家庭教師田口の視点(140ページ目) 

 このホームページは、最初は、ご興味のあるところから、拾い読みをされることをお勧めいたします。うそや大げさな表現は避けているつもりです。プロの家庭教師のレベルとして、当然のことを書いているつもりです

2019年5月2日

 視点余話です。

 最近、風が強いときが多いですね。

 先日、風がものすごく強かった日があって、何度も帽子が飛ばされました

 帽子クリップも効果なく、、。

 自転車に乗りながら、3,4回飛ばされて、最後は高~く舞い上がって、路上に落ちて、車2台に踏みつぶされました。あそこまで飛ばされるとは。

 ああ。

 悲しい。

 このことから後でふと思いました。

 人間がしっかりするためには、たまにはこういう目に合わなければならないのかもしれないって。

 その当座は悲しかったり、つらかったりすることあるかもしれないけど、そういうことが全くないとしたら、そういうものを早いうちに経験しないとしたら、人はがんばりのきかない、しっかりしない人間になってしまうのではないかと、、。

 「甘くない環境」は雨や風のように、人(子供たち)の心を強くするもの(おそらく、雨もなく風もなく毎日がのんびりとしたものだったら、人は生きる強さを持てなくなるでしょう)で、一方「優しい言葉」は心を育てるための栄養みたいなものではないかと。

 そして、この二つがあいまって子どもたちは成長していくのではないかと。

 「甘くない環境」と「優しい言葉」に関しては、すでに何度も取り上げてきているので、もう十分ご存知の方のほうが多いかもしれませんが、この2つの言葉を初めてご覧になったという方は、下記リンクをご参考にしていただければ。

家庭教師田口の視点(47ページ目)

家庭教師田口の視点(48ページ目)

家庭教師田口の視点(74ページ目)

 

 

 

2019年5月6日

 「宮」さんのお話のつづきです。

 私が教え始める前に、まずお母さんからお願いされたのは、

「本人のやる気を出させてください」

ということでした。

 それほど深刻だったということなのですよね。

 で、私は、「宮」さんがつっかえているあたりを、解消していきました。

 特に英語ですね。なんといっても英語の授業でため息をついていたのですから。気の毒ですね。

 前に書き出しましたように、単語の覚え方をのようなごく基本的なレベルから、本人の「困っている」を解消していきました。

 人は、「やれる」「わかる」と感じさせ、本人へ直接、あるいは、ご両親などを経由して間接的に声をかけていく、そのタイミングと内容さえわきまえていたら、やる気を出すことが多いのですが、彼女は、実際、それで急激にやる気を出してくれました。

 掲示板からご参考になりそうなものを抜き出しました(9)にも書かれているように、彼女は

先生の来る日が待ち遠しかったんです

と言ってくれるようになりました。実際教えていたときは、そんなことまったく言ってこなかったので、気づきませんでした。言ってくれたら、大好物のアイスクリームを買ってあげたのに!

 それで、思ったのですが、日ごろの接し方を通じて、本人からこちらが好かれているということも大事な要素ですね。

 ため息をついている彼女に、

「ため息なんてついてちゃダメでしょ」

「ため息つかないで」

とか言うようだと、好かれることはなかったかもしれません。

 それは、ニンジンが嫌いな子に

「ニンジン食べなさい」

と言っているようなものですから。

 彼女は、塾とかで「ため息つくな」的なこと、いっぱい言われてきたのでしょう。気の毒に、こうしてやる気を失っていったのでしょう。(つづく)

 PS 翌7日、パソコンで授業する直前に下に降りる用事に気づいてあわてて、階段を下りて行ったら、足を踏み外して、転げ落ちて頭をかべにしこたま打ちました。

 いた~~~。授業中、右目の目じりあたりがチカチカしました。後頭部を触ると痛かった。「環境」の洗礼はきびしい!

 

 

2019年5月9日

 すぐ上で、「階段を下りて行ったら、足を踏み外して、転げ落ち」た話を書き出しましたが、その結果頭をかべに打ち付けたわけで、私の体は半回転以上はしたことが、ご想像できるかと思います。

 正直、自分がどう転んだのかはっきりわからないのですが、頭をさすってみたら、後頭部が痛かったのですから、よっぽどな転び方ですね。

 直後の激痛も覚えているのですが、で、後遺症でも残ったらどうしようと思ったのですが、一晩寝て起きてみたら、後頭部をさすっても痛みは感じられず、右目の「チカチカ」もなくなっていて、一安心です。いまさらながら、人間の体の強さに驚いています。

 こういうことは、できたらないほうがいい、いやな思いですが、でも、そういう時にこそ、無意識にですが、人は「生」を感じるともいえるような気がしています。

 こういう「生」を感じさせるほどいやな思い出は、不思議なことに、いつまでも私たちの記憶に残り続けたりするのですね。

 たとえば、皆さんだって、どしゃぶりの雨の中、ずぶぬれになったり、コンクリで固めた、さびしい高架下で雨宿りしたり、という経験をし、どういうわけか、それがしっかりと記憶に残っている、みたいなのはいくつかあるのではないでしょうか?

