家庭教師田口の視点(141ページ目)
(ぜひ、楽しむようにお読みくださいね。いい知恵をもらった、という具合に、、。目が疲れるというような方は、プリントアウトされてから、お読みください。無理をされませんよう)
2019年6月3日(月)
前回(前のページ(140ページ目)の最後)でご紹介した子(「アメくれた子」さんと名前を付けましょうか?)について、少し続けますね。
この「アメくれた子」さんに関しては、不思議なことがいっぱいあるんです。
まず、教え始めたとき、数学苦手とお母さんがおっしゃり、本人もそう思っていた感じの子なのですが、実際に教えてみてどう見てもそのように思えないのですね。頭いい子ですし、楽しそうに集中して勉強してくれましたし。
で、私が
「とても集中力のある子ですね。数学のどこが苦手なのかわかりません。頭のいい子ですね」
と申しあげたところ、「集中力がある」、「苦手が感じられない」、「頭がいい」の1つ1つにお母さんが驚かれている感じでした。私にはその反応が不思議でした。
で、しばらく数学を中心に教えていったら、数学は少なくとも私が教えた部分に関しては、ものすごくよくできるようになりました。
そうしたら、一番苦手なのは英語ということになって、今英語を教えるのに一番時間をさいている感じなのですが、これまた、お母さんのご指摘とはうらはらに、とてもよくでき、暗記力も理解力も素晴らしいです!
今は教え初めて2か月半くらいというあたりなのですが、毎回とても集中して、おそらくは、1.5時間があっという間に過ぎたと感じてもらえるのでは、と思うくらい(というか、私が教えている子の大半はあっという間に授業が終わったと言ってくるのですが。私は四六時中教えることについて考えている「家庭教師という職人」であるつもりなので、当たり前でしょうが)なのですが、家でひとりで、あるいは、お母さんといっしょに勉強しているときは、集中していないようなのですね。
実は、こういう子結構いるのです。本当に不思議ですね。
まだはっきりしたことは言えないのですが、この理由に関して、思い当たる点がいくつかあるので、次回から、そのあたり記していきますね。(つづく)
2019年6月6日(木)
まず、考えられるのが、教え方の問題ですね。
私は教えることばかり毎日のようにしている専門家なのですが、多くの親御さんがそういう感じではないと思います。この点ですね。
親御さんに関して、
「もうお父さんには教えてほしくない」
「お母さんの説明はわかりにくい」
「お父さんの説明は自分にはレベルが高すぎる」
「お父さんは自分の世界に浸(ひた)っている」
とか、はっきり言う子供たちも多いのですが、はっきり言わない子、言えない子、言うべきだということを思いつかない子さえも結構いるんです。
はっきり言われると、親御さんとしては、一時的にショックですが、反省して別の対応のしようがあるのですが、はっきりと言われないと、今のままの教え方でいいんだと、無意識に思ってしまうのですね。
で、自分の教え方よりも子供たちのほうに目が行って
「この子はやる気あるのか」
「理解力がない」
「集中力がない」
と思ってしまうんですね。
はっきりと言わない子は、いわば「よい子」なのですが、長い目で見てそれがいいことかはわからないですね。
これが、理由として、もしかしたらと思われる一つ目ですね。
「読破」くんは塾でさんざん、塾の先生方から、よってたかって
「まじめにやれ」
「やる気があるのか」
などとののしられ、どなられたそうですが、専門家であるはずの教師でも自分の教え方のせいかと思わずに、子供たちの責任にしてしまう方がいるのですから、親御さんが子供たちの問題と考えてしまうのも、無理はないですね。(つづく)
2019年6月10日(月)
教え方に問題があるとお伝えするだけでは、じゃあどうしたらいいの?となる方もおられるかもしれませんね。
そういう方のために私が教えるうえで心掛けていることをいくつか書き出させていただきますね。
まず、知ったほうがいいと思われるのは、知っていることと教えることは別物ということです。
たとえば、f(x)=2x+1という式があったとします。
このf(x)がなにものか、子供たちがすぐにピンとくるように一言で説明できるか、とかですね。
f(x)に関しては、皆さんご存じなのですね。
でも、いざそれがなにものかを子供たちに伝えようとすると、ピンとくるような説明ができなかったりします。
「f(x)は関数を表す記号でね。、、、、、」
と小難しく説明しても、子供たちは
「なんだか難しいなあ」
と思うだけで終わってしまいます。むしろ、数学に対する苦手意識を助長するだけになってしまうかもしれません。伝える知識は間違えていませんが、伝える知識が正しいからといって、それを教えることが、その場のその子に対して正しいとはならなかったりします。
ですから、知っていることと教えることは別物、知っているだけでは十分とは言えない、ということをまず意識しているということは大事かと思います。まずこれを意識し続けることは基本であろうかと。ご承知の方も多いかと思いますが、念のため、、。
次回は理数と社会では教え方を変えたほうがいい、というお話をしますね。(つづく)
2019年6月13日(木)
視点余話です。
