家庭教師田口の視点(108ページ目)
(このホームページは、最初は、ご興味のあるところから、拾い読みをされることをお勧めいたします。うそや大げさな表現は避けているつもりです。プロの家庭教師のレベルとして、当然のことを書いているつもりです)
2016年9月2日
今教えている子で、浪人生で、いわゆる関関同立をめざしてがんばっている子がいます。この子は、今とってもがんばっていますが、もともとは勉強レベルが甘く(本人はがんばっているつもりだったでしょうが、ある理由があって、学力の低い状況にあり、関関同立に受かるレベルには、この程度のがんばりでは厳しいだろう、という状態でした)その意識、行動を引き上げるのが、最初のころの大きな課題だった子です。
お母さんは、とても厳しい方で、でも、私は、お母さんに「彼を変えるのに厳しく接する必要はまったくない」といういうことを繰り返してお伝えしてきました。
でも、つい言いたくなってしまうらしいですね。厳しく、、。私も親なので、そのお気持ちよくわかるのですが、、。
いま、彼ものすごくがんばっています。
そういえば、今教えている子で、「朝起きられない」とお母さんが困っておられるお宅がありますが、このお宅の子も今変わりつつあります。これも怒らずに起きられるようにした事例は家庭教師田口の視点(66ページ目)の一番下以降の「奈良のお宅」などについて、具体的にどうかかわってどう変わったかなど記してきたかと思うのですが、こんなことでも怒らずに変えていく方法はあるのですね。
ということで、今回は関西大学の入試問題で、2014年2月3日実施分の英語の[Ⅲ]で取り上げられている内容に興味深いものがあったので、とりあげてみますね。もし、それが収録されている赤本でもお持ちの方は、読み応えのある内容ですので、全体をお読みになるといいですよ。
ここでは、一部分だけご紹介します。
大学の入試問題の多くがとても興味深い題材を扱っていて、私の知的好奇心をくすぐられることが多いのですが、この関西大学のそれも、いつもなかなかいい内容ですね。
ここでとりあげられているのが、教育のあり方です。
英文をそのまま載せず、私の解釈を載せますね。そこで述べられているのは、
「ストレスに満ちた家庭環境で育った子は、一般的に、集中する、じっと座っている、失望から立ち直るというのがより難しく、それは幼いころにもっとも影響を受ける脳の部分というのが、思考や行動をコントロールするのに重要な役割を果たしているからだ」
というものです。
先日も、知り合いのあるお母さんが、怒りながら3、4歳くらいのご自身のお子さんの頭を、パシッと(それでも、強くというほどではないですが)たたいておられるのをみて、
「なるべくたたいたり、怒ったりされないほうがいいですよ。厳しく育てると、子供がしっかり育つというふうに思われるかもしれませんが、そんなことはないんですよ」
みたいなことを、失礼にならないように気を付けながら、お伝えしたのですが、子供に対する言葉やかかわりは厳しくする必要はないのですね。
厳しくするとしたら「環境」(私の言う環境とは、世間でいう環境とはずいぶん違います。詳しくは家庭教師田口の視点(47ページ目)と家庭教師田口の視点(48ページ目)と家庭教師田口の視点(74ページ目)をご覧ください)のほうでしょうね。
上でストレスに満ちた家庭環境というのは、一つは私たち周囲の人間による、子供たちに対する言葉や態度も含まれると、私は感じています。
子供の成長にとって、一番よくない状況というのは、甘い「環境」と厳しい「言葉」だと思うのですが、それはたとえば、「ほしいというものはなんでも(ときに、本人がいらないというものまで)買ってあげて(甘い「環境」)、子供たちに対して、厳しい「言葉」を毎日のように言う」というようなことかと思います。
これ、すでに何度か申していることですね。
(つづく)
2016年9月8日
朝起きれない子が起きるようになったというお話は、もう何回か書きだしているかと思いますが、
家庭教師田口の視点(77ページ目)の2013年9月20日の書き込みあたりがご参考になるかもしれませんね。
この子も、怖いお母さんがいくら怒っても、何しても、朝起きなかったのが、すぐ翌日から起きだしたんですよ。
そのあたり家庭教師田口の視点(77ページ目)の2013年9月20日で分析もしていますので、で、これは子育て、教育全般につながるようなお話ですので、ぜひご参考にしていただければ、、。
以前上でご紹介した「奈良のお宅」の子が、私が話をしたら、次の日から突然起きだして、そこのお父さんが「今まで何を言っても、まったく自分で起きなかった子(確かご両親にたたき起こされていたという話でしたよね。それも、ちょっとたたいたくらいでは起きなかったという感じでしたね)が、、」と驚かれて、「いったい今までのあれは何だったんだ」とメールに書かれてきたというのをご紹介したかと思うのですが、そこでの彼の名言
「気持ちの問題だよね」
がこのことの本質をついている思います。
多くの親御さんが説教をされるんですね。
「こうあるべきだ」的なお話を、、。
しかも、ときに感情的に、、。
