。
最長は、おそらく14時間くらいぶっ続けで教えた、というあたりかと思いますが、体力的な疲れは感じましたが、そう快感のほうがまさっていたような記憶があります。好きだからできることでしょう。
どう教えたら、子供たちが集中するのかを考えるのも楽しくて仕方ありません。教え方次第で、かかわり方次第で、子供たちがガラッとかわって、がんばってくれるのを見るのも、とても快感です!
親御さんがそれをご覧になって、驚かれたり、喜ばれたりするのを確認するのもうれしいです!四六時中こんなことばかり考え、こんなことばかりして、あきたと感じたことは全くありません。それどころか、教えるのが楽しくて仕方ありません!
私が自分自身のことを「家庭教師ばか」と言っているのも、ひとつはそのあたりもあります。
じゃあ、どうすると、子どもたちは集中するのか?
そのヒントの1つは「補助輪」的教え方、かかわり方かと思います。ずっと前に、これ、「補助輪」についてはとりあげたことあります(どこかで読んだなあ、と思われた方もおられるかもしれませんね)が、ゲームがなぜ楽しいかにからめて、もう一度、さらに突っ込んで書き出してみましょう。(つづく)
2019年12月19日(木)
2019年12月23日(月)
2019年12月26日(木)
こういうことを書くと、「チョコくれた子」さんがお母さんにしかられてしまうかもしれませんが、彼女、最初の何分間か眠そうにしていることがあるんですよ。お母さん、しからないでくださいね。
で、こういう子でもしり上がりに集中していくようにもっていくのが私の仕事だと思っています。うつらうつらとして、でも、勉強せねば、という状況は、どなたでも経験あるのではないでしょうか?私もあります。
「チョコくれた子」さんに
「大丈夫?」
って聞くと、
「大丈夫」
って返ってくるので、彼女も必死に闘っているのですね。苦手な勉強と。そして眠気と。
私は怒ったりしません。
今までの私の、ここでの書き込みをご覧になった方はおわかりでしょうが、私は、塾やほかの家庭教師から見放されたり、あるいは、ひどいことを言われたりしてやめた、というような子もいっぱい教えてきました。
で、その子たちを教えて、集中する様子を見るのが好きでした。
「チョコくれた子」さんも、塾に行っても時間とお金のむだ、というようにお母さんが判断されて、私が教えるようになったのです。
塾へ行っても勉強が全然身についていないから、ということのようです。
じゃあ、頭が悪いか、やる気がないか、集中力がないか、というとそんなことはないです。仮にそう見えても、見えるだけです。
この子も含めて、私が教えて集中する様子を見て、あるいは感じて、驚かれるご両親は多いです。私は、どんな子でも集中しうるということを示してみせたいという、強い気持ちをもっています。私という「家庭教師バカ」は「教える職人」でもあるつもりです。
次回以降で具体的に書き出す「補助輪」的教え方、かかわり方は、そんな私が心がけていることの一つです。多くの場合、無意識に。
「補助輪」的教え方、かかわり方が体にしみついているという感じのほうが適切でしょうか?(つづく)
2019年12月30日(月)
集中できる授業は、どういうところから生まれるかといいますと、「教えすぎない」というあたりかと思います。
ゲームになぜ、子供たちが熱中するかというと、おもしろいからですね。
で、じゃあ、なぜおもしろいかというと、自由度が大きいということがひとつにあると思います。ゲームの中で、自分で判断して操作した結果が失敗に終わってひどい目にあったというのは、ゲームをした子たちは何度も経験していると思います。
でも、めげずにゲームにがんばるのですね。勉強だったら、すぐにめげる子も。
そのとき、あるいはその前に、だれかがが口出ししたりすると、子供たちは
「うるさい!」
と怒り出すかもしれません。少なくともうれしくはないでしょう。これは、子育て、子供たちへのかかわりの根本になるべき発想です。
勉強も同様で、
「あ、それはだめ」
「ちがう、ちがう」
と、本人が解いている最中に口出しされたら、
「うるさいなあ」
って思うのではないかと思います。
「うるさいなあ」
と、こういうときに言わない子は「良い子」ではありますが、「いい子」ではありません。(この「良い子」と「いい子」の区別は「平均から急激進化」くん(最近では家庭教師田口の視点(143ページ目)の最後の書き込みで触れています。家庭教師田口の視点(137ページ目)の2回目の書き込み以降もご参考に)のお母さんから教えていただきました。ここで使わせていただきますね。お母さん、ありがとうございます!)(つづく)
(次回はページを変えて)
※もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。繰り返し繰り返し読むに耐えうるものにしてあるつもりです。
「とび授業」のすすめ
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学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」
変質者によって、子どもが殺されないために。知識のしずく「その3」
兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」
「勉強しろと言わないように」ということに関して。知識のしずく「その5}
「選挙制度、政治制度の改革」に関して。知識のしずく「その6」
政治への向き合い方について。知識のしずく「その7}
大学入試改革の問題点について。知識のしずく「その8」
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