家庭教師田口の視点(138ページ目) 

 このホームページは、最初は、ご興味のあるところから、拾い読みをされることをお勧めいたします。うそや大げさな表現は避けているつもりです。プロの家庭教師のレベルとして、当然のことを書いているつもりです

2019年3月4日

 (前回からのつづきです)

 「読破」君、もしかしたら、ズルしていたことがあったかもしれないのですね。でも、ズルをしているかどうかは、教育、子育てにおいては大した問題ではないと私は思っています。

 パソコンの向こう側で、こっそりテキストの答えを見ていたかもしれません。

 で、それを丸写して、解けたように見せかけたかもしれません。

 それを感じさせる場面はありましたし、後々仲良くなってからわかったことなのですが、彼は小学生のころに、すでに、学校の宿題で、答え丸写しという感じのズルをしていたことを教えてくれました。

 彼の名誉のために申しておきますが、彼は、本質的には、正義感が強く、とてもまじめな子なのですよ。

 勉強ができるできないにかかわらず、そういう子は、どういうわけか、います。すでに結構優秀になっている子でも、そういうことをしたりしているのではないかという場面に出くわして、驚くことがあります。

 もしかしたら、私を試しているのかな、と思ったりもすることがあります。私は、勉強においてズルをするということは、発想したことがない人間(小学校時代の、勉強のできなかったときさえも)なので、この子たちがどういう思いでそうするのか、さらには、そういうことを本当にしているのかさえ、私にはよくわからないのですが、そういうことを、相手に突き詰めていくことは、多くの場合、意味がないどころか、場合によっては、子どもたちとの信頼関係を築くのに、有害だったりするような気もしています。

 どこかで触れたかもしれませんが、私たち教育者のすべきことと、警察のすべきことは真逆であるといえるでしょう。警察は、事実関係突き詰めていき、犯人を追い詰めていくのが仕事みたいなところがあります。

 それは、警察の仕事が「悪いことをした人間を捕まえること」であるからです。

 一方、教育(者)の目的は、「人(子どもたち)をよりよい方向に導いていくこと」で、目的が正反対といってもいいほど違うので、かかわりの仕方も、おのずと違ってくるわけですね。

 次回は、ズルをしたかもと感じられる子に、実際私がどうかかわったか、かかわっているか、のお話をしていきますね。(つづく)

 

2019年3月7日 

視点余話のつづきです)

 マクド(マック)で、店員さんたちの、最初のころの戸惑いぶりをご紹介しますね。申し訳なく思いつつ、、。

 たとえば、袋にストローを入れかけて、「あっ」という感じで、戻されたり、というのは、よく見かけました。

 別の場合には、注文を受けてくださった方がストローを入れないままにしておいてくださったのに、別の方がそのあと入れてしまわれたり。連携がとれていないともとれますが、一方で、お互いがお互いの「ミス」を補い合う姿勢みたいなのも感じて、心の中で感心してしまいました。

 中には、注文をとられた方がその場でレシートにメモをしておかれたというのもあります。「ストローなし」とかですかね。店長さんのような方で、なるほどと思いました。

 マニュアルにないようなことだったんでしょうね。個性いろいろですね。共通するのは、強い「おもてなし」精神です。

 でも、ストローくらいで申し訳ないですよね。で、ストローをいらない旨お伝えするタイミングをいろいろ変えてみたりしたんです。

 最初のころは、商品をいただいた直後に、ストローをお返しするという形をとることが多かったです。

 で、そのうち、親しい店員さんには、最初にストローをいりませんという旨お伝えしたりするようにしました。店員さんのなかには、そういう注文をうけて、「ほっ!」というおどけたような反応をしてこられるかたもいて、私はそれをニコニコしてながめたり、あちらも同様の反応をしてくださったりして、より親しくなれました。その次のときは、あちらから「こんにちは」って!

