家庭教師田口の視点(118ページ目) 

 このホームページは、最初は、ご興味のあるところから、拾い読みをされることをお勧めいたします。うそや大げさな表現は避けているつもりです。プロの家庭教師のレベルとして、当然のことを書いているつもりです

2017年7月3日

 (前々回のつづきです)

 さて、愛知県の子のお話のつづきですね。

 ここのお母さんは、とても熱心で、私の申し上げることに、一生懸命耳を傾けてくださいます。

 この前も、彼女の宿題のやり方に関して、お母さんが4、5個「こうしてね」的なアドバイス(注文?)を伝えられたようなので、私は多いけど、大丈夫かな?と思って、彼女に確認したところ

「はい」

と言ってきたので、それならいいか、と思って

「僕の思っていたのと違いますが、本人が大丈夫と言っているので、大丈夫かもしれません」

というようなことを申し上げたところ、

「先生はどのようなことを思われていたのですか?」

というような質問をされてきたので(熱心でしょ!立派ですよね)、私が

「僕だったら、覚えられたら、解けるようになったら、チェックしたいから教えて、というくらいかもしれません」(あまり細かく言うと、本人が、かえって動きにくいのではないかと思ってのことなんですけどね。むしろ大事なのは、本人なりに考えて、一生懸命行動していることへのフォロー(声かけなど)ですしね)

というようなことを申し上げたかと思うのですが、そうしたら、それを、どうも実行してくださっているようです。どういう子育て、教育がいいのか、必死になって求められている親御さんの姿を感じられませんか?

 立派でしょ!

 私が、このお母さんのメールを題材に、いつも以上に多くの文章を割(さ)いてきているのは、このお母さんのお気持ちに応えたいという気持ちがあるからです。本人もいい子ですしね!!

 (ほかに題材がないからではないんですよ!例の「目が釘付け」のお母さんからは、私も勉強になるようなメールをいっぱいいただいていますしね。もう載せることのご了解をいただいてから、1か月以上たつのではないかと思いますが、まだ載せられていませんし。。。「目が釘付け」のお母さん、すいません!

 また、皆さんのご参考にも、きっとなると信じているからでもあります。

 

 最近も、いったん寝ると、お母さんに起こされても、いつまでも起きられない(しかも寝起きがものすごく悪い)という子がいました。そこのお母さんだけではなく、本人もそれを認めていて、学校から帰ってきて、疲れているときなども、私の授業までずっと起きているというようなことをしていた子なのですが、近頃は事前に寝てくれ、授業時に自分で起きだしてくるようになったりしました。しかも、寝起きがものすごくいい!

 たとえば、その子の最近の様子の一例をお伝えしますね。その子の場合、パソコンによる授業とおじゃまするの(対面授業)と、ちゃんぽんで教えているのですが、ある日、おじゃましたところ、寝ているんですね。

 布団にぐっすり、、。

 この時、私はどうしたと思いますか?

 起きて~って、体を揺さぶった?

 いえいえ。私は、この専門家です。トイレとか、ほかのことに関しては、いかに間抜けでも、、。

(つづく)

 

2017年7月10日 

 (つづきです)

 私は小さい声で、

「起きられる?」

と聞いたのですが、返答がありませんでした。

 で、彼の腕の部分が布団から、たまたま出ていたので、その出ていた腕を少しだけ、ちょんちょんと触れて、

「大丈夫?」

と言って、あとはしばらく放っておこうと、机の上にある連絡ノートに向かいました。彼からは、相変わらずまったく反応がなかったですけどね。

 そうしたら、2,3分くらいして、突然彼が、ひょこんと起きてきて、机に向かい授業を受ける態勢になってくれました。とてもすっきりとした表情でした!