もしかしたら、それは一時的に効果があったりするかもしれませんが、もともと何度言ってもきちんとできない子の場合、説教をされて心から悔い改めるなどということはあまり期待できないのではないかと思います。
説教をするくらいなら、だまって、あるいは「えらいね」「ありがとう」みたいなことを言って頭をなでてあげるほうがよっぽど、本人のモチベーションをあげるといえるでしょうね。
多くを語る必要はないですね。本人の気持ちに寄り添うような話をし、必要であれば、本人の言い訳を最後まで聞いてあげて、本人を信頼しているというメッセージを送り、そのうえで内容とタイミングをわきまえた話をすれば、多くの子がそれに気持ちで応えてくれるということでしょう。
で、本人がきちんとしだしたら、それを当たり前と思わずに、「ありがとうね!」「えらいね!」みたいな言葉を投げかけてあげる。これを何度も繰り返してあげる(いわゆる継続的なフォローですね)。それで、本人はきちんとした行動を定着していくのではないかと思います。
ただ、その前に私たちが本人から好かれている、信頼されているということが前提になりますけどね。
「あの先生はおかしい。矛盾している」
というようなことを言われているうちは、何を言っても、本人は、表面的にはともかく、心のうちでは、耳を傾けてくることはないでしょう。
実は、ある浪人生の子、「お母さんが説教をしだすと、静かにしていないと、いつまでたっても説教が終わらないから、静かにしている」みたいなことを言っていました。
お母さんは、本人の静かな態度を受けて、「今回厳しくいって、本人もずいぶん反省したようです」と連絡してくださいました。
本人の気持ちとお母さんの認識にギャップが生じてしまっていますよね。
このあたりを改善すると、どんどんいい方向に物事は進んでいくと思います。
具体例は、このホームページからいろいろと拾い読みしてみていただけたら、、。
2016年9月15日
(少し難しいお話をしますが、私たちにとって大事なお話でもあると思いますので、ついてきていただければ、、。)
今は昔にくらべて、国の子育てに対するさまざまな支援があったり、子育てを支援するコミュニティーみたいなものが増えてきたりして、子育てに対して「社会的援助」は手厚くなってきたようにも思えますが、一方、子育てがうまくいかなくなる要因もいくつか考えられます。
今回は、それに触れてみますね。
なぜって、この子育てがうまくいかなくなる要因が最終的に、教育格差、さらに、それに起因する収入格差(まさに格差社会)につながっている気がするものですから、、。
それだけ、私たちの子育てのあり方が重要になってきたといえるかと思います。
つまり、私たちのかかわり次第で、子供たちがしっかりした成長をしもし、そうでなくなったりもする、そのぶれがますます大きくなってきていると、、。
日本は、今、格差社会になりつつあるといわれていますが、それは、教育的側面からも言えると思うんです。
もちろんこれ以外にも、格差社会を生じさせる要因はあるでしょうが、私はそちらは専門外なものですから、教育、子育てという観点だけにしぼって、お話しますね。
子育てに大きな影響を与えるものの一つが急激な世帯人数の縮小ですね。
昔は、子供の数が多く、また、おじいさん、おばあさんが同居しているみたいなことがありましたよね。
でも、今は、核家族化が進み、さらには、母子家庭、父子家庭みたいなのも、増えてきているように思います。
そうすると、親御さんの子育ての力量の差が子供の能力に大きな影響を与える可能性があるかと、、。
いい影響を与えれば、子供たちはものすごい能力を発揮し(実際、昔に比べ、トップレベルは極めて優秀です。錦織圭くんのような世界的なトップアスリートの数、オリンピックでのメダルの数の増加をとりあげるまでもなく、私たちは日常でそれを感じることができますよね)ますが、そうでない場合は、子供たちが行動面、学習面などで問題を起こすという事例も目立つようになってきているようにも思います。
昔は、親の子育てが上手であってもなくても、それがより表に出にくかったのでしょうね。
というのも、かつては、子供が多く、たとえば、親の厳しい言葉が3人とか4人とかの子供たちに分散して投げかけられたため、子供たちの一人当たりへの影響は、小さかったと言えるかと思いますが、今は、親の厳しい言葉が1人とか2人とかいう少ない子供に集中することになります。
それに加えて、その厳しい言葉のクッションになりうる、子育てに熟達したおじいさんおばあさんみたいな存在がいなくなり、子供たちが、親御さんとより孤独なかかわり(場合により、「戦い」)をしなければならなくなるという場面が増えているのではないかと思います。(つづく)
2016年9月21日
たとえば、今教えている子で、例のメールにインターネットで片っ端から検索している中、偶然見たHPで釘付けになりました。と書いてきてくださったお母さんのお宅(家庭教師田口の視点(95ページ目)の2015年8月11日ご参考に、、)の子、今ものすごく(これさえも控えめな表現にみえるほど)がんばっています。お母さんのかかわりもとてもいい感じになっています。ありがとうございます!