 で、こういういやな思い出も、あとでなつかしく思い出されることもあったりして、長い目で見たら、決して無駄なものではなかったと言えるかもしれません。

 それは、教育、子育てにも、同様なことが言えて、「不必要に守られない環境」のもと、子供たちが接する現実の厳しさは、子供たちが「生」を感じ、成長するために必要なものなのでしょう。

 小さいころから、楽な思い出ばかりだと、人生にアクセントもつきませんし、子供たちもいつまでもぼーっとした子になりかねません。本来の人間は心も体もとてもたくましいものである、あるいは、なりうるものなのでしょう。

 自分の愚かさのため、痛い目にあいながら、こんなことをつらつら考えました。

  

 

 

2019年5月13日

 「宮」さんのお話のつづきです。

 教え始めのころ、お母さんが、

「やる気を出させてください」

と、私にお願いされ、実際、彼女はものすごくやる気を出してくれたのですが、いざやる気を出すようになって、本人がお母さんに「テレビの撤去」を提案したところ、

「いやや」

と言われたというのが人間ぽくて面白いところですね。それで怒った「宮」さん、やる気をしぼませてしまうかと、少し気になったのですが、そんなことなかったです。

 「宮」さんどうしたかといいますと、ある工夫を考え付いたのです。

 お母さんと相談して、

「もし、テレビをみたら、そのつどその人は100円貯金箱に入れていく」

って決めたそうなんです。

「私はお金がもったいないから、絶対テレビをみないし。いい案でしょう?」

って。私は、なるほどと感心しました。

 自分でだれかを説得しようとするとき、人はさらにやる気になるのですね。

 それからは、受験に向けてまっしぐら、という感じでした。

 子どもたちは、何か困難なことがあったとき、がんばれるかは、それがどのくらい困難かはあまり関係なく、かかわり次第であるような気がしています。

 

 

2019年5月16日

 視点余話です。

 このページは私のちょっと(?)抜けたところを紹介してきていますね。特に意識していたわけではないのですが、知らないうちにそういう話が重なってしまいました。

 帽子飛ばされたり、階段転げ落ちたり、このページだけ見た方は、どんなやつだと思った方もおられるかもしれませんね。たまにはいいですよね。

 なにせ「家庭教師馬鹿」で、それに関係したした知識、能力には、自信があるのですが、それ以外はうといところがあるようです。職業病みたいなものかもしれません。

 そういえば、先日京大や国立大医学部に受かった子でも、全教科教えてきた、という話をある人に言ったら、ものすごい物知りのように思われました。

 でも、「抜けているところもあるんですよ」と上に書いたようなお話を申し上げたら、納得してくださいました。

 まあ、人間何もかも完ぺきでしたら、ただただいやみな人間でしょうしね。そう思うことにしています。

 ホンダという車とバイクなどを作っている会社があるんです。この創業者の方で、本田宗一郎という方がおられるのですが、で、この方、もうなくなられているのですが、この方が、従業員が一堂に会した場で、

「自分はこの中で一番馬鹿だから、皆さんに頼らざるをえないんです!」

みたいなことを大声で言って、会場から拍手喝采(はくしゅかっさい)をあびたというのがありましたが、こういうことを平然と言ってのけるあたりに、この方のスゴサがあるといえるでしょう。魅力的な方ですね。なぜか、感心してしまいました。

 人間のあり方について、考えさせられる事例ですね。

 私も、帽子飛ばされて、階段から転げ落ちた話をして、皆さんから、拍手喝采(はくしゅかっさい)をあびるようになったら、本物かもしれませんね。

 

 

 

2019年5月20日

 「宮」さんのお話、もう少し書かせてください。

 「宮」さん、私の提案に沿って、自ら「環境」を変えていったくれたんです。

 前に書いた、テレビの撤去のお話は、私が

「こういうお宅があった」

という程度の話をしてあげたら、自分から

「うちもそうする」

って、テレビの撤去をお母さんに提案しだしたのですね。

 他には、私が

「スケジュール感覚が大事。特に勉強のはね」

みたいな話をしたら、そのうち、学校の部活より私を優先してくれるようになりました。

 部活の仲間から

「なぜ、部活よりも家庭教師を優先するの?」

と聞かれたら、

「先に約束してあるから」

って答えたらしいんです。ここまで私の授業を大事にしてくれる子は記憶にないです。すごいでしょ!まあ、彼女が部長だったので、そういうこともできたのかもしれませんが、それほど勉強に燃えていたんですね。

 やる気のない子の多くが今のままではいけないと思っているはずです。彼女だって、かつては徹夜で友達とゲームをしていたくらいの子だったんですから。そのときだって、これじゃあまずいと心の奥底で考えてたはずです。

 そういう子に火をつけるコツは、山本五十六(いそろく)という、有名な軍人さんの言葉に集約されるかもしれません。(つづく)