 もしかしたら、何もしなくても、彼はおきだしてきたかもしれません。おそらくは、私が部屋に入る音を聞いただけで、、。すでにそういう子になっている可能性のほうが高いでしょう。

 実は、ちょっと前に書いた「学校の先生が補習をしようとしても、勝手に逃げて帰っていた」という子です。

 彼の場合、この2,3分を平気でほうっておけるかがポイントだったと言えるかもしれません。そして、こちらが、普段から信じているというメッセージをいろんな行動、言葉で伝えてきている人間であるかも重要であると言えるでしょう。彼は、その信頼にこたえてくれた、とも言えるかもしれません。

 お母さんは、その彼の無反応(まったく反応がなかった)に不安を覚え、必死になって起こしにかかっておられたのでしょうね。必死になって起こすという行為は、「私はあなたを信じていません」というメッセージを、知らず知らずのうちに、伝えていた可能性があるのですけどね。で、それが彼の不機嫌を誘っていたともいえるのですけどね。

 ここにも、親ががんばればがんばるほど、子どもがきちんとしなくなるという状況もある、ということを見てとれませんでしょうか?親ががんばってはいけないところでがんばってしまうと、親子がお互いに不幸になってしまいかねないんですね。ポイントを押さえたかかわりがいかに大事かをご理解いただける事例と言えるかもしれません。

 で、必死になって起こしても起きようとしない不機嫌な彼がそこにいたのでしょうね。

 これを冷静に分析してみると、彼を「信じようとすることができない(少なくともそう見える)」親御さんがいて、その信じられない結果としての「たたき起こす」行為があり、それを「うざいと感じる」彼がいたということなのでしょう。

 実際、彼は、そういう状況を「うざいっす」と言ってきました。

 私は彼に、心配そうな言葉、態度を示したことがないのに対して、そのお母さんは、よく「心配」という単語をメールに入れてこられました。おそらく本人にもそういう心配を口にされ、態度にもあらわされていたことでしょう。私も親なので、お気持ちよくよくわかるのですけどね。

 でも、そのように心配されているお母さんが私は心配でした。なぜなら、これまた、「彼を信じていない」というメッセージを彼に与えてしまっていたかもしれないので、、。信じてくれない人のために、人はがんばりにくいのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

 そのような「心配」を口にすることは、私がおすすめしていない「厳しい言葉」に通じるものがあるかと、、。

 (つづく)

 

2017年7月17日 

 「心配」を口にすることは、「子どもたちを信じていない」という暗黙のメッセージを伝えかねないと思うのですが、それは、「あなたはダメね」と言っているのに等しい印象を子どもたちに与えかねないともいえるかと思います。

 「厳しい言葉」もそうですよね。

 たとえば

「なんでそんなこともできないの?」

と大きな声で親御さんが子どもに言われるとき、それは、親御さんとしては、励ましの意味を込めてのメッセージのつもりかもしれませんが、子どもたちからしたら、

「あなたはダメね」

「頼りないわね」

と言われているように響くかもしれないという認識は持っておかれたほうがいいかと思います。

 このあたりに、「(子どもが)心配という言葉」と「(子どもに対する)厳しい言葉」の共通する根っこみたいなものを感じませんでしょうか?

 子どもたちのことを心配されている親御さんの姿と厳しい言葉をかける親御さんの姿は、見た目はずいぶん違いますけどね。

 

 子どもたちは、たとえば、志望する学校のレベルがとても高いとか、「厳しい壁」(ある意味で「厳しい環境」)にぶち当たっても、意外とタフに受け止めることが多いのですが、厳しい親御さんの一言一言には、簡単に心が萎(な)えるというのは私は頻繁に経験しています。

 そうして心が萎(な)えた子どもたちに対して

「やる気がない」「がんばらない」「自主性がない」「受け身だ」

みたいな言葉が、さらに追い打ちをかけたりすることもあります。

 昨日も体験授業におじゃましたお宅で、事前のメールで

「塾で、最初の5分で集中が切れると言われた」

「やる気がない」

「わかりにくく、少し難しい子」

と書かれていた子を教えたのですが、体験授業後、私は

「本人に全然問題は感じられませんでした」

と申し上げざるをえませんでした。だって、本当にとてもいい子なので、、。

 おじゃまする前は、「これは大変な子だ」と思っていました。

だって、「塾で、最初の5分で集中が切れる」とかですからね。

 こちらも覚悟を決めていったのですが、最初こそ、少し緊張しているようなところがありましたが、むしろしり上がりに集中してくれて、最後あたりはものすごく集中してくれました。