マクド(マック)のさらなるお話です。実は、「アメくれた子」さんのお母さんに初めてお会いしたのがマクドでした。娘さんつまり「アメくれた子」さんから、
「ずいぶん長く話していたね!」
みたいにあとで言われたらしいほど長くお話しました。初めてお会いしたのに、どういうわけかとても盛り上がりました。
実は、お近くのお宅の場合、最初マクドのお店でお会いしましょうとなることがあります。もちろん、直接お宅におじゃましてというのが大半ですが。
マクドは場所として一番わかりやすいですし、お店の方ともお互いたまに冗談を言い合うほど「なかよし」というレベルまで親しくなっているので(いつぞやは店員さんと、お店に入るなり30分ほど(いや、もっとかもしれません)立ち話をしてしまったとしていうほどです!そのときは、注文するのをしばらく忘れていました。私ひとりのために申し訳ないです。でも、話が盛り上がりました!普段は皆さんお忙しくしておられ、たまたまそのときはお客さんが少なかったからでしょうが、うれしいです!)待ち合わせ場所として最適です。
誤解ないよう申し上げておきますが、私は、格別長話するタイプではないですよ。
このホームページで書いてある通りの、私とお店とのやりとりは、このお母さんも目の前でご覧になりました。まだまだ、私のマクドでのエコのお話は、店員さんのご提案もあって、進化し続けているのですが、これはのちほど!
最近のマクド、やはりいいですね!店員さんひとりひとりが生き生きしています。いつも勉強になります。
そういえば、「アメくれた子」さん、このホームページをお母さんともどもよく見てくれているようです。この前も、私がご自宅から帰るとき、玄関のドアをちょこっとあけて、笑顔で見送ってくれました。いい子でしょ!とても人見知りに見えませんでしょ!ありがとうね!(興味深いメールをまたお母さんからいただきました。いずれご紹介しますね。お母さん、よろしくご理解ください)
2019年6月17日(月)
さて、理数と社会では教え方を変えたほうがいい、というお話です。
理数は、計算問題が多く、社会は覚えるような問題が多いですね。
ただ、理数にも覚えなければならない問題もあり、社会にも時差の計算など、計算問題もあり、例外もあるので、一般論として、と思っていただけたら、と思うのですが。
で、一般論として、この違いが勉強の仕方、ひいては教え方の違いに大きな影響を与えるといえそうです。
私自身は、理数は教科書をほとんど使わないで教えます。
中学の数学で、テストを作られる先生が教科書の太字をくりぬいたような問題を出してくることがあるので、そういう場合は、教科書を覚えてもらうという形をとりますが、数学で私が教科書を使うといったら、これくらいでしょう。
じゃあ、何を使って教えるかというと、問題集です。
私は、教科書はほとんど見ないです。ほとんど教科書を見ずに、いきなり問題集の問題にとりかかるという感じです。その問題は、その子のレベルによりますが、学校や塾で使用しているテキストかそれに沿ったテキスト、プリントの問題が多いです。
これは、小学生の、中学受験時の算数、理科にもいえて、塾などで習っていたりする子もいるので、その場合は本人がわからないという問題をいきなり解いてもらったりしています。
で、解いている途中で(あるいは、最初から)、わからないと言ってきたら、そのわからないと言ってきたところから説明をし始めます。
中には、解き方を間違って解いてしまう子もいるので、それ(間違っているということ。どこが間違っているかは、少なくとも最初は言わないことが多いです)を指摘して、考え直してもらい、自分で修正できればいいですし、できない場合はそこをフォローします。この間(かん)に教科書を使うことはまずないです。(つづく)
2019年6月20日(木)
そういえば、最近教え始めたお宅で、とても気の毒なお宅があります。
本人、塾にものすごい時間拘束されて、それでも足らないと、居残りの授業を受け(本人、「僕にも、居残りを受け入れるか受け入れないかを決める権利がある」
みたいなことを言って憤慨していました)、それでも伸びず、最後は本人の性格のせいにされ、、、、という子です。ほんと気の毒でしょ。(この塾のあり方の、私が感じる問題点に関しては、のちほど具体的に書きださせていただきますね)
「読破」くんが中1、中2の時、塾でよってたかって先生から、怒鳴られしかられを繰り返された、というのを思い出しました。
「読破」くんはその「後遺症」か、勉強に対する苦手意識を持つようになってしまったようにも感じます。
この気の毒な子のほうは、まだ、小6なので、「読破」くんほどひどくはないですが、のみこみの悪さが似ている感じがします。
今、「読破」くんは、高1で、
「高校の数学のほうが簡単だ」
みたいな、普通の子と違うことを何度も言ってくる(普通の子はむしろ高校に入ってから、数学など伸び悩むという子が圧倒的に多いですから。ほかの科目に関しても、おおむねいえることですが、高校の数学は中学時代の3倍くらい難しいといっていいのではないかと思います)ので、驚いているのですが、で、実際よく解けるようになっているのですが、中2の途中から教え始めたときの「読破」くんののみこみの悪さに、私が悪戦苦闘したのは、少し前に書き出した通りです。
先日、「読破」くんは、