本人が「きちんと復習をしない」とか「朝きちんと起きない」とかいろいろお母さんが悩まれていたことは、家庭教師田口の視点(89ページ目)の最初あたりから今に至るまで、何度かご紹介してきて、その改善ぶりも載せてきましたが、今は、お母さんのお悩みのメールはまったくいただかなくなり、それどころか、今も学力がどんどん伸びています。何よりも、勉強に対する姿勢がよくなりましたね。
今中2なんですが、たとえば、英語で関係代名詞の所有格のあたりを私は教えていっているのですが、これ、中3レベルを超えた内容で、本人が純粋に好奇心から教えてほしいと言ってきて、教えているところなんです。
で、毎回理解が完ぺきです。最近は数学の難問をすらすら解くところ、英作の見事さなど、天才的な賢さを感じさせます。
その様子は、私のあちらへの最近のメールでは、以下のように記されています。
2016年9月28日
最近教えたばかりの子という上の子、実は、あるお宅のご紹介なんです。
そのあるお宅で、今教えている子から、
「お父さんが、田口先生にお願いしたら、と紹介したうちがあるので、よろしくお願いいたします」
みたいなことを、以前言われていたんですけど、しばらく何も言ってこられなかったので、ほかにされたのかな?と思っていたら、このあるお宅を通じて「教えてほしい」と言ってこられました。
その間(かん)1、2か月ほどあったと思います。
で、その間(かん)、お父さんが私の顔を見られると、何か言いたそうな感じもあったのですが、押しつけがましいのは、私は、一番よくないと思っているものですから、そのままにしておいたら、あるとき、お父さんではなく、お母さんのほうから、
「こういううちがあるのですが、先生、引き受けていただけませんか?」
と打診してこられました。
で、私が、
「ご紹介してくださり、ありがとうございます!こちらこそよろしくお願いいたします」
みたいなことを申し上げたら、すぐに電話を先方にしてくださり、私にそのままその電話機(子機)を渡して来られました。フットワークのいいお母さんですね。私の大好きなお母さんの一人です。
で、お話したのですが、上のようないろいろな悩み事を、先方のお母さんは話されていました。
その中で、印象に残ったのが、
「朝起きられない子で困っているんです。いつも『はようはよう(早く早く)』というのですが、自分から起きようとしないので、毎朝しんどいです。。。。」
という部分でした。
「『はようはよう(早く早く)』といわれるのですか?僕は、そういうこと自分の子には言ったことがないです」
と申し上げたら、少し驚かれたように
「そうなんですか」
と言ってこられました。で、私は
「『はようはよう(早く早く)』というのは、『あなたはダメな子ね』というメッセージを伝えているのに等しい行為であるかもしれないと思うものですから、、」
みたいなことを申し上げたように思います。
最後あたりに、
「本人よりも私が勉強することのほうが多そうですね」
と言ってこられましたが、ありがたいです。
ありがとうございます!
でも、なかなか変わるのが難しいということも私は、十分承知していますので、初めから、あまりがんばられないほうがいいかもしれませんね。子育ては「短距離走」ではなく、「長距離走」なのですから、、。
あるお宅の「お父さん」は、だまされたと思って田口先生に一度教えてもらったら、という感じで紹介してくださったようです。
本当にだまされたと思われないようにがんばらねばいけませんね!
(次回はページを変えて)
※もし、この「視点」全体から、読みたいところを探したいという方は視点目次(サイトマップ)をお使いください。ほとんどあらゆるタイプの頭の子、性格の子をとりあげてきています。かかわりの基本は同じですが、少しずつ、子どもたちによって、かかわりに変化をさせています。きっと、ご自身のお子さんと似た子も発見することでしょう。私が、どういう子にどうかかわって、子どもたちを変えてきたか、成績を上げていったか、などを、具体的に記していっていることがおわかりいただけるかと、、。ぜひご参考に、、、。
「とび授業」のすすめ
視点目次(サイトマップ)
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学校からいじめをなくすには。知識のしずく「その2」
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兄弟姉妹げんかをなくす方法。知識のしずく「その4」
「勉強しろと言わないように」ということに関して。知識のしずく「その5}
「選挙制度、政治制度の改革」に関して。知識のしずく「その6」
政治への向き合い方について。知識のしずく「その7}
大学入試改革の問題点について。知識のしずく「その8」
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