 ずっと、お持ち帰り中心だったのですが、おかげで最近はお店で食べていくことのほうが多くなりました。ストローのおかげですね。少しご迷惑をおかけしたという、とても申し訳ないという思いとともに、マクド(マック)の皆さんそれぞれの個性、一生懸命さが感じられ、とてもうれしかったです!ありがとうございます!

 一方で、エコとかなんとか理念に振り回されて、お店の皆さんも巻き込んでしまったのか、と反省もしています。m(_ _)m 

 

2019年3月11日 

 もしかしたらズルをしていたかもしれない「読破」君に、じゃあ、私はどう対応したか

 彼は、完璧に解いてくるんですよね。で、あまりにも模範解答通りきれいに解いてくるので、かえって疑わしくなってしまうんですけど(途中で、模範解答と解き方に多少ズレが生じる子のほうがきちんと勉強しているように感じることが多いです)、私は、基本的に信じている姿勢を示すようにしています。

 よく

「子どもを信じていますので、宿題のチェックはしません」

という親御さんがおられます。信じる姿勢は大事だと思いますが、で、それで問題ない子もいますが、そうでない子もいますので、そのときは、別の対応を考えるべきでしょう。

 私は、

「完璧!よく解けるね」

とほめるように言った後、その問題に関して、途中の計算過程、あるいは、式の作り方に関して、

「どうしてそういう計算(式)になったの?」

とか聞いてみたりします。

 そうすると、ぼろが出てきてしまう子がいます。

 で、私は、

「完璧に解けているけど、なぜそうなるかがわかっていないと、ほかの問題を解くとき、困ってしまうかもしれないから、そのあたりも説明できるようにしてくれる?」

と言ったりしながら、ほかの部分でも、細かく「なぜ」を聞いていくと、わかっていないことがさらに出てきたりするので、また、本人もわかっていないということを認めてくるので、ひとつひとつ説明していったうえで、再度同じところを宿題に出したりします。

 その間(かん)、本人に対する批判めいたことは、一切口にしないように心がけています。

 ズルを本人がしたかどうかを突き詰める必要はないでしょう。ただ、本人が反省し、行動を改めればいいだけのことかと。(つづく)

 

2019年3月14日

 視点余話です。

 受験がすべて終わり、よく言いますと、のんびりできる、悪く言いますと、暇な時期がやってきました。

 ちょっと前の、ものすごく忙しい日々とのコンストラクト(落差)がすごいですね。毎年のことですが、ちょっと前の私の今のスケジュールもご覧になった方は、私の申していることがおわかりになるでしょう。

 でも、今のゆったりした時間は、いずれやってくるかもしれない多忙に備えた大事な時期だと思うことにしています。今体を休めておくことによって、受験間際の多忙に耐えることができるのでしょう。1年じゅう忙しかったら、私の体はまいってしまうかもしれませんね。

 いわば、今は充電期間みたいなものですね。

 今ごろいっぱい問い合わせがくるとありがたいのですが、例年受験が近づいてくるにつれて問い合わせが増えてきます。で、私の忙しさはマックスに達します。

 好きな仕事ですから、仕事によるストレスを感じたことないんですけどね。どんなに忙しくても、好きなことなら、耐えられる。それが一番ですね。

 って、こう書こうとしたら、1軒問い合わせをいただきました。

 詳しくは申せませんが、このホームページの長年の愛読者の方のようです。

 私の場合、どういうわけか、そういう方が多いのですね。「読みふけってしまいました」的な方が、、。

 とてもありがたいことです。ありがとうございます!

 私のエネルギー源です!

 この文字ばかりのホームページ、見ただけで通り過ぎる方もおられるかもしれませんが、仮に少数でも、わかる人にはわかっていただけると思って書いています。

 

 

 

 

2019年3月18日 

 (前々回の続きです)

 解き方や計算過程の説明を求める以外には、「読破」君に、類題を解いてもらおうとすることもありました。ホワイトボード上にその類題を書いて、、。

 そうすると、彼、最初のころ、

それ何ページにあるんですか?