 

 

 

2019年5月23日

  山本五十六(いそろく)という立派な軍人さんがかつていました。

 この方は海軍のトップにいながら、アメリカとの戦いに反対し、でも、周りの軍人たち、世の中のムードが開戦へ突き進む中、抗しきれず、負けるとわかっている戦いをせざるをえなかった方で、見識も胆識もある立派な方でした。この方は、教育に関して、次のような言葉を残しています。

 「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」

です。この言葉を初めて読んだとき、すごい方だなあと尊敬の念を覚えたのを覚えています。

 難しい表現は使われていないので、どなたも理解はできるかと思います。

 人を教えるには、やってみせる、言って聞かせる、させてみる、誉めてあげる、という4つのステップが大事だということですね。ある意味、教育にはこれほどまどろこしい作業が必要だと言っているようにも思えます。

 一方、規律を重視する海軍のトップにいた方にもかかわらず、「命令して」というフレーズが入ってないことにも注意が必要でしょう。

 命令で教育していくのは限界があるように思います。

 人は命令されて学ぶよりも、「よくわかる!」「この人のためならがんばれる!」みたいな気持ちを持つことによって、いわば、一種の「感激」みたいなものを感じることによって、持続的に、集中して、みずから盛り上がりながら、学ぶことができるということでしょう。で、そういう学習をしたとき、ぐんぐんと伸びていくのだと思います。

 「宮」さんは、前のめりになるように、途中から勉強しだしましたが、きっと彼女も「感激」があったのでしょう。

  

2019年5月27日(月)

 最近教えた子のお母さんから、メールをいただきました。

 そのお宅は、家から近く、おじゃまして教えているため、連絡ノートでのやりとりが主で、メールいただく機会は、それに比べると少ないのですが、この間メールもいただきまして、で、

「メールをホームページ(つまりここ)に載せてもいいですか?」

とお聞きしたところ、ご了解いただいたので、今後ご紹介しつつ、載せていきますね。「宮」さんみたいな感じ(私は、「宮」さんのように、ほうっておいても勉強するようになっている状況を「離陸」と表現しています。いったん「離陸」すると、その子は落ちてくる、つまり、やる気をなくすことは少ないです。それまでが大変な子が結構いるんですけどね)にはまだなっていませんが、だんだんよくなってきている感じです。

 そういえば、がんばってくれているので、この前、少し余分におまけで授業を教えてあげたら、お礼にと、本人からアメ2個いただきました。うれしい!何か気持ちが伝わってきて、いいですね。こういうの。たった2個のアメですが、ものすごく価値のある2個ですね!

 この子、集中力がものすごいんです。私が教えているときは。

 当初お母さんから、「集中力がない」と指摘されていたのですが、それが信じられないくらい。

 でも、ご家庭でひとりで勉強しているときにあまりないらしいんです。

 こういう子は結構いるんですよね。お母さん、悩んでおられるようですが、私の目の前では、ものすごく(ほんとものすごく)集中しているので、不思議でなりません。(つづく)

 

 

2019年5月30日(木)

 上の子のお母さんからの掲載のご了解をいただいたメール(ありがとうございます!)の一部ご紹介しますね。実際はこの5倍くらいの量のメールの長さなのですが、で、読んでいてとても楽しい内容なのですが、私がいい人のように彼女が言っている下りがそこここ含まれているので、少し気恥しいので、割愛しますね。

HPに使って頂いて全然構いません。

Aは「テレビやめようって言ってお母さんに断られた子、最初は徹夜でゲームするような子
やったらしいで」(「宮」さんのことですね!ホームページお読みくださりありがとうございます!彼女本人も最近このホームページ読んでくれたようで、うれしいです。このホームページが彼女にとっていい刺激になるといいですね。これからも読み続けてくださいね!)と言うと「ありえへん…」と愕然とした顔をしていました。笑(うん。ありえへんよね!
そこまでじゃなくても、自分から集中できるようになり、
勉強の楽しさを実感できるようになったらいいなと思います(おっしゃる通りですね。私の授業中はとてもとても集中しているので、いずれどんどんいい方向に変わってくれると思いますよ!)。

これからもよろしくお願いします。

 はい、こちらこそよろしくお願いいたします。

 人見知りの子らしく、学校のある先生だったと思うのですが、その方から反抗的な態度を指摘されたほど(実際はただ緊張していただけだったらしいのですが)人見知りがはげしいと聞いていたのですが、そんなことまったく感じられないいい子ですよ。

 授業中もテスト範囲のところとか、今やっているところとか、私が知っていたほうがいいと思われるところは、自分から進んで伝えてくれますし、にこにこしていることもよくありますし、人見知りを感じたことはほとんどありません。

 この子の変わっていく様子も見守っていただけたら。(つづく)

(次回はページを変えて)

 

 

 











もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。繰り返し繰り返し読むに耐えうるものにしてあるつもりです。

 

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