「中学のとき、数学の勉強をしようとすると、ものすごく気が重くなっていた」
みたいなことを言っていましたが、この小6の子も、塾につぶされなければいいのだが、と心配になりました。
2019年6月24日(月)
前回のつづきを書き出しますね。
その塾の問題なのですが、まず気になるのが、本人が伸びない理由を塾自身の問題とせず、本人のせいとしているところですね。
どうも、塾によると、本人は性格的に問題があるらしいです。
「変わっている」
「思いつきで解いている」
と、彼は塾で言われるらしいです。
でも、私が4回ほど教えた現時点では、決してそんなことは感じられず、ごく普通の子という印象です。
確かに、きちんと考えずに思いつきで解いていると感じられるところはありますが、それは解き方をしっかりマスターしていない状態であるせいであり、解き方のコツを伝えていったら、きちんと解こうとしてきます。
解く力のまだない子がとる行動としては、すぐにわからないと言う、とりあえず思いついた解き方で解いてみる、じっと考え込む、などがありますが、そのそれぞれについて、問題だといえば問題かもしれませんが、それは解けない問題に出会ったときに人がとる行動として、おかしなことのようにも思えません。解ける能力があるのに、おかしな解き方をしたりしたら問題でしょうが、彼はそういう子ではありません。
むしろ、それを問題とすること自体に問題があると言えるでしょう。
なぜなら、塾の先生方が自分たちの問題と自覚せずに子供たちの問題とすると、先生方は、当面楽ですが、あるいは、目先の塾の保身にはなりますが、長い目で見たらマイナスで、先生方自体の能力が高まるようには思えないですから。
ただただ、子供たちをくさらせ、自信を失わせ(それは「読破」くんに見るように、あたかも最初から学習能力がなかったかのような印象を与えかねないほどの深刻な事態も招くことがあります)、先生方もご自身の能力を高めることができずにいるというという結果を招くだけでしょう。
2019年6月27日(木)
「アメくれた子」さんのお話に戻りますね。定期テストの前ということもあるのでしょう(もっとも、前回の定期テストのときは、集中できなかったようですが)が、お母さんの連絡ノートのコメントに
「とてもがんばってます」
という表現が初めて現れました!ここに至るまで、およそ3か月です。まだまだよくなっていくと思います。
お母さんの
「集中力が続かない」
というコメントなどが信じられないほど、私と勉強しているときは集中している子だった、というのは前に書き出しましたが、でも、お母さんによると(本人も認めているのですが)、ずっと一人で集中するというのがなかなかできずにいたようなのです。だんだんよくなってきた感じですね。
そういえば、
「1日2時間勉強する」
と、最近自分で言い出しました!えらいでしょ!皆さんに見守っていただいているというのも励みになっていることでしょう。私の本で取り上げている「顕在化」効果ですね!
お母さんは集中力のない彼女ばかり見ておられたので、きっと、彼女がもともと集中できない子のように見えたかもしれませんね。私といっしょのとき集中している彼女を見て、驚いたかもしれません。
逆に、私は集中している彼女しか見ていないので、ずっとお母さんのコメントが不思議でした。
いつか、一人でも集中できるようになると信じていましたが、そうなってきつつありますね!いい子でしょ!心づかいのほうも相変わらずすばらしいです!
もちろん、私もこの間(かん)何も対策をしなかったわけではなく、お母さんのお悩みを踏まえ、本人の話も聞きながら、ちょっとした、でもきっと効果的であっただろう対策をしていきました。ずっと前にも記しましたが、対策は手軽にやれる簡単なものがいいですね。大げさなものは、大変ですし、長く続きません。
私の口ぐせ「ちょっとの違いが大違い」がここでも言えそうです。
次回から、このあたりご紹介していきますね。(そういえば、この間(かん)の彼女の様子を書いてくださった、お母さんからの生き生きした(!)メールもいろいろいただいています!これもご紹介しますね。お母さん、よろしくご理解ください)(つづく)
(次回はページを変えて)
※もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。繰り返し繰り返し読むに耐えうるものにしてあるつもりです。
「とび授業」のすすめ
視点目次(サイトマップ)
優先相談お受けします
いじめられないために。いじめをなくすために。知識のしずく「その1」
学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」
変質者によって、子どもが殺されないために。知識のしずく「その3」
兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」
「勉強しろと言わないように」ということに関して。知識のしずく「その5}
「選挙制度、政治制度の改革」に関して。知識のしずく「その6」
政治への向き合い方について。知識のしずく「その7}
大学入試改革の問題点について。知識のしずく「その8」
家庭教師先募集の要項
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