「塾で、最初の5分で集中が切れると言われた」

「やる気がない」

「わかりにくく、少し難しい子」

という、いずれにもまったく(!)当てはまらない子を目の前にして、私は

「とても素直でいい子ですね。集中力もすばらしいです。頭もいい子です」

と申し上げるしかなかったのですが、それを聞かれたご両親が驚きの表情を浮かべられたのが、私から見たら、驚きでした。

 私は、親御さんのかかわりのあり方に関して、その子にどうかかわったほうがいいかを体験授業で感じたことをもとに、具体的にお伝えしていくことにしました。

(つづく)

 

2017年7月24日

 私がお伝えした内容がだいたいどんなだったかは、おそらくこのホームページをある程度お読みになった方でしたら、ご理解いただけるかと思いますが、大まかに言いますと、親御さんがあまり前に出て子供さんを引っ張ろうとせず、後ろからついていく感じでちょうどいいというお話(実際は、具体的にお話ししましたけど)が中心でした。

 後ろから見守ってあげて、致命的に危険な状況以外は見守り、がんばっている様子をみて、声援をあげる感じでしょうか。

 

 ところでところで、実は、そういうお話をしている途中で、そこのお父さんが「受験に受かるか心配」ということを口にされたので(前回でとりあげた心配という言葉、出てきましたね。お気持ちわかりますが、あまり言われると本人いやかもしれませんね)、

「僕も、親なので、お気持ちわかりますが、そういう心配をされると、少なくともそういう心配を口に出されると、子どもってやりにくさを感じたりするかもしれません。子どもたちが精一杯がんばっているのでしたら、結果はどうなろうと、ほめてあげるくらいのスタンスのほうが結果がよくなるのではないでしょうか。わからないところを教えてあげるとか、困っていて、助けを求めてきたら、情報をあげたり、サポートをしてあげたりするとかは、してあげたらいいかと思いますが、周りから、『心配だ。心配だ』と言われると、かえってやりにくく感じるかと思うのですが、、」

みたいな話をさせていただきました。お父さんは、真剣に耳を傾けてくださいました。ありがたいことです。

 その間、本人はコクンコクンとずっとうなずいていました。

 途中で、

「お父さん怖い」

「お父さんうるさい」

という言葉も彼女の口から出てくる場面もありました。

 親御さんとしては、子供さんの先々を心配するのは当然だと思うのですが、それを頻繁に言われた本人からしたら、神経を逆なでする「雑音」にしか聞こえないかもしれませんよね。

 わかっていても、つい口に出てしまうのが親かもしれません。ですから、すぐには、変われないかも、と思いながら、真剣に耳を傾けてくださっただけでも、ありがたいと思い、何かの「気づき」のご参考になれば、とお話をさせていただきました。

 もっとも、何も言わないでいいというわけでは、もちろん、なく、子供さんをいい方向にもっていくために、いつ、誰が、どのように、何を子どもたちに伝えるかが大事で、これが難しいという方もおられるかもしれませんね。とくに、「誰が」「どのように」が最も大事かと思うのですが、次回これについて触れていきますね。

 ということで、長々とした前振りになりましたが、次回、学校に自分で行くのが困難だったた「愛知県の子」(小学生のときは、一時期不登校にさえなっていた子ですね)に、私がどんな話をどのようにしたか、具体的にお示ししていきますね。

 前のページ(117ページ目)の最初で、

「田口と話したくらいで、そこまで変わる?」

と思われる方がおられるかもしれませんが、事実ですよ。

と書いた、その変わり方の原動力がどこにあるのか、を解き明かしていきますね。

(つづく)

 

2017年7月31日

 実は、この前のこの子との授業のときも、楽しかったです。

 夏休みの課題に作文があるのですが、その作文を書くのを教えてほしいとのことだったので、教えていったのですが、そのこと(作文を教えてほしいという内容)を伝えてくださった、お母さんからのスカイプメッセージが、よく読み取れないところがあって(このスカイプメッセージ、お母さんのご了解をいただけたら、載せさせていただきますね)、本人にどういうことか授業中に聞いたら、教えてくれて、なるほど、そういうことかと納得したのですが、で、詳しくは、今は申せませんが、そのことで盛り上がってしまい、それを踏まえた(私が勝手に!)作文も本人楽しかったみたいです。(私が教え始めたばかりのころ、確か、授業前に押入れかどこかに逃げ込んでいた、というのがありましたが、今ではそれがうそのようですね!)