と聞いてきました。

 テキストで問題を確認してから、解きたかったのかもしれません。ホワイトボード上に問題を書いてあげてあるのですから、それを見て解けば十分と思っていたので、

「なぜ?」

って思ったのですが、もしかしたら、テキストで、問題を確認するだけでなく、

模範解答も確認してから、解こうとしたのかもしれません。それだと一種のズルですよね。

「どうしてテキストの何ページの問題か知りたいの?」

みたいなことを聞いたら、

「後々のため知っておいたほうがいいと思って」

との返答。たぶん復習をあとでしたいから、という感じだったと思います。そう聞かれると、ページを答えないのも信用していないようにも思えるので、問題のページを教えてあげることが多かったです。

 しかし、それもどうかなって思って、別のテキストから類題を引っ張ってきて、あるいは、私自身がその場で本人に類題を作ってあげて、解いてもらうことにしました。で、彼から、ページを聞かれると、

「別のテキストから、とってきた」

「問題僕が作った」

と伝えました。

 彼は、

「そうですか。わかりました」

というようなことを言って、観念して(?)解くのですが、解けないことがほとんどだった感じです。

 そういうことを繰り返しているうちに、彼も問題のページを聞くこともなくなり、ズルしているように見えることがなくなっていきました。

「ズルしちゃだめだ」

なんて、だれにもわかりきったことを、怒って言わなくても、変わってくれるのですね。

(つづく) 

  

  

2019年3月21日

 「読破」君のお話のつづきの前に「宮」さんのお話もさせてください。前のページ(137ページ目)の一番最後で少しご紹介した子です。この子の書き込み(下記リンク)を読み、なつかしくあの頃がよみがえってきたので、、。

 今後しばらく、「読破」君と「宮」さんのちゃんぽんで書き進めていきますね。

 「読破」君と同様、とても印象深い子で、一時期掲示板にも何度か書き込んでくれた子です。その一つが

掲示板からご参考になりそうなものを抜き出しました(9)

です。

 下に貼り付けましたが、一部省略しましたので(ちょっと気恥ずかしいのもあり、皆さんにお伝えしたいところでもないこともあり)、全部を見たい方は、上をクリックしてみてください。

長く音沙汰なしですいませんでした。やっと落ち着いたので近況報告としようと思い書き込みました。

(中略)

実は最初母に家庭教師の話を聞いたときあまり乗り気ではありませんでした。塾でも一度最下位になってしまうと途端にやる気をなくしそのまま最下位街道まっしぐらになり、この子は競争心がない、嫌いな英語の授業はため息ばかりつく、しっかりした先生がつかないとどうにもならないとまで塾の先生に言われながら辞めた後だったので・・・
でもなぜでしょうか、先生は人の心をつかむのがうまいというか・・・しょうもない話も聞いてくれて、英語でため息をついても反対に笑ってくれた。不思議ですね。楽しかったんですよ。塾はあんなに苦痛だったのに、勉強することにはかわりないのに。先生の来る日が待ち遠しかったんです。特に定期試験で良い成績を取った時とか先生が褒めてくれたので。
子供の様で笑ってしまう話ですがそれでも親でもない人に褒めてもらえるのはうれしかったです。

ああもう、長々と何を書いているんだろう・・・いっぱいいろんなことがありすぎて、やっと区切りがついて・・・

たくさんの思いを込めて、先生ありがとう。

 

 家庭教師の話を聞いたときあまり乗り気ではありませんでしたって書いてありますでしょ。こういう子は、結構多いんですよね。で、この子は典型的に、私の「魔法」にかかってくれた子です。もう少し詳しくご参考になりそうな話を書き出してみますね。

 家庭教師馬鹿には、涙が出るほど、なつかしい!(つづく)

 

 

2019年3月25日

 そういえば、先日あるスーパーの前で、ある小学生4年生前後らしき男の子が鼻水を垂らしたままニコニコ笑って立っていて、彼を取り巻いている子たちがおぞましい顔をして、固まるようにして少し離れて眺めているという場面に出くわしました。

 特に女の子は嫌悪感丸出しでした。

 この鼻水を垂らしてニコニコ笑っていた子は、いずれものすごいいじめにあうのではと心配になりました。彼は、どういう行動が「危険」なのか、だれからも伝えてもらっていなかったのでしょう。みんなそうやって、理由もわからないうちにいじめの対象になってしまうのですね。私が知る限り、いじめを受けている子たちは自分がなぜいじめを受けるようになったのか、知らずにいる子ばかりでした。

 だれかが、

「家で鼻水を垂らしたままでも許されるかもしれないけど、それを学校や友達の前ですると危険だよ」

というような話を、そのつどしてあげるだけで、いじめられずにすんだかもしれないのに。私のくちぐせ「ちょっとした違いが大違い」はここでも成り立ちますね。

 大人は、そのくらいわかっているだろうと思って、なんの注意もせずに、いるのでしょうね。でも、大人が当たり前と思うことを自覚していない子は、実は多いんです。

 学校と家では、行動を変えねばならないことがあるということを知らない子は危険です。あまりに無防備な子が多いです。

 実は、「読破」君同様、「宮」さんもいじめにあっていました。私が聞いた限りでは、二人とも同じくらい悲惨なものでした。何度も死にたいと思うくらい。二人とも死が怖くないと言っていました。

 「宮」さんは、

「小学校のとき、クラスのみんなが私をいじめてきて、私を無視してきた」

と言ってきました。彼女と仲良くしていた、仲良くしてきた子もことごとくいじめの対象になったようです。で、「宮」さんは、中学から、私立中に変わりました。

 彼女のように、学校を変えるのも、いじめから逃れる、とても有効な手段ですね。

いじめられないために。いじめをなくすために。知識のしずく「その1」

学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」

もご参考に。(つづく)

 

 

2019年3月28日

 「読破」君と仲良くなってから知ったのですが、ズルする彼なりの理由があったようです。

 それは、楽をしたかったから、早く終えたかったからという程度の単純なものだったのですね。少し考えれば、それがよくないことだとわかりそうなものなのに、というのを、私たちは思いますが、それがわからないという子はいるのですね。

 そういう子がいるということを前提にして、子供たちに関わっていく必要があるのでしょう。

 子供たちの中には、こちらがまさかということをこっそりする子がいるのですね。

 彼、小学校の低学年の頃から、夏休みの宿題などの答えを丸写ししていたようです。

 とりあえず終えてしまいたいという気持ちからで、全く罪悪感がなかったようです。早く終えられてラッキーという感じだったのでしょう。普通の子では、考えられないことですね。

「先生だって、小さいころ、仮に僕みたいに周りのだれかが宿題を丸写しして、早く宿題を終えるのを見たら、自分もズルしてみようかと思うんじゃないですか?」

と聞いてきました。

「いや、さすがにそれはないと思うけど。僕はそういう発想で動かない子だったように思う」

と答えましたが、彼にとっては、私のそういう発想が理解できないのかもしれません。私は、いくら楽ができても、答え丸写しなんて、全然面白みを感じなかったでしょう。少なくとも、そんなむなしい行為を平気でできることに違和感みたいなものを、頭の悪いなりに、なんとなく程度でしょうが、感じていたでしょう。

 今、彼はズルしていたことをとても後悔しています。

 だれかが、早い時期にズルをしている彼に気づいて、いい方向に導いていれば、全然違う学生生活を歩んでいたかもしれません。

 長年のズルの蓄積が彼の学力を低いままにしてしまったといえるかと。(つづく)

(次回はページを変えて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。繰り返し繰り返し読むに耐えうるものにしてあるつもりです。

 

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学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」

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兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」



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