 もちろん、私も、楽しかったですよ!(盛り上がった内容は、具体的には、もし、書きだせたら、後ほど書きだしていきますね。お母さんのご了解がその前に必要ですね)

 作文、なかなか上手に書けました。

 少しすんなり理屈がつながっていないかな?と思われるところがありましたが、それをいじくりまわしたら、本人の文章でなくなってしまいますしね。

 中学生らしい素朴な疑問がちりばめられていて、いい文章だったと思います。

 作文は、本人の個性が出ていることが大事で、どこからか、アイデアや文章を借りてきたような、紋切り型のいかにも優等生っぽい作文なんて、面白みもなく、だれも読もうとしないでしょう。本人も書いて楽しくはないですよね!

 (私の経験ですと、AO入試とかで、落ちる子は、そのあたりがわかっていない子が多いです。)

 最初は、一言も書けない感じの彼女でしたが、だんだんコツをつかんできてくれたのか、最後あたりは、どんどん自分の言葉で作文を書いてくれました(厳密には、彼女が作文を言って、私がそれをホワイトボードに、確認しながら書き出していったという感じだったのですけどね)。

 

 さて、前回のつづきですね。私は、学校に一人で行くのが困難だった彼女とどういう話をしたかなんですけど、、。

 実ははっきり覚えてないところもあるんです(ポイントのところは、覚えてますけどね)。

 ただ、私は「学校が楽しくない」というのが引っかかっていて、

「学校に一人でいけないんだ?」

「学校楽しくないの?」

みたいなことを彼女に聞いて、前回までのお母さんの「彼女に対する見方」みたいなものは度外視して、「彼女の本当の気持ち」みたいなのを教えてもらおうとした、という感じです。

 まずは、そこから始めました。極力、偏見なしに、虚心に耳を傾けるという姿勢、こういうときは大事だと思います。

 こんなとき、私は、まずこういう姿勢で臨むことにしています。学校の先生など、こういうことをされていない方が結構多いことは、親御さんたちからのお話で、しばしば感じさせられるのですが、これができない人が子どもたちをいい方向に導くことはできないでしょう。

 これ、簡単なようで、難しいのかもしれませんけどね。

 まず、これが一つ目のポイントですね!

 「また聞き」の情報は度外視して、虚心に耳を傾ける、です。

(後注:お母さんから、上のスカイプメッセージの掲載、ご了解いただきました。次回にでも、掲載できればと思っています。お母さんいつもありがとうございます!)

(つづく)

(次回は、ページを変えて)

 

 

 















もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。繰り返し繰り返し読むに耐えうるものにしてあるつもりです。

 

次のページ(119ページ目)

前のページ(117ページ目)

 

  


「とび授業」のすすめ


視点目次(サイトマップ)


優先相談お受けします

いじめられないために。いじめをなくすために。知識のしずく「その1」

学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」

変質者によって、子どもが殺されないために。知識のしずく「その3」

兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」



「勉強しろと言わないように」ということに関して。知識のしずく「その5}

「選挙制度、政治制度の改革」に関して。知識のしずく「その6」


政治への向き合い方について。知識のしずく「その7}


大学入試改革の問題点について。知識のしずく「その8」




家庭教師先募集の要項




YOSHI MOTO・RCさん(バイクやさん)のご紹介


私の今のスケジュール



私とPCで話をして見ませんか

 

私の新刊「伸びる子とそのためのアプローチ」ご紹介いたします




私の2作目の本紹介いたします





早朝授業のすすめ

トップページ

メール

お問い合わせ、ご質問の方へ



よりよい家庭教師へのアプローチ

私の本「ある家庭教師からみた、伸びる子・伸びない子」紹介いたします

ryoさんの、私の本の手に入れ方

掲示板1

掲示板2(掲示板1が満杯になったので、今後はこちらに書き込んでいただければ)


掲示板3(以前サーバートラブルあり。すでに大量の書き込みあり、ご参考に、、)
















inserted by FC2 system